1810年アメリカ合衆国国勢調査:第3回調査の概要(人口7,239,881、奴隷1,191,362)

1810年米国第3回国勢調査の概要:人口7,239,881、奴隷1,191,362。ルイジアナ追加や原本紛失の経緯を史料と共に詳解。

著者: Leandro Alegsa

1810年のアメリカ合衆国国勢調査は、アメリカ合衆国で3回目の国勢調査である。1810年8月6日に実施され、その結果、人口は7,239,881人であることが判明した。そのうちの奴隷は1,191,362人で、総人口の約16.5%を占めた。1800年の調査(人口5,308,483人)と比べると、全国的な人口は約36%増加しており、この時期の急速な人口増加と西方への移動がうかがえる。

背景と意義

1810年の国勢調査は、連邦政府の代表配分(議会議員の割り当て)や税制の基礎資料として重要であった。また、ルイジアナ買収(1803年)以降の新領域の人口動向を把握する初期の機会でもあり、奴隷制度の地域的分布や農業中心の経済構造、都市と辺境地域の人口差などを示す基礎資料となっている。調査は当時の行政区画と人口移動を反映しており、歴史学や人口統計学の研究で頻繁に参照される。

領域の追加と地理的変化

この調査では新たに1つの領域が含まれた。ルイジアナ(ルイジアナ買収後に編入された地域で、後に州となる地域を含む)が初めて国勢調査の対象となった。これにより南部や西部の人口構成がより正確に把握されるようになった。

記録の現存状況と史料の利用

一方で、当時の原始的な保存状況やその後の災害等により、いくつかの地域の国勢調査原本は現存していない。具体的には、コロンビア特別区、ジョージア州、ミシシッピ州、ニュージャージー州、オハイオ州、テネシー州の原本が長年の間に失われたり破壊されたりしている。これらの損失は、当時の火災、保管不備、あるいはその後の戦争や行政整理など様々な要因によると考えられている。

原本が失われた地域については、州当局や連邦の集計表、保存されている写し、さらには二次資料や当時の報告書を基に部分的に復元・推定されたデータが研究で利用されている。現在では国勢調査局や公文書館、歴史家がまとめた刊行物・データベースを通じて、当時の人口総数や主要な統計値を参照することができる。

研究上の意義

1810年の国勢調査は、アメリカ初期の人口動態、奴隷制度の分布、西方拡張の様相を理解するための重要資料である。記録の一部喪失という課題はあるが、現存する統計と復元作業により当時の社会構造や地域間の差異について多くのことが明らかにされている。



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