Visual Basic .NET(一般にVB.NET)は、Microsoftのプログラミング言語ファミリーに属し、従来のVisual Basic系統の後継です。.NET Common Language Runtime(CLR)上で動作するよう設計され、Visual Basic をマネージドでオブジェクト指向の .NET の世界へと移しました。多くの場合は Visual Studio IDE 内で使われ、視覚的なドラッグ&ドロップのデザイナーにより、Windowsデスクトップアプリケーションのユーザーインターフェース作成やイベントハンドラの接続をすばやく行えます。
主な特徴
VB.NETは、.NETフレームワークと完全に統合された高水準の静的型付け言語です。主な特徴は次のとおりです。
- クラス、継承、インターフェース、プロパティ、イベントなどのオブジェクト指向機能。
- 中間言語(IL)へコンパイルされ、CLR上で実行されるため、他の.NET言語との相互運用が可能。
- I/O、ネットワーク、スレッド処理などを含む .NET Base Class Library による豊富な標準ライブラリ。
- イベント駆動モデルとIDEのビジュアルなフォームデザイナーによる、迅速なUI開発に向いた使い勝手。
- ジェネリクス、LINQのクエリ構文、非同期プログラミング構文など、後から追加された現代的機能のサポート。
歴史と進化
.NET構想の一部として導入されたVB.NETは、Visual Basic 6からの大きな再設計でした。親しみのある構文とイベント駆動プログラミングの考え方は残しつつ、意味論を変更し、マネージドコード、名前空間、CLRとのより緊密な統合を導入しました。その後の.NETリリースで、ジェネリクス、ラムダ式、LINQ、async/await風の非同期プログラミングなどの機能が加わり、他の.NET言語との機能差は縮まりました。
基盤プラットフォームが変わったため、古いVisual Basic版からの移行ではコードの更新が必要になることがあります。多くの組織はいまもVB.NETの大規模なコードベースを維持しており、とくに Windows Forms や ASP.NET Web Forms で作られた業務アプリケーションやデスクトップアプリケーションで使われています。
一般的な用途とエコシステム
VB.NETは、従来型のデスクトップアプリケーション(Windows Forms、WPF)、サーバーサイドのWebアプリケーション(ASP.NET)、Webサービス、コンソールユーティリティなど、幅広い用途に使われます。Visual Studio との密接なツール統合により、デバッグ、展開、データベースやCOMコンポーネントとの連携といった作業が簡単になります。新しい.NET開発ではC#のほうが一般的ですが、VB.NETは.NETエコシステム内で引き続きサポートされ、十分に実用的な言語です。
注目すべき違いとして、英語に近い構文と、迅速なアプリケーション開発を重視してきた歴史があり、初心者や業務系開発者にも取り組みやすい点が挙げられます。VB.NET を選ぶ際は、対象プラットフォーム(従来の .NET Framework か、より新しいクロスプラットフォーム版 .NET か)、相互運用の要件、チームの言語選好を考慮するとよいでしょう。