シェブロン褶曲(V字褶曲)とは:形成原因・特徴・典型的環境ガイド
シェブロン褶曲(V字褶曲)の形成原因・特徴・発生環境を図解でわかりやすく解説、地質学入門に最適なガイド。
シェブロンとは、地質学上、鋭く折れ曲がった岩盤の構造を指します。一般に「シェブロン褶曲(V字褶曲)」と呼ばれるこれらは、ほぼ直線的な辺縁(肢)と鋭い蝶番(ヒンジ)を持ち、規則的に繰り返すV字形状を示す褶曲層です。シェブロン褶曲が発達すると、地層全体が明瞭なV字パターンを形成し、露頭や断面で非常に判りやすく観察できます。
形成要因(メカニズム)
シェブロン褶曲は主に圧縮応力に反応して発生します。層理面に沿った剛性の違い(層の「コンピテンス差」)があることが重要で、硬い層(たとえば砂岩など)と軟らかい層(たとえば頁岩が代表的)が交互に積み重なった場合に生じやすいです。褶曲過程としては以下のようなメカニズムが関与します:
- 曲げと折れ(kink / hinge)形成:層全体が圧縮されると、硬い層は弾性的・破壊的に折れを生じやすく、鋭いヒンジを形成する。
- 層間滑り(flexural slip):層理に沿った滑りで肢が直線的に保たれることが多い。これによりV字の肢がほぼ直線に見える。
- 不均質な変形:軟層は塑性的に流動して硬層の折れを補完するため、全体として規則的なV字配列が生まれる。
特徴(識別点)
シェブロン褶曲の典型的な特徴は次の通りです:
- 鋭い蝶番(ヒンジ):折り返し部分が鋭角で明瞭。
- 直線的な肢(リム):肢がほぼ直線で、直角に近い曲率を持たない。
- 褶曲角度:一般に褶曲の角度は60度以下であることが多く、狭い開きのV字を示す。
- 繰り返し性:規則的にV字パターンが繰り返される層序が見られる。
- 層の対比:砂岩・頁岩などコンピテンス差のある互層で顕著に発達する。
典型的な地質環境
シェブロン褶曲は、次のような環境でよく見られます:
- 海底堆積物中のタービダイト堆積層(砂岩と頁岩が交互に現れる層)— このような互層はシェブロン褶曲が発生する代表的な場である。
- 陸上堆積、特に砂丘のある地域 — 流動的な砂層と薄い粘土層が交互にある場合に形成されることがある。
- 圧縮テクトニクスが顕著な帯— 地殻収縮により褶曲応力が集中する領域。
スケールと地質学的意義
シェブロン褶曲のスケールは、数センチから数十キロメートルに及ぶまで多様です。小規模なものは露頭やボーリングコアで容易に観察でき、大規模なものは地図上や航空写真でV字模様として認識されることがあります。地質学的には次のような意義があります:
- 変形履歴の記録:褶曲の形状や向きは過去の圧縮方向や応力状態を示す手がかりとなる。
- 地層の力学:コンピテンス差による変形様式の理解に役立つ。
- 資源探査:V字構造が油・ガスの構造的トラップや地下水の流れに影響する場合があるため、探査上の注目点となることがある。
フィールドでの見分け方と注意点
- 肢が直線的か、蝶番が鋭いかを確認する。緩やかな波状褶曲(波状褶曲)とは明瞭に区別できる。
- 層の組成(砂岩/頁岩など)や層厚の違いを調べ、コンピテンス差が存在するかを確認する。
- 折れ目付近の節理や破砕帯、滑り面(層理面に沿った滑り)の存在を観察すると形成過程の手がかりが得られる。
- 露頭が限られる場合は薄片観察やコアの解析で層の性質と変形様式を検討する。
まとめると、シェブロン褶曲は圧縮応力下でコンピテンス差のある互層が折れ曲がって形成される特徴的なV字形褶曲であり、地層の力学的性質や過去の変形史を読み解く上で重要な構造です。

コーンウォール北部、ミロック・ヘイヴン、平坦に横たわる軸面を持つシェブロン褶曲
氷河のシェブロンクレバス
質問と回答
Q: 地質学におけるシェブロンとは何ですか?
A:地質学におけるシェブロンとは、鋭く折れ曲がった岩層のことです。
Q:シェブロン褶曲の特徴は何ですか?
A: シェブロン褶曲は、直線的な辺縁と鋭いヒンジを持つ規則的な褶曲層である。シェブロン褶曲が発達すると、V字型の岩層が形成される。
Q: シェブロン褶曲はどのように発達するのですか?
A: シェブロン褶曲は圧縮応力に反応して発達する。
Q: シェブロン褶曲の角度は?
A: 一般的に褶曲の角度は60度以下です。
Q: シェブロン褶曲にはどのような層が有効ですか?
A: シェブロン褶曲に役立つのは、異なる地層の間に交互に存在する地層です。
Q: シェブロン褶曲が発生する典型的な地質環境は?
A: 砂岩と頁岩が交互に存在するタービダイトが、シェブロン褶曲が発生する典型的な地質環境です。
Q: 陸上堆積物でもシェブロンは形成されますか?
A: はい、シェブロンは陸上堆積物、特に砂丘で形成されることがあります。
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