ペンタゴンは、アメリカ合衆国国防総省の本部です。バージニア州アーリントンワシントンD.C.近郊)に位置し、外壁は主に石灰岩の覆いで仕上げられています。建物は五角形の平面をもち、中央に大きな中庭を囲む形で配置されています。建物は地上5階、地下2階を含めた構成(一般に「7階建て」と表現されることがあります)で、約23,000人の軍人・文民が勤務しています。

概要と特徴

  • 世界最大級のオフィスビル:総床面積は約650万平方フィート(約60万平方メートル)で、約370万平方フィート(約34万平方メートル)が実際のオフィススペースです。
  • 独特の構造:建物はAリングからEリングまでの5つの同心円状のリングと、それらを結ぶ十本の放射状回廊で構成されており、このため建物内のどの場所へも比較的短時間で移動できます。一般に「どの場所にも7分以内で行ける」と説明されることが多いです。
  • 中庭(Pentagon Reservation):中心にある開放的な中庭は天然の光を取り入れ、建物の規模にも関わらず採光と換気が確保されています。

建設と歴史

設計はジョージ・エドウィン・バーグストロム(George Edwin Bergstrom)らが担当し、建設は1941年9月11日に着工、1943年1月15日に公式完成・使用開始となりました。戦時中の迅速な需要に応える形で短期間で建設された点が特徴です。主要請負業者はジョン・マクシェイン(John McShain)らでした。

2001年9月11日の攻撃とその後

着工日と同じ9月11日という日にちに関する偶然は重なりますが、ちょうど60年後の2001911日、アメリカ同時多発テロの一環としてアメリカン航空の旅客機(フライト77)がペンタゴンの西側を直撃しました。この攻撃により、合計で189人が死亡しました(その内訳は、機内の搭乗者・乗員を含む64人と、建物内で犠牲になった125人)。建物の被災部分は大きく損壊しましたが、迅速な応急・復旧作業と復興計画により、損壊箇所は短期間で再建されました。被害を受けた区画の再建プロジェクトは「フェニックス・プロジェクト」などの名で知られ、被害から約1年後には再開された部分もあります。

また、犠牲者を追悼するための記念施設としてペンタゴン・メモリアル(Pentagon Memorial)が建立され、後に一般公開されました。事件以来、建物の安全対策や出入り管理が強化されています。

現在の利用とアクセス

  • 国防総省の主要な指揮・管理機能が集約されており、軍事・防衛政策の計画、情報管理、部隊編成に関わる多数の部署が入っています。
  • 交通アクセスは良好で、ワシントン近郊の交通網(インターステート395やワシントン・メトロのPentagon駅)を通じて首都圏と結ばれています。
  • 訪問者は厳格な入館手続きを経る必要があり、一般見学には事前申請が求められることが多いです。

豆知識

  • 「ペンタゴン」という名称は英語の“pentagon”(五角形)に由来します。
  • その巨大な規模と独特の構造により、しばしば世界最大のオフィスビルの一つとして紹介されます。