利回りとは:定義・種類・国債からジャンク債までのリスク比較
利回りの定義から国債〜ジャンク債まで、種類とリスクを図解・具体例で初心者にも分かりやすく比較解説。
経済学でいう利回りとは、お金をどこかに投資したままにしておくと、毎年どれだけのお金が支払われるかということです。たとえば債券ならクーポン(利息)、預金なら利息支払い、リースや不動産投資なら賃料が該当します。企業の配当金と違って、倒産でもしない限り、利回りはかなり確実である場合が多く、事前に受け取れる金額の見通しが立てやすいという特徴があります。ただしインフレや金利変動、信用リスクなどにより実際の価値や受取額は変わるため注意が必要です。
利回りの基本的な考え方と計算式
利回りを簡単に表す基本式は次の通りです。
利回り(単純) = 年間受取額 ÷ 投資元本
たとえば元本が100万円で年に5万円受け取るなら利回りは5%です。債券の場合は「額面」「クーポン」「購入価格」によって計算方法が変わるため、いくつかの利回り指標があります。
代表的な利回りの種類
- 名目利回り(表面利回り):債券のクーポン÷額面(例:額面100万円で年クーポン5万円なら5%)。簡易的。
- 現在利回り(current yield):年間クーポン÷購入価格。購入価格が額面と異なる場合に使う。例:額面100万円、クーポン5万円、購入価格95万円なら現在利回りは約5.26%。
- 満期到達利回り(イールド・トゥ・マチュリティ、YTM):債券を満期まで保有した場合に得られる年平均利回り。クーポン収入と満期差益(あるいは差損)を含めた内部収益率(IRR)で計算され、債券評価で最も重要な指標の一つです。
- 実質利回り(real yield):名目利回りから期待インフレ率を差し引いたもの。実際の購買力での増加を示す(概算では名目利回り − インフレ率)。
- 配当利回り:株式における指標で、年間配当÷株価。株は元本保障がないため配当利回りは必ずしも確実ではありません。
利回りとリスクの関係
一般に、利回りはリスクとトレードオフの関係にあります。リスクが高いほど投資家は高い利回り(追加的な報酬)を要求します。リスクの主な種類は次の通りです。
- 信用リスク(デフォルトリスク):借り手が利息や元本を支払えなくなるリスク。信用格付けが低いほど利回りは高くなる。
- 金利リスク(価格変動リスク):市場金利の変動により債券価格が上下するリスク。満期までの期間(デュレーション)が長いほど影響を受けやすい。
- インフレリスク:物価上昇により実質的な購買力が目減りするリスク。実質利回りで評価する必要がある。
- 流動性リスク:すぐに売却できない、あるいは売るときに大きな値下がりを招くリスク。流動性が低い資産は利回りが高めに設定されることが多い。
- 為替リスク:外貨建て資産の場合、為替変動で利回りが目減りする可能性がある。
国債からジャンク債まで:商品の特徴とリスク比較
典型的なリスク順と特徴は以下のようになります(一般的傾向であり例外あり)。
- 国債(安全資産):最も信用度が高く利回りは低い。先進国の国債はデフォルトリスクが非常に低いと見なされる。ただし金利上昇時の価格下落リスクはある。インフレ時は実質利回りが低下する。
- 長期預金・定期預金:銀行が元本保証や預金保険によって保護される範囲では安全性が高い。金利は国債よりやや高いことがあるが、流動性は低い。
- 地方債(自治体債):信用リスクは国債より高いが、税制上の優遇がある場合がある。信用格付けを確認すること。
- 社債(投資適格):信用格付けが比較的高い企業の債券。国債より高い利回りで、信用リスクは中程度。
- ハイイールド債(ジャンク債):信用格付けが低くデフォルトリスクが高いため利回りは高い。景気後退時にリスクが顕在化しやすい。
- オルタナティブ(不動産、インフラ等):物件や事業の特性に応じたリスクがあり、流動性リスクや運営リスクが存在する。期待利回りは商品によって幅がある。
計算例(債券)
簡単な現在利回りの例:額面100万円、年クーポン5万円、購入価格95万円なら
現在利回り = 50,000 ÷ 950,000 ≒ 0.0526 → 約5.26%。
満期到達利回り(YTM)は複数年のキャッシュフローを内部収益率で割り戻すため、電卓や表計算ソフト、金融電卓で計算します。購入価格が額面より安ければYTMは現在利回りより高くなることが多いです。
投資判断のポイント
- 利回りだけでなくリスク(信用・金利・流動性など)を必ず確認する。
- 実質利回り=名目利回り − 期待インフレ率で購買力の変化を考慮する。
- 複数商品を組み合わせて分散することで個別リスクを低減できる。
- 税制や手数料、為替の影響も利回りに影響するため総合的に評価する。
まとめると、利回りは投資の見返りを示す重要な指標ですが、種類や計算方法、そこに含まれるリスクを理解した上で比較・選択することが重要です。
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