シボレー・アップランダーは、ゼネラルモーターズ(GM)のシボレー部門が2005年から2009年にかけて販売したミニバンです。先代のミニバン「Venture」とトラック風デザインのAstroの系譜を受け継ぎ、GMのUプラットフォームをベースにしたモデル群(ポンティアック・Montana SV6、ビュイック・Terraza、サターン・Relayなど)と共通の設計思想を持っていました。

設計と主な特徴

  • 室内は最大7〜8人乗りを想定したレイアウトで、センターキャプテンシートや分割可倒式リアシートなど、実用性を重視した設計がなされています。
  • 当初のモデルには多彩なトリムとオプションが用意され、電動スライドドアやリアエンターテインメント、上級装備を備えたグレードも設定されました。
  • 2005年には一部仕様で全輪駆動(AWD)が用意されましたが、その後エンジンの変更でトルクが増加したことにより、GMはAWDシステムが増大したトルクに耐えられないと判断し、AWD設定は早期に取りやめられたとされています。
  • 兄弟車と部品を共通化することで開発・生産コストの最適化を図っており、整備性やパーツ供給の面で中古市場でも扱いやすい側面がありました。

安全性

IIHS(米国道路安全保険協会)の衝突試験では、前面オフセット衝突テストで「Good」を獲得した一方、側面衝突テストでは条件によって評価が分かれています。側面衝突でエアバッグが装備されていない状態では「Poor」と評価され、エアバッグ装備時には「Acceptable」とされました。これらの結果は、オプション装備や年式による安全装備の差が評価に影響していることを示しています。

市場での評価と生産終了

発売当初はホンダ・オデッセイやトヨタ・シエナなどライバル車と比較して一定の支持を得ていましたが、次第に販売は伸び悩みました。理由としては、クロスオーバーSUVの人気上昇、燃費や走行性能での優位性の欠如、内外装の評価などが挙げられます。これを受けてGMは2008年にミニバンを生産していたドラビル工場を閉鎖し、ラインアップをクロスオーバーSUVへと再編する方針を発表しました。その後GMはクロスオーバーの開発に注力し、後継的な役割を担う車種としてTraverseなどを展開しました。

まとめ(遺産と現状)

シボレー・アップランダーは、GM最後期の伝統的ミニバンの一つとして、家族向け実用車としての機能性を重視したモデルでした。競争の激しい市場環境と自動車市場のSUV志向への転換によって生産は短命に終わりましたが、兄弟車と部品を共有することで中古市場では手頃な維持費とパーツ供給の面で一定の存在感を保っています。