ドイツ連邦政府(Bundesregierung)とは 構成・権限・憲法規定と閣僚の役割
ブンデスレギエルング(Bundesregierung)は、ドイツ連邦共和国の連邦政府であり、首相(連邦首相:Bundeskanzler)と連邦閣僚(連邦大臣)で構成されます。連邦政府は立法に基づく行政機関として、連邦レベルの法律の執行、外交・安全保障政策の実施、連邦予算の編成・執行など幅広い職務を担当します。
憲法上の根拠と基本的な仕組み
内閣の仕事は、憲法の規定(一般に第62条から第69条)に記載されています。そこには連邦政府の構成、連邦首相の選出手続き、閣僚の任免、宣誓、連邦議会(Bundestag)との関係などが規定されています。閣僚は就任時に憲法に定められた宣誓を行います。
首相と閣僚の選出・任免
- 連邦首相は通常、連邦議会(Bundestag)で選出されます。首相の候補は議会の信任を得て連邦大統領によって任命されます。
- 連邦閣僚は連邦大統領によって任命されますが、任命は首相の提案に基づいて行われます。閣僚の解任も基本的には首相の提案により行われます。
- 首相不在時や職務執行不能の場合、連邦副首相(副首相)が職務を代行します(憲法に定められた代理制度)。
権限と運営原則
連邦政府の運営にはいくつかの重要な原則があります。
- 首相の指導属性(Richtlinienkompetenz):連邦首相は政府の一般的な方針と方向性を定め、その枠内で閣僚は職務を遂行します。首相の決定は政府全体の基本方針として尊重されます。
- 省庁原則(ドイツ語:Ressortprinzip):各連邦大臣は自らが担当する省庁(レッソール)について広い裁量権を持ち、その分野の行政運営・政策決定について個別に責任を負います。
- 協調原則(ドイツ語:Kollegialprinzip):省庁間で意見が異なる場合、連邦政府(内閣)は多数決などで最終決定を行います。閣僚は政府決定に対して連帯責任を負うのが通例です。
閣議と意思決定
連邦内閣は原則として毎週水曜日の午前9時30分に連邦首相官邸で開催されることが多く、ここで重要政策や法案の方針調整、国際問題、予算案などが協議されます。閣議の議事録や決定は政府の公式手続きとして残され、連邦内閣の合意に基づく政策が閣僚によって実行されます。
議会との関係:信任と解散
- 連邦議会は首相に対する信任や不信任の手続きを行います。ドイツの特徴的制度として「建設的信任不信任(constructive vote of no confidence)」があり、議会が首相を不信任にするには同時に新しい首相を選出しなければなりません。これにより政府不安定化を抑制しています。
- 首相は議会に対する信任を求めるために解散を要請することもできますが、解散・総選挙の実行は厳格な手続きに従います。
閣僚補佐と官僚
連邦政府には閣僚を補佐するポストが複数あります。代表的なものは次のとおりです。
- 議会常任秘書(Parlamentarische Staatssekretäre):政務担当の補佐で、議会対応や政治的調整を担います。国会議員が兼務することが多く、閣議の正式メンバーではありません。
- 国家公務員としての常任秘書(beamtete Staatssekretäre):行政の長として省内の実務運営を担い、閣僚の政策を実施しますが、やはり連邦政府の正式メンバーではありません。
- 連邦首相官邸の長(Bundeskanzleramtの長)は首相を側近として補佐し、政府の政策調整や対外折衝の準備に深く関与します。首相の事務管理や調整業務が同官庁によって行われます。
報酬・年金
連邦大臣法(ドイツ語:Bundesministergesetz)では、退任した連邦閣僚であっても、一定の条件(一般に少なくとも2年以上大臣を務めたことなど)を満たせば退職年金(元首相・元閣僚の年金)を受け取る資格があると定められています。ドイツでは、議会常任秘書としての在任期間や以前に州(ランド)政府で在職した期間も年金算定上考慮される場合があります。
政治実務上の特徴
- 実際の政権運営は、連邦首相が与党間の連立協定(coalition agreement)を基に全体の方針を示し、各閣僚は自省の範囲で政策を立案・実施するという分担で進みます。連立政権では閣僚ポスト配分が党間交渉の主要事項となります。
- 連邦政府の規模や省の数は政権によって変わり得ます。新設省や省の統廃合により閣僚数が変動します。
- 政府内の意思決定では党派的利害と政府としての統一性の調整が常に求められます。これにより首相のリーダーシップと閣僚の専門性のバランスが重要となります。
