サクラメントとは カリフォルニア州の州都の概要・歴史・見どころ

サクラメントは、米国カリフォルニア州の州都です。カリフォルニア州の知事や州の議会が置かれ、州政治の中心地となっています。市内には約40万人が暮らし、周辺の都市圏を含めると約170万人が生活しています。

名前の由来

「サクラメント」という名前は、スペイン語やポルトガル語で「聖なる儀式」を意味する言葉に由来します。ここで言う聖なる儀式は、宗教的に人々に神の恩寵を授ける行為を指します。植民地時代やミッション文化の影響を受けた名称と考えられています。

歴史の概要

現在のサクラメントの基礎は、19世紀前半に移住してきたジョン・サッター(John Sutter)が作った開拓地にあります。サッターは農場や交易の拠点を築き、後に「ニュー・ヘルヴェティア(New Helvetia)」と呼ばれる集落が発展しました。1848年にサッターの近くの製材所で金が発見され、これはカリフォルニアのゴールドラッシュの始まりとなりました(発見年は1848)。

ゴールドラッシュの時期、多くの人々が金()を求めてカリフォルニアに流入し、サクラメントは西海岸内陸部と海を結ぶ重要な中継点になりました。対外輸送では港としての役割が重要であり、鉄道が整備されるとサクラメントは鉄道の終着駅の一つとして栄えました。また、歴史的に情報と郵便を素早く運ぶためのPony Expressの経路にも関連する地域でした。

地理と気候

サクラメントは、アメリカン・リバーとサクラメント・リバーが合流する地点の近くに位置します。この河口近くの立地が、太平洋から物資を運ぶ船舶の寄港を可能にし、初期の発展に寄与しました(海への輸送に関しては太平洋との関係が重要でした)。

気候は一般に地中海性気候で、夏は暑く乾燥し、冬は温暖で降雨が集中します。春から秋にかけて屋外でのアクティビティが楽しめ、川沿いの公園や自転車道が市民に親しまれています。一方で、近年は洪水対策や堤防の維持管理が重要な課題となっています。

主な見どころ・観光スポット

  • カリフォルニア州会議事堂(California State Capitol):州政府の中枢であり、敷地は公園として整備されています。議事堂内は見学が可能で、歴史展示や庭園も見どころです。
  • オールド・サクラメント(Old Sacramento):ゴールドラッシュ期の建物が残る歴史地区で、木造の街並みや土産物店、レストラン、鉄道博物館などが集まります。
  • カリフォルニア鉄道博物館(California State Railroad Museum):蒸気機関車や鉄道関連の展示が豊富で、鉄道史に興味がある人に人気です。
  • クロッカー美術館(Crocker Art Museum):西部でも有数の美術館で、絵画や陶芸、写真など幅広いコレクションを所蔵しています。
  • サッターズ・フォート(Sutter's Fort):サッターが築いた交易拠点の歴史を伝える史跡。ゴールドラッシュ以前の暮らしや交易の様子を学べます。
  • アメリカン・リバー自転車道(Jedediah Smith Memorial Trail):川沿いの長いサイクリング・ウォーキングトレイルで、自然を楽しみながら市内を移動できます。
  • スポーツとエンターテインメント:NBAのサクラメント・キングスの本拠地であるGolden 1 Centerや、マイナーリーグの野球チームなど各種イベントがあります。

交通・アクセス

国内外からのアクセスは、サクラメント国際空港(SMF)を通じて行われます。また、アムトラックの路線や州内の高速道路、地域の軽量鉄道(ライトレール)により周辺都市との結びつきがよく、通勤・観光ともに利便性があります。

経済・食文化・イベント

州都としての行政機能に加え、農業や食品関連産業が地域経済の重要な柱です。サクラメント周辺は農産物が豊富で、「farm-to-fork(農場から食卓へ)」を掲げるレストランや市場が多く、新鮮な食材を使った食文化が発展しています。

主なイベントとしては、毎年開催されるカリフォルニア州フェア(California State Fair)や季節ごとの地元マーケット、音楽・文化の祭りなどがあり、市民と観光客に親しまれています。

まとめ

サクラメントは、米国カリフォルニア州の政治的中心地であると同時に、ゴールドラッシュ期から発展した歴史と、川沿いの自然・食文化を併せ持つ都市です。歴史的な史跡や博物館、公園、現代的なスポーツ・文化施設まで、多様な魅力があります。


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