手根骨(手首の骨):構造・機能・臨床上の要点
手根骨は手首を構成する8個の小骨である。配列、関節、機能、発生、よくみられる損傷、および臨床で役立つ記憶法を解説する。
概要
手根骨は、一般に手首と呼ばれる手根を構成する、形が不規則な8個の骨である。前腕と手をつなぎ、手の運動のために安定性と柔軟性を両立した基盤を提供する。また、手から前腕へ力を伝達し、靱帯や腱の付着部となる。
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7 画像解剖と配列
手根骨は手首を横断する2列に配列する。橈側(母指側)から尺側(小指側)へ、慣例上次のように列挙される。
- 近位列:舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨。
- 遠位列:大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨。
舟状骨と月状骨は橈骨と関節し、主な橈骨手根関節を形成する。豆状骨は尺側手根屈筋の腱内に埋め込まれた種子骨である。有頭骨は中央に位置する最大の手根骨で、手根骨配列の要石として働く。有鉤骨は手掌側の鉤(鉤状突起、hamulus)が特徴的である。
関節と靱帯
手根骨は相互に関節するほか、橈骨、尺骨、および中手骨底とも関節する。手根間靱帯と、内在性・外在性靱帯から成る複合体が安定性を維持する。とりわけ舟状月状骨靱帯は重要であり、これを損傷すると不安定性や手首の力学的変化につながることがある。横手根靱帯は手根管の屋根を形成し、手根骨はその床を形成する。
機能と生体力学
手根骨の配列により、屈曲、伸展、橈屈、尺屈が可能となり、握力と巧緻性にも寄与する。近位列は比較的可動性が高く、橈骨遠位端の運動に適応する傾向がある。一方、遠位列はより強固で、中手骨へ荷重を伝える。両列にまたがる協調運動によって、滑らかな手首の運動と荷重の分散が可能となる。
臨床的意義
手根骨にはいくつかの臨床的状態がよくみられる。舟状骨骨折は、手を伸ばして手をついた転倒後に多く、初回の単純X線写真では発見が難しいことがある。血液供給のために治癒が障害されやすい。有月状骨脱臼または圧迫は急性疼痛や正中神経症状を生じうる。月状骨の血行が慢性的に失われる病態はキーンベック病として知られる。手根管症候群は、横手根靱帯の下で正中神経が圧迫されることで起こる。ほかに、手関節の変形性関節症、有鉤骨またはその鉤の骨折(スポーツ関連のことが多い)、無症状の場合も痛みを生じる場合もある小骨や骨癒合の変異がある。
検査と管理
手根骨損傷が疑われる場合、単純X線撮影が初期の画像検査となる。X線写真で明確でなくても臨床的な疑いが残る場合は、MRIまたはCTにより、潜在骨折、靱帯断裂、無血管性変化を検出できる。治療は損傷に応じて異なる。安定した骨折の多くや軽度の捻挫は、固定とリハビリテーションによる保存的治療で管理される。一方、転位骨折、不安定な靱帯損傷、慢性的な圧迫性ニューロパチーでは、固定術、靱帯修復術、手根管開放術などの外科的介入を必要とすることが多い。
発生と変異
手根骨は軟骨性の前駆組織から発生し、小児期から思春期にかけてそれぞれ異なる時期に骨化する。解剖学的変異は比較的よくみられる。豆状骨は種子骨であり、副手根骨や手根骨間の部分的な骨癒合が、症状を伴わずに存在することがある。典型的な変異を知ることは、画像検査の誤った解釈を避けるのに役立つ。
記憶法と注目すべき事項
橈側から尺側への手根骨の順序を覚えるため、英語では「Some Lovers Try Positions That They Can't Handle」という頭字語の記憶法がよく用いられる。これはScaphoid、Lunate、Triquetrum、Pisiform、Trapezium、Trapezoid、Capitate、Hamateに対応する。手根骨の解剖を理解することは、手首の損傷の診断、手術の計画、手関節画像の読影に不可欠である。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com 手根骨(手首の骨):構造・機能・臨床上の要点 Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/17221