ケンタウルスA(NGC 5128)とは — 電波銀河と超巨大ブラックホールの概要
ケンタウルスA(NGC 5128)の特徴を解説:電波銀河と超巨大ブラックホール、相対論的ジェット、衝突による星形成や観測の歴史をわかりやすく紹介。
ケンタウルス座A銀河(NGC 5128)は、ケンタウルス座の中でも特に目立つ活動銀河で、近傍にある代表的な電波銀河の一つです。1826年にスコットランドの天文学者ジェームズ・ダンロップがオーストラリアのニューサウスウェールズ州の自宅で発見しました。
基本的な性質と距離
NGC 5128 はハッブル型で表されるレンチキュラー銀河(S0)あるいは楕円銀河の性質を持つとされ、古い星の成分とともに暗い塵の帯を横切らせた複合的な構造を示します。距離は研究によってやや幅がありますが、1000万光年から1600万光年(おおむね約1200万光年=約3.7 Mpc 程度とされることが多い)と見積もられます。
形態と合体の証拠
銀河中心近傍を横切る顕著な暗い塵の帯や、殻構造・若い星形成領域の存在は、より小さな渦巻銀河との過去の衝突・合体を示す強い証拠です。スピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線観測では、この合体に伴うガスの流入とそれに続く激しい星形成(スターバースト)活動の痕跡が確認され、中心部付近には新しく形成された若い星や星形成領域が見られます。
電波・ジェット・ラジオバブル
NGC 5128 は地球に最も近い電波銀河の一つであり、中心から放出される相対論的なジェットと巨大な電波バブル(ラジオローブ)が特徴的です。これらのラジオ構造は銀河の外縁まで伸び、全長はおよそ100万光年を超える規模に達すると推測されています。中心から放たれたジェットは電波・可視光・X線で観測され、ジェット先端や衝突領域で高エネルギー粒子が生成されます。
中心の超巨大ブラックホール(SMBH)
銀河中心には大質量のブラックホールが存在し、その質量は約5,500万太陽質量(約5.5×10^7 M☉)と推定されています(測定には不確かさがあります)。このブラックホールは降着円盤や磁場の作用により、狭い領域から相対論的ジェットを噴出します。観測ではジェット内部が光速の約半分に近い速度で運動していることが示唆されており、ジェットの進展により周囲のガスが加熱され、X線が発生します。
多波長観測と時間変化
NGC 5128 は電波、赤外、光学、X線など多くの波長域で詳細に観測されています。電波ジェットやラジオローブは電波望遠鏡で、内部の高エネルギー領域はX線望遠鏡で捉えられます。天文学者たちはジェットの構造・運動を追うためにおよそ10年程度の間隔で電波観測や多エポック観測を行っており、その結果ジェットの速度構造や時間的変化が明らかになっています。
周辺環境と付随天体
ケンタウルスAは周囲に豊富な星団(特に球状星団)や潮汐の痕跡を持ち、合体・相互作用の歴史を反映しています。中心近傍のガスや塵は活動核(AGN)の燃料となり、同時に合体に伴う星形成を引き起こします。これらによりNGC 5128 は研究対象として、銀河進化、AGNフィードバック、星形成の関係を理解する上で重要です。
観測上の特徴とアマチュア向け情報
全天で明るい銀河の一つで、視等級が小さいためアマチュア天文家にも人気の対象です。ただし、この銀河は北緯が低い地域からの観測が制限され、主に南半球あるいは低緯度の北半球から良く見えます。また、中心部の暗い塵の帯は小口径でも写野に特徴的に現れるため、撮影や視覚的観測の対象として興味深いです。
まとめ
- NGC 5128(ケンタウルスA)は近傍の活動電波銀河で、顕著な塵帯と巨大な電波ジェット・ラジオローブを持つ。
- 過去の銀河合体により現在の構造と活発な星形成・AGN活動が引き起こされている。
- 中心の超巨大ブラックホールは約5,500万太陽質量と推定され、相対論的ジェットを噴出している。
- 電波からX線まで多波長で研究されており、銀河進化やAGNフィードバックの重要な実例となっている。

銀河ケンタウルスAの星誕生の火事

ケンタウルスA (NGC 5128)
質問と回答
Q:ケンタウルス座A型とは何ですか?
A: ケンタウルス座Aは、NGC 5128としても知られ、ケンタウルス座にある著名な銀河です。
Q:誰が発見したのですか?
A: 1826年にスコットランドの天文学者、ジェームス・ダンロップがオーストラリアのニューサウスウェールズ州の自宅で発見しました。
Q: どのような銀河ですか?
A: ハッブル型レンズ状銀河か、楕円型銀河です。
Q: 地球からどれくらい離れているのか?
A: 1,000万〜1,600万光年の彼方です。
Q:ケンタウルス座Aには、何か特徴があるのですか?
A: 中心部が活発で、天球上で5番目に明るいので、アマチュア天文家の格好のターゲットになっています。また、ケンタウルス座Aは小さな渦巻き銀河と衝突し、その銀河を食い荒らすことで、激しい星形成が起こっていることが確認されています。この銀河の中心には、約5500万太陽質量の超巨大ブラックホールがあり、X線と電波の波長をもつ相対論的なジェットを噴き出しているのです。電波ジェットは100万光年以上の長さがあります。
Q: ケンタウルス座Aは、地球上のどの場所からも見えるのですか?
A:いいえ、北半球の低緯度地域と南半球からしか見えません。
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