トゥトゥクーディ郡(タミル・ナードゥ州)—歴史・真珠養殖・古代遺跡の概要

トゥトゥクディ郡の歴史と真珠養殖、古代遺跡を一挙紹介。パンディヤ王朝・コルカイ港の交易史やアディチャナルール遺跡の見どころを詳説。

著者: Leandro Alegsa

トゥトゥクーディ郡(トゥートゥクディとも表記)はインド南部のタミル・ナードゥ州の郡です。1986年にティルネルヴェリ郡が分割されてできた郡で、郡庁所在地はトゥトゥクーディ(英: Tuticorin / Thoothukudi)です。郡はインド洋に臨む海岸線を持ち、沿岸漁業や港湾物流、海洋資源に大きく依存する経済構造を持っています。

地理と気候

トゥトゥクーディ郡はゴルフ・オブ・マンナール(マンナール湾)に面しており、沿岸部には砂浜や小島、塩田が広がります。気候は熱帯性で、高温少雨の乾季と、モンスーンによる降雨がある季節性のある気候が特徴です。海岸線と浅海域は漁業・養殖に適しており、同時に高潮や台風などの海象リスクにも晒されます。

歴史

  • 古代〜中世:この地域は古代タミルのパンディーン王朝(Pandya)の勢力圏で、海上交易が盛んでした。郡内には古代の港だったコルカイ(Korkai)の遺跡があり、ここからローマ世界との交易が行われたことが記録されています(ローマとの交易に関する史料)。
  • 考古学:アディチャナルール(アディチャナルール)には古代タミル文明に属する遺跡があり、壺葬や鉄器、土器などの出土品によって紀元前〜前近代の交易・生活の様相が明らかになっています。
  • 近現代:英領インド時代以降、トゥトゥクーディ港は地域の主要港として発展し、20世紀以降は商業港・工業港としての役割が強まりました。1986年に行政区画の再編で現在の郡が成立しました。

経済と産業

トゥトゥクーディ郡は海洋資源と港湾を基盤とした経済が中心です。主な産業を挙げると:

  • 真珠養殖:この地区は伝統的に真珠の産地として知られ、沿岸沖合で豊富な真珠が採取・養殖されてきました。天然の真珠床に依拠する採取から、管理された養殖(養殖用の貝の管理や育成)へと技術が移行しています。
  • 漁業・水産加工:地域の主要な雇用源で、近海漁業やエビ・貝類の養殖、冷凍・加工業が発展しています。
  • 港湾・物流:トゥトゥクーディ港は貨物輸送や輸出入の拠点で、工業輸送、石炭・鉱物の取り扱いなども行われます。
  • 塩田・化学・製造業:沿岸の塩田、化学工場や関連する製造業が地域経済に寄与しています。

考古学と文化遺産

郡内には古代の港湾遺跡や葬制遺跡が点在し、タミル古代文明や海上交易の研究に重要な情報を提供しています。特にアディチャナルールの遺跡は、墓制や副葬品を通じて当時の社会構造や交易圏を知る手がかりとなっています。これらの遺跡は学術的価値が高く、保存と発掘調査が継続して行われています。

人口・社会

2011年国勢調査では人口は約1,750,176人で、男女比は男性1,000人に対して女性1,023人となっています。主要言語はタミル語で、宗教はヒンドゥー教が多数を占めますが、海上交易の歴史から宗教・文化的な多様性も見られます。都市部を中心に教育・医療・インフラが整備されており、港湾や工業に関連した雇用も多いのが特徴です。

交通と観光

  • トゥトゥクーディ港は地域の海上交通の中心で、貨物船・フェリー等が利用します。
  • 空港や鉄道・道路網により州内外と結ばれており、旅客・貨物の移動が可能です。
  • 観光資源としては古代遺跡(コルカイやアディチャナルール)、沿岸のビーチ、小島や海洋生態系(サンゴ礁や海洋保護区に近接)などが挙げられます。

環境保全と課題

真珠床やサンゴ礁、マングローブなど沿岸生態系は生物多様性の宝庫ですが、過剰漁獲、沿岸開発、海洋汚染により生態系の劣化が懸念されています。地元・国際レベルでの保護活動や持続可能な養殖技術の導入、沿岸管理が重要な課題です。

まとめると、トゥトゥクーディ郡は古代から続く海洋交易と真珠資源を背景に発展してきた地域で、考古学的遺産と海洋資源の保全・持続可能な利用が今後も重要となる郡です。

参考文献

1.      http://www.tn.gov.in/sta/a2.pdf Thoothukudi地区

2.      Majeed, A. Abdul (1987)."A note on Korkai Excavations".Tamil Civilization.Tamil University, Thanjavur.5 (1/2): 73-77.



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