ニジェール・コンゴ語族とは:分布・特徴・代表言語(スワヒリ等)
ニジェール・コンゴ語族の分布・特徴・代表言語(スワヒリ・ヨルバ等)を図解で解説。名詞階級や話者数、主要地域が一目で分かる入門ガイド
ニジェール・コンゴ語族は、アフリカの南半分で話されている言語である。アフリカの南半分で話されています。言語の数では世界最大の語族といえるでしょう。サブサハラ・アフリカで最も広く話されている言語のほとんどがこの語族に属します。ニジェール・コンゴ語の多くに共通しているのは、名詞の階級制を採用していることです。ネイティブスピーカーに最も広く話されているニジェールコンゴ語系の言語は、ヨルバ語、イ ンゴ語、フラ語、ショナ語です。話者数で最も多く話されているのはスワヒリ語です。
分布
ニジェール・コンゴ語族は西アフリカから中部・東部・南部アフリカにかけて広く分布します。サハラ以南(サブサハラ)において最も語彙・話者数が多い系統であり、地域によっては主要な共通語(リンガ・フランカ)や公用語の基盤になっています。特にバントゥー諸語は、歴史的なバントゥー拡散によって中央・東・南アフリカの広域に広がりました。
主要分類と注意点
- Atlantic–Congo(大半の分派を含む中心的グループ)
- バントゥー諸語(Atlantic–Congo の内部で大きな塊をなす)
- 学術的には、マンデ諸語や他の一部をニジェール・コンゴから独立させる見解もあり、分類には未解決の点があります。
言語的特徴
この語族に共通する特徴はいくつかありますが、すべての言語に当てはまるわけではありません。代表的な特徴を挙げます。
- 名詞類(名詞クラス):多くのニジェール・コンゴ語は名詞クラス(しばしば接頭辞による)を持ち、形容詞や動詞などがこれに合わせて一致(アグリーメント)します。バントゥー語で顕著です。
- トーンの利用:高低などの声調を用いて語や文法的機能を区別する言語が多く見られます。
- 語順と構文:基本語順はSVO(主語-動詞-目的語)である言語が多いですが、変化もあります。連動動詞(serial verb constructions)を使う言語も広く見られます。
- 形態論:接辞的(膠着的)な傾向があり、動詞に因果や与格などの拡張接尾辞が付くことがよくあります(特にバントゥー諸語の動詞拡張)。
- 語彙接触:イスラム文化圏や植民地時代の影響により、アラビア語やヨーロッパ諸語からの借用語が多数あります。スワヒリはアラビア語の影響を強く受けています。
- 文字表記:現代ではラテン文字が最も広く使われますが、歴史的にはアラビア文字で表記された例(アジャミ書記)もあります。
代表的な言語(概説)
以下は系統内でよく知られ、話者が多い言語の一部です。
- ヨルバ語:ナイジャリア南部やベナン、トーゴで話される大言語。声調を持ち、豊かな口承文学・現代文学とメディアが発達しています。
- イ ンゴ語:原文中の表記のまま記述していますが、ナイジェリア南東部の主要言語に対応する言語群(一般にイボ語として知られることが多い)を指すことが多いです。声調言語で、文化的・社会的に重要な役割を果たします。
- フラ語(Fulfulde/Fula/Pulaar):サヘルから西アフリカに広がる遊牧民・農耕民の言語群。広域に分布し方言差が大きいです。
- ショナ語:ジンバブエを中心に話されるバントゥー語で、教育やメディアで用いられています。
- スワヒリ:東アフリカの代表的なリンガ・フランカ。バントゥー語系ながらアラビア語など多くの影響を受け、ケニア、タンザニア、ウガンダなどで広く使われています。母語話者は数百万程度ですが、第二言語話者を含めると数千万人〜一億人前後と推定されることもあり、地域共通語としての重要性が高いです。
話者数と社会的役割
ニジェール・コンゴ語族は総数で千以上の言語を含むとされ、地域によっては一言語が数千万の母語話者を持つ一方、話者数の少ない言語も多数あります。多くの国で国語や公用語、教育・宗教・商業の言語として機能する言語があり、言語接触や言語変化が活発です。
まとめと研究の課題
ニジェール・コンゴ語族はアフリカで最も語彙的・地理的に広がった語族の一つで、名詞クラスや声調、複雑な動詞構造など共通する言語的特徴を示す集まりです。ただし内部の分類や一部の系統(例:マンデ諸語など)をめぐっては学術的議論が続いており、さらなる歴史言語学的研究とフィールドワークが重要です。

ニジェール・コンゴ語のサブグループの局在と、そのファミリーの重要な単一言語を示した地図

ナイジェリア、カメルーン、ベナンの言語マップ。

ニジェール・コンゴ語族のサブグループと重要な単一言語。
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