女性参政権とは:歴史・世界の獲得年と運動の歩み

女性参政権の歴史と世界各国の獲得年を年表と事例で解説。初期の条件付き参政権から国際的承認まで、運動の歩みを分かりやすく紹介。

著者: Leandro Alegsa

定義と意義

女性参政権とは、女性が選挙権を持ち、選挙で選ばれる権利のことです。この権利は、法的・社会的な平等を実現するための基礎的な権利であり、政治参加を通じて女性の利益や視点が政策に反映されることを可能にします。参政権には「投票する権利(選挙権)」と「立候補する権利(被選挙権)」の両方が含まれますが、歴史的にはこれらが別々に認められることが多く、制限付き参政権から完全な普遍的参政権へと段階的に拡大してきました(例えば、年齢、財産要件、婚姻状況、納税資格などによる制限)。

起源と近代運動の始まり

女性が選挙権を得るための近代的な運動は、18世紀後半のフランスで始まった。革命後にフランス共和国が成立し、政治学者のアントワーヌ・コンドルセと活動家のオリムペ・ド・グージュが国政選挙で女性に投票権を与えるために運動した。これらの論議は、男女の市民権や政治的平等をめぐる議論を促し、その後の各国の運動に影響を与えました。

初期の限定的参政権の事例

女性参政権の初期のケースでは、一定の条件を満たした女性にのみ、ある種の選挙で投票する権利が与えられていました。たとえば、スウェーデンでは、自由の時代(1718年~1771年)に条件付きの女性参政権がありました。アメリカ合衆国では、ニュージャージー州で1776年の州憲法により財産を所有する未婚の女性が一時期投票できた例が知られています(1807年に撤廃)。1792年のシエラレオネの事例では、世帯主の一定割合が女性であったため、世帯主としての投票が行われたという地方的な事情がありました。これらは普遍的参政権ではなく、地域・身分・財産などによる限定的な権利付与の例です。

イギリス植民地や島嶼部での早期事例

いくつかのイギリスの植民地や周辺地域では、本国よりも早く女性参政権が認められた例があります。ピトケアン諸島に住んでいたバウンティの反乱軍の女性の子孫、1838年から選挙権を得ることができ、この権利は1856年に彼らがノーフォーク島に再定住した際にも維持されました。南オーストラリア州の女性は1861年から地方選挙での投票が認められ、マン島の女性は1881年から議会選挙での投票が可能となりました。

国家レベルでの画期的な出来事(19世紀末〜20世紀前半)

1893年、ニュージーランドは、独立国として初めて国政選挙で成人女性に投票権を与えました。南オーストラリア州は1894年に国政選挙での投票権とともに初めて女性が国会に立候補する権利も認められました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、スウェーデン、フィンランドをはじめとする西欧諸国でも段階的に女性の限定的選挙権が導入されました。

特に重要なのは、当時の状況を踏まえたフィンランドのケースです。フィンランドは1906年に成人女性に対する完全な参政権(投票権と被選挙権)を認め、翌1907年に世界で最初に女性議員が多数選出されました。フィンランドは当時、ロシア帝国の一部であり、この動きはヨーロッパにおける重要な先例となりました。

その他、イギリス本国では1918年に30歳以上の一定条件を満たす女性に投票権が与えられ、1928年に成人女性(21歳以上)に男性と同等の普遍的参政権が認められました。多くの欧米諸国では第一次世界大戦の影響もあって戦後に女性参政権が認められるケースが相次ぎました。

世界の主な年表と代表例

  • 1776–1807: ニュージャージー州での限定的な女性投票(財産要件)
  • 1838: ピトケアン諸島の子孫に対する投票権開始
  • 1861: 南オーストラリア州で地方選挙の投票が認められる
  • 1881: マン島で議会選挙の投票が可能に
  • 1893: ニュージーランドが国政で成人女性に投票権付与(独立国として初)
  • 1906–1907: フィンランド(当時ロシア帝国の一部)が完全参政権を認め、1907年に女性議員選出
  • 1918–1928: イギリスなどでの段階的拡大(1918年に一部、1928年に全面的平等)
  • 1931: セイロン(現在のスリランカ)が成人男女の参政権を導入
  • 1960: シリマボ・バンダラナイケ氏が選出され、近代世界で初めて女性首相となる(セイロン/スリランカ
  • 1979: 国連が採択した条約(Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination Against Women=CEDAW)により、女性の権利と差別撤廃が国際的に明確に位置づけられる

運動の性格と課題

女性参政権をめぐる運動は、各国で社会階層や宗教、文化、経済状況によって形を変えながら展開しました。多くの場合、女性たちは以下の点を闘いの中心に据えました。

  • 投票権と被選挙権の両立(どちらか一方しか認められないケースがある)
  • 年齢・財産・教育などによる差別的な制限の撤廃
  • 法制度だけでなく、実際の政治参加(候補者としての参入、政党内の影響力)の確保
  • 植民地支配下や少数民族・社会的マイノリティの女性の権利確保

また、参政権を得た後も、実際に政治力を持ち影響を及ぼすためには、社会的認知、教育機会、政党の支援、経済的自立など別の障壁が残ります。したがって参政権獲得は重要な第一歩である一方、それだけで完全な政治的平等が達成されるわけではありません。

現代の位置づけと国際的枠組み

女性の参政権は20世紀を通じて世界の大多数の国で法律上認められるようになりました。国連の1979年のCEDAW採択は、女性に対するあらゆる差別の撤廃を求める国際法的枠組みであり、加盟国には女性の政治参加を含む平等な権利の保障が求められます。さらに国連や各種国際機関は、男女の政治参加比率の改善やクオータ制(一定の女性候補・議席の確保)など多様な政策を通じて、実効的な平等を進めています。

まとめと今後の課題

女性参政権は、歴史的には断続的かつ段階的に広がってきた権利であり、国や地域によって導入時期や範囲に大きな差があります。法的に参政権が認められた後も、政治の場で実際に女性が意思決定に関与するためには多くの制度的・社会的課題が残ります。今後は、法の整備に加えて教育、経済参加、家庭内の役割分担の見直し、政党の内部改革などを通じて、より実質的な政治的平等を達成する取り組みが重要です。

総勢19名の女性国会議員のうち13名。1907年のフィンランドの議会選挙で選出された世界初の女性議員たちです。Zoom
総勢19名の女性国会議員のうち13名。1907年のフィンランドの議会選挙で選出された世界初の女性議員たちです。

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質問と回答

Q:女性参政権とは何ですか?


A: 女性参政権とは、女性が選挙に参加する権利のことで、候補者に投票し、選挙で選ばれて政治家になることができることをいいます。

Q: 近代の女性参政権運動はいつから始まったのですか?


A:近代的な女性参政権運動は、18世紀後半にフランスで始まりました。

Q: ニュージーランドは何年に独立国として初めて成人女性全員に選挙権を与えた国ですか?


A: ニュージーランドは、1893年に独立国として初めて、すべての成人女性に国政選挙での投票権を与えた。

Q: ヨーロッパで最初に女性参政権を導入した国はどこですか?


A:1906年にロシア帝国がヨーロッパで初めて女性参政権を導入した国です。

Q: 世界初の女性元首に選ばれたのは誰ですか?


A:1960年に行われたセイロン(現スリランカ)の選挙で、シリマヴォ・バンダラナイケが世界初の女性元首に選出されました。

Q: 国連が女性の参政権を権利として認めたのはいつですか?


A:女性の参政権は、1979年に国連で権利として明確に認められました。


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