This City(この街)は、アメリカのポップ・シンガーソングライター、Patrick Stump(パトリック・スタンプ)が7月26日に自身のブログで発表した、Island Def Jam Records傘下のデビュー・アルバム『Soul Punk』からリリースされた初のソロ・メインストリーム・ラジオ・シングルです。この曲のシングル・バージョンには、アメリカのラッパーでありソングライター兼プロデューサーであるルペ・フィアスコがフィーチャーされています(オリジナルのアルバム版ではフィアスコのラップは加わっていません)。

背景と制作

スタンプは2009年後半に彼が所属するFall Out Boyが活動休止に入った後、ソロ作の制作に取り掛かりました。2010年1月に彼自身がデビュー・ソロ・アルバムのプロデュースを行うことを発表し、演奏、作曲、作詞、プロデュースに加えて10種類以上の楽器の演奏を自ら担当したことでも知られています。レコーディングの資金は、Fall Out Boyでの収入によって賄われました。

音楽的方向性はポップ/R&B志向で、スタンプは自らのサウンドを「ソウルパンク」や「スマートポップ」と表現しています。彼はプリンス、マイケル・ジャクソン、デヴィッド・ボウイなど幅広いアーティストから影響を受けており、それらの要素が楽曲のアレンジやメロディに反映されています。

曲の意義とアルバム再構築

スタンプ自身の証言によれば、"This City"はアルバム全体の方向性を根本から変えるほど重要な曲でした。彼は当初アルバムの下書きを進めていましたが、制作の「11時間目」に"This City"のアイデアを思いつき、その曲があまりにも気に入ったためにアルバムを作り直す決断をしたと語っています。結果として当初2011年2月のリリースを予定していたSoul Punkは、完成を見直すために10月18日へと延期されました。

スタンプは「アルバムがバラバラになっているように感じ、マスタリング直前にマネージャーに"This City"を聴かせたところ、とても気に入ってもらえた。しかし自分はまだ言いたいことを十分に表現できている自信がなかった。だから『もしそれをレコードに載せるなら、もう一度最初からやり直さないといけない』と思った」と述べています。最終的に彼は、"This City"、"Everybody Wants Somebody"、"Allie"、"Dance Miserable"の4曲を核にアルバムを再構築しました。

シングル版とフィーチャー参加

シングルとしての"This City"はラジオ向けに再構成されたバージョンが発表され、その際にルペ・フィアスコがコラボレーションで参加しました。アルバム収録のオリジナル・バージョンと比べると、シングル・リミックスはフィアスコのラップ・パートが加わることで曲の表情が変わり、よりメインストリームのラジオ・フォーマットへ適合する仕上がりになっています。

評価と影響

この曲はスタンプのソロ作において重要なターニングポイントとなり、彼のソロ活動の認知を高めるきっかけになりました。制作面ではセルフプロデュースかつマルチインストゥルメンタリストとしての手腕が強く出ており、またポップ/R&B的なサウンドにロック的な感覚を融合させた点が評価されました。

なお、本稿で使用した各種の参照リンクは以下の本文中にある通りです:アメリカのポップ・Patrick Stump(パトリック・スタンプ)ブログで、アルバム『Soul Punk』から、ラッパー、プロデューサー、Fall Out Boy