ボーイング787ドリームライナーは、ボーイング社が製造する旅客機である。初飛行は2009年12月15日に行われた。もっと早く発売される予定だったが、2011年10月に初飛行した。このため、航空会社によっては30カ月近く遅れて機体を手に入れることになる。

概要と特徴

ボーイング787(愛称:ドリームライナー)は、主に中長距離路線向けに設計された次世代ワイドボディ旅客機です。機体構造に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの複合材料を多用することで軽量化を図り、従来機に比べて燃費効率の向上を目指しています。ボーイングは「約20%の燃費改善」を謳っており、運航コストと環境負荷の低減を重要な売りにしています。

主な特徴

  • 複合材料を多用した機体および主翼
  • キャビンの快適性向上(客室湿度を高められる設計、低い客室高度、電子調光式の大型窓、LED照明など)
  • 「より電化された」アーキテクチャ(従来の油圧・空気圧機器を電気化したシステムの採用)
  • 機種バリエーション:787-8、787-9、787-10(航続距離や座席数がそれぞれ異なる)

開発と就航遅延の経緯

787は開発当初から先進的な設計とサプライチェーンの国際分散を特徴としていました。機体部品を世界中のメーカーで分担生産し、最終組み立てを米国で行う方式を採用したことにより、設計変更や品質管理、部品の納期調整などで問題が生じ、当初予定より大幅な納期遅延が発生しました。

結果として初飛行は2009年になり、量産・引き渡しはさらに後ろ倒しになりました。最初の商業用引き渡しは2011年に行われ、複数の航空会社で順次就航しましたが、開発初期の遅延は業界に大きな影響を与えました。

2013年の運航停止(グラウンディング)と対応

2012〜2013年にかけて、787でバッテリーの発火・発煙などのトラブルが相次いで発生しました。これを受けて、米国連邦航空局(FAA)は2013年1月に米国内の787の運航停止(グラウンディング)を指示し、欧州(EASA)や日本、インド、チリなど各国当局も同様の対応を取りました。

調査の結果、主因としてリチウムイオン二次電池の過熱・内部短絡に伴う発火リスクが指摘され、ボーイングは電池の設計見直し、電気系統の保護策、バッテリーボックスの耐火・通気対策などの改修案を提示しました。これらの改修が審査・承認され、2013年4月にFAAなどが条件付きで運航再開を認め、787は順次運航を再開しました。

現在の状況と運用実績

改修後、787は世界各国の多数の航空会社で広く運用されており、燃費性能や航続性能を活かした新しい路線展開(直行長距離の中距離化や地方⇄長距離の新路線など)にも寄与しています。運航再開以降も、個別の整備や改修は継続的に行われ、規制当局による監視の下で安全性の確保が図られています。

まとめ(ポイント)

  • ボーイング787は次世代の複合材主体ワイドボディ機で、燃費・快適性の向上を目指した設計が特徴。
  • 開発・生産での国際サプライチェーンの課題により、当初予定より就航が遅れた。
  • 2013年のバッテリー関連トラブルで一時的に運航停止となったが、改修と審査を経て運航は再開された。
  • 現在は多くの航空会社で採用され、運用・保守を通じ安全性を維持している。

※本記事は概要説明を目的としており、詳細な技術仕様や各国の正式報告書を確認する場合は、規制当局や製造元の公式資料をご参照ください。