青の党(Die blaue Partei)とは:2017年結成のAfD分裂右派保守政党(2019年解散)
青の党(Die blaue Partei)—AfD分裂の右派保守政党。2017結成、2019解散。ユーロセプティックや移民規制を掲げた背景と影響を詳解。
青の党(ドイツ語:Die blaue Partei)は、ドイツの右派保守政党。2017年9月17日に結成され、2019年に解散した。2017年の選挙後、AfDから分裂した。同党は穏健な元AfDの有権者を取り込もうとした。
青の党はユーロセプティック(欧州連合に批判的という意味)だった。同党はまた、移民の制限を強化することを望んでいた。同党の政策の多くは、AfDのそれと似ていた。
結成の経緯と指導者
結成者はフラウケ・ペトリー(Frauke Petry)で、彼女はそれまでAlternative für Deutschland(AfD)の党内有力者の一人だった。ペトリーはAfDの急進的な流れと対立し、2017年に離党して穏健右派を標榜する新党として青の党を設立した。党の狙いは、極右色の強いAfDから距離を置きつつ、保守的な有権者の受け皿となることだった。
主張・イデオロギー
- 保守・右派的立場:家族観や伝統的価値観を重視する保守的な立場を打ち出した。
- ユーロセプティシズム:欧州連合に対して懐疑的な姿勢を示し、EUの権限や財政面での見直しを主張した。
- 移民政策の引き締め:移民と難民政策の制限を強化することを訴え、安全保障や社会統合の観点から移民流入を抑制する姿勢を示した。
- 中道右派への訴求:AfDよりは穏健な政策や言説で、中道右派の有権者層を取り込もうとした。
組織・選挙での成績
青の党は組織基盤や資金面で限界があり、短期間で大きな支持を獲得することはできなかった。連邦議会(Bundestag)や多くの州議会で目立った議席獲得はならず、主要な選挙での得票率は低迷した。結果的に党勢拡大にはつながらず、多くの元AfD支持者はAfDにとどまったり、他の政党へ流れたりした。
解散とその後
2019年、党は活動継続の見込みが低いとして解散した。解散の理由としては、支持者数と組織力の不足、選挙での成果不振、政治的インパクトの限定などが挙げられる。結成者のフラウケ・ペトリーを含む主要メンバーも政界での影響力を維持することが難しく、その後は政界から距離を置く者が多かった。
評価・影響
青の党の成立はAfD内部の分裂とその影響力の再編を示す出来事ではあったが、国内政界に与えた長期的な影響は限定的だった。穏健右派の受け皿を目指した試みは、短期的には一定の注目を集めたものの、最終的には有権者の支持を広げられなかったため、保守系政治勢力の地図を大きく塗り替えるには至らなかった。
補足:本記事は青の党の基本的事実と特徴をまとめたもので、党の政策や動向については各種報道や公的資料を参照することで詳細に確認できます。
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連邦議会初の「青の党」議員、フラウケ・ペトリ。
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