イギリス国鉄76形(EM1)電気機関車
ウッドヘッド線向けに製造された、1.5 kV直流・Bo-Bo配置の20世紀半ばの電気機関車。重貨物列車と旅客列車に用いられ、路線閉鎖と電化方式変更後に大半が廃車となった。
概要
イギリス国鉄の76形は、当初EM1に分類されていた本線用電気機関車の一形式である。ペナイン山脈を横断するウッドヘッド線で、架空電車線からの1.5 kV直流電力により運転するため製造された。長大なペナイン横断トンネルを通る重量列車の牽引を目的とし、イギリスにおける20世紀半ばの電化事業を特徴づける車両であった。
画像ギャラリー
10 画像設計と特徴
76形は、2軸駆動の台車を2基備えるBo-Bo軸配置を採用し、直流架線方式に適した主電動機と制御機器を装備していた。その配置と機器は、高速性能よりも急勾配やトンネル内での運転に必要な、持続的な牽引力を重視したものである。構造には当時のディーゼルおよび電気車両の工学的手法が反映され、堅牢な機械構造と、当時のパワーエレクトロニクスおよび電気制御装置が組み合わされていた。
歴史と開発
戦後数十年間に実施されたウッドヘッド線の電化の一環として導入され、イギリスで最も厳しい東西横断回廊の一つにおいて蒸気機関車牽引を置き換えた。76形は20世紀半ばに営業運転へ入り、全国ネットワークの変更と路線整理によって役割が縮小するまで、この路線の電気牽引の主力を担った。その後、イギリスの電化政策がネットワーク全体で25 kV交流方式へ移行したため、1.5 kV直流方式の形式は次第に孤立した存在となった。
運用・用途・遺産
76形は、長大トンネルと急勾配で信頼性の高い牽引力が求められる列車を中心に、重量貨物列車と旅客列車の双方を担当した。1980年代初頭にウッドヘッド線が定期運行用として閉鎖されると、運用環境が失われ、主流となった交流方式への転換も行われなかったことから、多くが廃車となった。少数は保存されており、イギリス鉄道電化史の重要な一時期を伝えている。
主な事項と位置づけ
- 76形は、地域ごとの直流電化方式向けに開発された同時代の他の電気機関車形式とともに論じられることが多い。各形式は、それぞれの路線と電圧に合わせて設計された。
- 本形式は、主要路線の一部で20世紀半ばに直流牽引が選択され、のちに全国標準の25 kV交流方式へ置き換えられたことを示している。
- 技術的背景と詳細な車両リストについては、イギリスの電気牽引を扱う技術資料を参照。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com イギリス国鉄76形(EM1)電気機関車 Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/14498