まとめると、ブンデスレギエルング(Bundesregierung)は憲法に基づく連邦行政の中核であり、首相の指導の下で閣僚が各省を率い、国内外の政策を協調して実行する仕組みになっています。
第三次メルケル内閣
第三次メルケル内閣(2013年~2018年)には、CDU-CSUとSPDのメンバーのみが参加しています。
部署 | 役員 | パーティー |
CDU | ||
外務省・連邦政府副長官 | シグマール・ガブリエル | SPD |
ブリジット・ジプリーズ | SPD | |
内装 | トマス・ド・メイジエール | CDU |
司法と消費者保護 | ハイコ・マース | SPD |
ファイナンス | ヴォルフガング・シェイブル | CDU |
ろうどうしゃかいじ | アンドレア・ナーレス | SPD |
食と農 | クリスチャン・シュミット | シーエスユー |
ディフェンス | ウルスラ・フォン・デア・ライエン | CDU |
家庭問題、高齢者、女性、青少年 | カタリナ大麦 | SPD |
健康 | ヘルマン・グレーエ | CDU |
交通・デジタルインフラ | アレクサンダー・ドブリント | シーエスユー |
環境・自然保護・建築・原子力安全 | バーバラ・ヘンドリックス | SPD |
教育研究 | ヨハンナ・ワンカ | CDU |
経済協力開発 | ゲルト・ミュラー | シーエスユー |
連邦特務大臣兼連邦首相 | ピーター・アルトマイヤー | CDU |
連邦政府の弁護士
この表は、連邦政府の議員のうち弁護士であった者の数と割合を示したものである。ドイツでは、選挙の間の期間を「立法期間」と呼ぶ。英国では「議会」、米国では「議会」と呼ばれています。
立法期間 | 完全な弁護士の資格を持つ | ||
数 | 割合 | ||
1.(1949–1953) | 14のうち6 | 42.9% | |
2.(1953–1957) | 20のうち5 | 25.0% | |
3.(1957–1961) | 18のうちの7 | 38.9% | |
4.(1961–1965) | 21のうち8 | 38.1% | |
22のうち7 | 31.8% | ||
5.(1965–1969) | 22のうち7 | 31.8% | |
20のうちの6 | 30.0% | ||
6.(1969–1972) | 16のうち4 | 25.0% | |
7.(1972–1976) | 18のうちの8 | 44.4% | |
16のうち4 | 25.0% | ||
8.(1976–1980) | 16のうち4 | 25.0% | |
9.(1980–1983) | 17のうち8 | 47.1% | |
17のうち8 | 47.1% | ||
10.(1983–1987) | 17のうち8 | 47.1% | |
11.(1987–1990) | 19のうちの9 | 47.4% | |
12.(1990–1994) | 20のうちの6 | 33.3% | |
13.(1994–1998) | 18のうち9 | 50.0% | |
14.(1998–2002) | 16のうち3 | 18.8% | |
15.(2002–2005) | 14のうち6 | 42.9% | |
16.(2005–2009) | 16のうちの6 | 37.5% | |
17.(2009–2013) | 16のうちの7 | 43.8% | |
18.(2013-2018) | 16のうち9 | 56,2% |
質問と回答
Q: ブンデスリーギアとは何ですか?
A: 連邦内閣はドイツ連邦共和国の政府であり、連邦閣僚とも呼ばれています。
Q: 連邦参謀本部は誰が構成しているのですか?
A: 連邦内閣は、首相と連邦閣僚で構成されています。
Q: 憲法第62条から69条までの内閣の責務には、どのようなものがありますか?
A: 憲法第62条から69条には、内閣の構成員の責務として、就任宣誓、各省の一般政策の決定などが挙げられています。
Q: 連邦政府内の行政事務は誰が担当しているのですか?
A: 連邦政府内の事務の責任は首相にあるが、この事務は連邦参事官室に委任されている。
Q: 二人の閣僚の意見が一致しない場合はどうなるのですか?
A: 2人の大臣の意見が一致しない場合、連邦政府のメンバーによって多数決が行われます。
Q: 2年以上在職した元メンバーは、退職金を受け取ることができますか?
A: はい。連邦大臣法(Bundesministergesetz)によると、2年以上在職した退職者は、退職年金を受け取ることができます。これには次官や国務大臣としての期間も含まれます。
Q: 連邦内閣は通常いつ開催されるのですか?
A: 原則として、毎週水曜日の午前9時に連邦内閣府で開催されます。