熱帯低気圧ハービーは、8月2日から8日にかけて大西洋を横断した強い熱帯低気圧である。2005年の大西洋ハリケーンシーズンにおいて、8番目に発生した暴風雨である。この嵐による被害はなかった。

ハービーは8月2日にバミューダの南西で熱帯波から発生し、8月4日にバミューダの近くを通過し、バミューダに大雨をもたらした。その後、嵐は東に移動し、バミューダから離れ始め、8日には嵐は時速65マイル(100km)の最強の強さに達し、非熱帯低気圧となった。この低気圧は大西洋の北部に数日間留まり、その後消滅した。

概況と経過

ハービーは熱帯波が優勢な海域で発達をはじめ、短期間で組織化して命名規則に従い「Harvey」として扱われました。観測によれば最盛期の最大風速は時速65マイル(約100 km/h)に達し、これは熱帯暴風雨(tropical storm)の強さに相当します。ハリケーン(米国基準では最大風速74マイル/時以上)には達しませんでした。

非熱帯化(温帯化)と消滅

ハービーは海水温が低く、周辺の前線性の系に取り込まれる過程で熱帯的な特徴(中心付近の対流や暖い中心)を失い、8日に非熱帯低気圧へと移行しました。こうした「温帯化」は大西洋中・北部でしばしば見られる経路であり、移行後は前線性の低気圧として数日間残存してから消滅しました。

影響

バミューダ付近を通過した際に大雨と一時的な強風をもたらしましたが、記録されたところでは大きな物的被害や人命被害は報告されていません。沿岸地域では短時間の高波やうねりの発生に注意が呼びかけられた可能性があります。

2005年のシーズンとの位置づけ

ハービーは2005年の大西洋ハリケーンシーズンにおける8番目の命名済み熱帯系であり、同年はカトリーナやリタ、ウィルマなど多数の強い嵐が発生した非常に活動的なシーズンでした。ハービーのように比較的影響が限定的な嵐もあれば、大規模な被害をもたらした嵐もあり、同年のシーズン全体は気象学的にも注目されています。

補足(用語の説明)

  • 熱帯波:赤道付近を西寄りに進む大気の波動で、熱帯低気圧の発生源となることがある。
  • 熱帯暴風雨(tropical storm):最大持続風速がおおむね39ノット(約72 km/h)以上、63ノット(約117 km/h)未満の熱帯低気圧。
  • 非熱帯低気圧(extratropical):温度構造やエネルギー源が熱帯性ではなくなった低気圧で、前線性の特徴を持つ。