トロイ
トロイは小アジアの北西に位置する都市である。ホメロスが書いた『イーリアス』と『オデュッセイア』の2篇と、『叙事詩』から6篇の計8篇の長大な叙事詩で語られるトロイア戦争の中心地であった。
現在では、ダーダネルス海峡の南西、現在のトルコ北西部チャナッカレ県の海岸に近いアナトリアのヒサルリクにある、ホメロスのトロイの所在地である遺跡の名前になっている。
伝説のトロイの城壁。ホメロスが書いたトロイは、今日、トロイ7世と呼ばれている。
トロイの建造の主なフェーズ
ホメロス・ギリシャの地図。
ホメロスのトロイ
ホメロスの記述に見られるトロイは、おそらく部分的には真実であろう。しかし、彼の記述が歴史的に正確であると考えるのは間違いである。その警告を込めて、これはトロイ戦争に至るまでの出来事を、主に『イーリアス』から導き出した要約である。
トロイは地中海に浮かぶ強力な王国であり、プリアモス王の長い統治のもとで繁栄していた。彼の多くの息子たちのうち、勇敢で強く無敵のヘクトルや、戦闘力は高くないが情熱的な人物であった創造的なキャラクターのパリスなどが、トロイ神話でよく知られている。
ギリシャにはミケーネと呼ばれる王国があり、ミケーネ人が支配し、アガメムノン王が統治していた。アガメムノンは、ギリシャの都市や王国に圧力をかけて、トロイを攻撃し、その富を獲得する作戦を開始した。イサカ王オデュッセウス(ユリシーズ)は、クレタ島のイドメネス王、さらに22の王国と王とともに、10年かけてトロイを攻撃した。オデュッセウスは、トロイの防衛線の後ろに兵士を配置するために、木製のトロイの木馬を使って兵士を隠し、クーデターを起こしてトロイを陥落させた。
トロイ陥落前、戦争の黎明期、プリアム王は戦争が始まるとトロイを守るために北ギリシャの強力なスパルタ王国との同盟関係を作ろうとした。ダルダノス王国のエネアス王(ヘリカオン)は、ヘクトルやプリアモン王の親友で、戦争ではトロイア側についた。しかし、ヘクトルとパリスがスパルタで同盟を結んだ後、その帰途、パリスはスパルタ王の妻ヘレン姫と恋に落ち、ヘクトルの同意なく娶った。これによって同盟は解消され、スパルタは結局アガメノン王の戦いに参加することになった。