岩盤とは?定義・特徴・識別方法と土木工事での重要性
岩盤の定義・特徴・識別方法を図解でわかりやすく解説。土木工事での重要性や調査・施工のポイントも詳述。必読の入門ガイド。
地層学において、岩盤は地球表面の下にある固い岩石の層を指す通称です。岩盤の上方には、通常、風化や侵食で砕かれた岩石片、土、砂、小石などが砕けてできた表層堆積物(レゴリスや土壌)が広がっています。これらの堆積物は一般に“表層”または“ドリフト”と呼ばれ、厚さは場所によって数センチから数百メートルまで大きく変わります。
岩盤の最上部は岩盤面(基盤岩の上端)と呼ばれ、建設現場や地質調査では、掘削やボーリング、物理探査(地震探査、電気探査、地中レーダーなど)を用いてその深さ・性状を明らかにすることが重要です。これらの作業はほとんどの土木工事において必須であり、基礎設計、トンネル設計、斜面安定解析、地下水管理などに直接影響します。
岩盤の定義と種類
岩盤は一言でいえば「十分に固結していて工学的に一体として扱える岩石層」です。岩盤は成因と組成により以下のように大別されます。
- 火成岩(花崗岩、玄武岩など)— 結晶質で強度が高いものが多い。
- 変成岩(片麻岩、片岩など)— 層理や造岩鉱物により特性が変わる。
- 堆積岩(砂岩、頁岩、石灰岩など)— 層状構造や切片・節理の影響を受けやすい。
岩盤の特徴(工学的観点)
- 強度と剛性:岩石そのものの一軸圧縮強度(UCS)や弾性係数で評価されます。
- 割れ目・節理:節理、断層、割れ目の有無・間隔・充填物は岩盤の力学特性を大きく左右します。
- 風化度:表面に近いほど風化が進みやすく、強度と透水性が変化します。
- 透水性と地下水:割れ目の発達や母岩の透水特性により地下水の挙動が決まります。
- 均質性:一枚岩的に均質か、層状・不均質かで工法選定や安定計算が変わります。
現地での識別方法(実務で使う手法)
岩盤を正確に識別するためには複数の手法を組み合わせます。代表的なもの:
- ボーリング(試錐・中小径ボーリング):コア採取により岩相、割れ目、風化程度を直接観察し、コア回収率・RQD(Rock Quality Designation)などの指標を算出します。
- 標準貫入試験(SPT)やコーン貫入試験(CPT):表層堆積物から浅部岩盤の推定に有効です。
- 地表観察:露頭、切土面、河岸などで岩相や節理を観察します。
- 物理探査:地震波速度(層厚や固さの推定)、電気伝導度(含水・粘性層の把握)、地中レーダー(浅部の連続性把握)などを用います。
- 室内試験:一軸圧縮試験、三軸試験、せん断試験、透水試験などで母岩や割れ目の力学的特性を定量化します。
土木工事での重要性と影響
岩盤の存在と性質は土木構造物の設計・施工に次のような影響を与えます。
- 基礎設計:直接基礎か杭基礎かの選択、基礎底面の支持力評価、締め固めの必要性判定に直結します。
- トンネル・地下空間:岩盤の強度・割れ目分布で支保工法や覆工コンクリート厚、掘削方法(爆破、機械掘削)を決定します。
- 掘削・斜面安定:切土や斜面の安定解析は、岩盤の節理・断層面が滑動面になる場合が多く、安全対策(アンカー、ロックボルト、排水対策)が必要になります。
- 地下水管理:透水性の高い岩盤は湧水が多く、排水計画や防水設計が必要です。一方、低透水性でも割れ目による流れが問題になることがあります。
- 施工コストと工期:堅固な岩盤は基礎支持に有利ですが、掘削が困難で工法・機材の選定やコストに影響します。逆に深い表層堆積物は大量の土砂除去が必要です。
現場での簡単な見分け方(実務的なポイント)
- ボーリングコアでのコア回収率が高く、割れ目が少なく固ければ岩盤と判断しやすい。
- 地表の露頭や切土面で硬い岩の層が連続して露出していれば浅部に岩盤がある可能性が高い。
- 地震探査でP波速度が高い領域は一般に堅い基盤岩を示す。
- 現場での穿孔や削岩機の抵抗が大きければ掘削が難しい岩盤が予想される。
補足:地図上の表現
ある地域の「固形」地質図には、通常、土やその他の表層堆積物をすべて取り除いた場合に地表に露出する岩石(基盤岩や表層岩)が示されます。実際の現場では表層堆積物の厚さや風化度を別途調査して、地質図の情報を補完する必要があります。
まとめると、岩盤は土木工事での設計・施工の基盤情報を決める重要な要素であり、正確な識別と性状評価のためにはボーリング・物理探査・室内試験などを組み合わせた総合的な地盤調査が不可欠です。工事の前段階で適切な調査を行うことで、安全性の確保とコスト最適化が期待できます。

ケイスネスのサンドサイド湾の岩盤の上にある砕けた岩石の破片が混じった土壌。
質問と回答
Q: 岩盤とは何ですか?
A: 岩盤とは地層学で使われる用語で、地表の下にある固い岩石のことです。
Q: 岩盤の上には何がありますか?
A: 岩盤の上には、通常、岩石、土、砂、小石などが砕けて風化した部分があります。
Q: 岩盤の上は何と呼ばれていますか?
A: 岩盤の最上部は岩頭と呼ばれています。
Q: なぜ岩頭を特定することが重要なのですか?
A: 岩盤を特定することは、ほとんどの土木プロジェクトにおいて重要であり、掘削、掘削、物理探査などの方法で行うことができます。
Q: 岩盤の上にあるドリフトの厚さはどのくらいですか?
A: 岩盤の上にあるドリフトは非常に厚く、時には数百メートルにもなることがあります。
Q: ある地域の「固い」地質図は何を示しているのですか?
A: その地域の「固い」地質図には、通常、土壌やその他の表層堆積物をすべて取り除いた場合に地表に露出する岩石が記載されています。
Q: 岩盤の上にある緩い物質はどこにありますか?
A: 岩盤の上にある緩い物質は、ドリフトと呼ばれます。
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