ボーイング767は、ボーイング社が製造する中型のワイドボディ双発旅客機です。通路が2本ある機内は一般に「2‑3‑2」(通路を挟んで2人掛け、3人掛け、通路を挟んで2人掛け)配列が基本で、機種や座席仕様によっておおむね200席前後から高密度配置で最大約375席程度まで搭乗可能な設計が取られています。設計は中・長距離路線向けで、ETOPS認証により大洋横断路線など長距離運航にも用いられてきました。旅客機としての汎用性が高く、旅客型のほか貨物型や空中給油型など多くの派生型が存在します。

開発と運航開始

767は1970年代後半に開発が始まり、初飛行は1981年9月(1981年)。その後1982年に就航を開始し、以降長期間にわたり各国の航空会社で運航されてきました。主にアメリカのエバレット工場で組み立てられています。ボーイングは将来的な後継機として787などを位置づけていますが、767は貨物型や軍用型の需要もあり、部分的に生産が継続されています。

代表的な型式

  • 767-200系:初期型。短~中距離向け。
  • 767-200ER:航続距離を延ばした長距離仕様。
  • 767-300系:胴体延長型で座席数を増やしたモデル。
  • 767-300ER:長距離型として最も普及したバリエーション。
  • 767-300F(貨物型):貨物輸送向けに最適化された型。
  • 767-400ER:さらに胴体を延長した民間旅客型(限定的に運航)。
  • 軍用・給油型(例:KC-767 / KC-46の原型):空中給油や輸送任務向けの派生型。

性能とエンジン

搭載されるエンジンは、ロールス・ロイス(RB211など)、ゼネラル・エレクトリック(CF6など)、プラット・アンド・ホイットニー(PW4000など)といった複数メーカー品から選択可能で、型式や用途により搭載エンジンが異なります。航続距離や巡航速度は型式・搭載燃料量・搭載重量によって変わりますが、短・中距離から大陸間の長距離運航まで幅広く対応できる能力を持ちます。

運用と利用者

かつてはアメリカン、ユナイテッド、デルタ、コンチネンタル、ブリティッシュ・エアウェイズなど多くの大手航空会社が旅客機として広く運航しました。貨物専用の767FはUPSやDHLなど貨物航空会社でも広く使われています。旅客機としての導入は落ち着いてきたものの、貨物機や軍用機としての需要は継続しており、低コストでの運用や適度な積載能力から根強い人気があります。

操縦性と共通性

ボーイング757と767は設計段階で運航・整備面の共通性を持たせており、コクピットの配置や計器類の共通化により、適切な条件を満たせばパイロットの相互乗務(共通操縦資格)が可能になるなど、運航効率を高める工夫がされています。

軍用・貨物分野への派生

767は貨物型(767F)や空中給油・輸送機(KC-767、またはKC-46のベースとなった設計)など軍事用途にも転用されています。これらの派生型は民間旅客機の基本設計に軍用装備を加えた形で、各国の空軍や専用貨物輸送事業者で利用されています。

歴史的な出来事

2001年9月11日、世界貿易センタービルに最初に衝突した飛行機、アメリカン航空11便はボーイング767型機でした。この事件は767が関与した重大な出来事として広く記憶されています。

総括

ボーイング767は、導入以来「中型ワイドボディ」という位置づけで多用途に活躍してきた機体です。旅客・貨物・軍用といった幅広い分野で使われ、設計の柔軟性と信頼性により長年にわたり世界中で採用されてきました。現在は新世代機への置き換えも進んでいますが、貨物型や軍用型の需要によりその役割は続いています。