概要
「ビッグ・ベン」は、ロンドンのウェストミンスター宮殿北端にある時計が時を告げる大鐘を指す呼び名として一般的ですが、実際には時計全体やその塔をまとめて指すことも少なくありません。時計を収める塔は、2012年にエリザベス2世女王のダイヤモンド・ジュビリーを記念して、正式にエリザベス・タワーへ改称されました。塔、文字盤、鐘からなるこの一帯は、英国、そしてとりわけロンドンを象徴する最もよく知られた存在の一つになっています。
構成と意匠
この施設は、しばしば別個のものとして語られる三つの部分、すなわち鐘そのもの、時計機構、そして石造りの塔から成ります。多くの人が「ビッグ・ベン」と呼ぶ時報の大鐘は塔の内部に吊られ、毎時の合図として打ち鳴らされます。19世紀半ばの完成当時、その精度で注目された時計機構が、周囲から見える四面の外部文字盤を動かしています。それらを囲む構造は、ゴシック・リヴァイヴァル様式の外観を与え、この名所をひと目で分かるものにしています。
歴史と名称
時計と鐘は、ウェストミンスター宮殿の再建後の1859年に完成しました。時計機構はエドマンド・ベケット・デニソンによって設計され、19世紀の時計職人たちによって製作されました。鐘は鋳造され、毎時のチャイムを響かせるために設置されました。「ビッグ・ベン」という愛称の由来は確定していません。公共事業を監督していたサー・ベンジャミン・ホールにちなむという説と、拳闘家のベンジャミン・コーネットにちなむという説が広く知られています。由来が何であれ、この名前は定着し、現在では世界中で使われています。
運用と主な中断
この時計は1世紀半以上にわたって時を刻み続けてきましたが、保守や修理のために時折停止することがありました。1976年には重大な故障が起き、修理には数か月を要しました。さらに近年では、2017年に始まった大規模な保存修復事業の間、鐘の毎時の打鐘が制限されましたが、新年や戦没者追悼の日などの特別な機会にはチャイムが保たれました。慎重な保存作業では、時計機構と塔の石材の双方が対象となりました。
文化的意義と一般公開
ビッグ・ベンとエリザベス・タワーは、ロンドンを示す映画やテレビの導入ショットに頻繁に登場し、演説や報道でも英国政府やロンドンの暮らしを象徴するものとして言及されます。鐘の音そのものも、国際的に認識されている聴覚的アイコンです。塔への立ち入りは歴史的に制限されてきました。見学やツアーは安全と保存の観点から議会当局によって管理されており、現地は今も、外観やウェストミンスター、テムズ川沿いの周辺地域から眺められる主要な観光名所となっています。
事実、区別、関連
- 「ビッグ・ベン」という語は厳密には鐘を指しますが、日常的には時計や塔も含めて使われます。
- 塔が2012年にエリザベス・タワーへ改称されたことは、その年のダイヤモンド・ジュビリー、つまりその記念行事を示すものとしてしばしば挙げられ、現代の名所を論じる際にも言及されます。
- 鐘と時計は国会議事堂の北端に位置しています。議会複合施設については国会議事堂やウェストミンスター地区の情報も参照できます。
- 鐘と機構に関する詳しい技術的・歴史的資料を知るには、塔とその建設者に関する専門的な記録や文書、さらに鐘に関する資料からたどれる情報を参照してください。
エリザベス・タワーとその有名な鐘は、建築保存、国民的アイデンティティ、歴史的工学をめぐる議論の中心であり続けています。構造は時代とともに改変や修理を受けてきましたが、公共の時を告げる存在であり、文化的象徴である役割は今も変わりません。