Insurance Institute for Highway Safety(IIHS)は、少なくとも75の保険会社が出資する非営利団体です。IIHSは1959年にバージニア州アーリントンに本部を置いて設立されました。彼らの目標は、米国の高速道路での自動車事故による死亡、負傷、物的損失を減らすことです。自動車の安全性に関する独自の衝突試験や評価を公開し、消費者に分かりやすい情報を提供しています。
主な活動内容
IIHSは以下のような活動を行っています。
- 市販車の衝突安全性評価(前面衝突、側面衝突、オーバーラップ衝突、屋根強度など)。
- チャイルドシートや他の消費者向け製品の評価。元記事でも触れられている通り、人気のある乗用車やチャイルドシートなどの特定消費財の調査・評価を行っています。
- 衝突回避・事故軽減技術(自動ブレーキ、前方衝突警報、ヘッドライト性能など)のテスト。
- 道路設計、ガードレールやケーブルバリア、中央分離帯、速度管理などの交通安全に関する研究と提言。
- 実際の事故データに基づく分析と報告書の作成。実用的な対策を試験・評価して、行政や業界に改善を促します。
評価の仕組みと主なテスト項目
IIHSの車両評価は細かい試験項目に分かれており、それぞれにランク(Good, Acceptable, Marginal, Poor など)が付けられます。代表的なテストは次のとおりです:
- 小さな重なり前面衝突(small overlap frontal)— 車両側部の構造強度と安全セルの保護を評価。
- 中程度の重なり前面衝突(moderate overlap)— 車体前方全体の耐衝撃性を確認。
- 側面衝突(side impact)— 乗員保護性能を評価。
- 屋根の強度(roof strength)— 乗員のつぶされリスクを軽減するかを測定。
- ヘッドレストと首保護(head restraint & seats)— 後方からの追突時のむち打ち軽減性能。
- 前方衝突被害軽減技術(front crash prevention)— 自動ブレーキなどの有効性の評価。
- ヘッドライト評価— 夜間視認性と眩惑の度合いを判定。
これらの結果を組み合わせ、IIHSは「Top Safety Pick」「Top Safety Pick+」などの総合評価を発表します。評価は消費者が車を選ぶ際の重要な目安となっています。
チャイルドシートの評価
IIHSはチャイルドシートの取付けのしやすさ、保護性能、LATCH(ISOFIX相当)装着の相性、ラベルや説明書の分かりやすさなどを評価します。衝突試験だけでなく、実際の車両との組み合わせでのフィッティングも重視し、どの車種でどのチャイルドシートが適合しやすいかといった実用的な情報を提供します。
研究と政策提言
IIHSは単なる試験機関にとどまらず、道路設計や交通規則に関する研究を行い、政策決定の推進にも携わっています。具体的には、中央分離帯の設置、ケーブルバリアやガードレールの改良、速度管理や飲酒運転対策など、多岐にわたる介入策の効果を評価しています。元の記事でも触れられている通り、道路設計や交通規制に関する調査を行い、政策決定の推進にも携わっている。
組織の方針としては、独自の細則によると、IIHSは米国議会やその他の法律制定機関に法律を変更するためのロビー活動は行っていません。議員を教育したり、招請したりして研究結果を説明し、公共の安全向上に寄与するための情報提供を行っています。
IIHS評価の活用方法と他機関との違い
IIHSの評価は消費者、メーカー、行政に広く利用されています。購入を検討する際には、IIHSの総合評価だけでなく、個々の試験項目(例えばヘッドライトや前方衝突被害軽減装置の評価)も確認すると良いでしょう。米国の連邦政府機関であるNHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)も別の基準でテストを行っており、IIHSは実車寄りの衝突条件や最新の安全技術評価に強みがあります。両者の結果を比較することで、より全面的な安全性理解が得られます。
まとめ
IIHSは、保険会社の支援を受けて独立に自動車と道路安全の研究・評価を行う機関で、消費者向けの分かりやすい評価や政策提言を通じて交通死亡・負傷の削減に貢献しています。車両やチャイルドシートの安全性を判断する際には、IIHSの詳細な試験結果を参考にすると実用的で役立ちます。


