箸置き(はしおき)とは|素材・種類・使い方・マナー完全ガイド

箸置き(はしおき、英: chopstick rest)は、食器の一つで、箸先がテーブルや膳に直接触れないようにするための小さな台座である。箸をテーブルから離したり、使用済みの箸がテーブルに接触したり転がり落ちるのを防ぐために使用される。箸置きは、陶磁器や粘土のほか、ガラス、翡翠などの貴石、金属、漆(うるし)などさまざまな素材で作られており、形状も平らな小片、ブロック状、動物や植物を模したものなど多岐にわたる。また、割り箸を半分に割って袋の中に入れたり、折り紙で簡単な箸置きを作る(折り箸置き)など、使い捨て箸の端材を利用する方法もよく見られる。

日本では、箸置きは正式な晩餐会や会席料理の席で用いられることが多く、食器の左手前に置かれるのが一般的である。箸はテーブルの縁と平行に、先(箸先)が左側になるように置く。家庭やカジュアルな場では必ずしも箸置きを使わないこともあるが、箸先を清潔に保つために置く習慣が根付いている。

素材とデザインの種類

  • 陶磁器・磁器:もっとも一般的。絵付けや釉薬の表現が豊かで、食器とのコーディネートがしやすい。
  • 木・竹:温かみがあり、和食との相性が良い。漆塗りのものは高級感があるが、水に長時間つけないなど手入れが必要。
  • ガラス:透明感や色合いを生かしたモダンなデザイン。割れやすいため扱いに注意。
  • 貝・貴石・金属:装飾性が高く、贈り物や記念品として人気。翡翠や銀製などは特別な席にも向く。
  • 使い捨て由来の折り紙・紙製:手軽でイベントや外出先で便利。簡易的な箸置きとして活用される。

使い方と配置の基本

  • 一般的な配置は、箸置きをお椀やお皿の手前、やや左寄りに置き、箸の先を箸置きの上に乗せる形。箸先は左方向を向けるのが正式。
  • 箸置きが無い場合は、皿の縁や小皿の端に箸先をかける、清潔な紙ナプキンに置くなど代用できる。
  • 複数人で取り分ける料理の際は、自分の箸で直接つかまない(取り箸を使う)、箸を食器の上で動かさないなどマナーに配慮する。

箸のマナー(NGと心得)

  • 箸を立てる(ご飯に箸を垂直に刺す)は仏事を連想させるため避ける。
  • 箸から箸へ食べ物を直接渡す行為(骨や箸渡し)は葬儀の儀式を連想させるため避ける。
  • 箸で食器を指し示したり、食べ物を突き刺すのは失礼とされる。
  • 割り箸を力任せに割ったり、食事中に箸を磨く(こする)行為はマナー違反とされる場合が多い。使い捨て箸の端材を箸置きにする場合は見た目や衛生に注意する。

お手入れと保管

  • 陶器やガラス製は基本的に中性洗剤で洗えるが、急激な温度変化で割れることがあるため注意する。
  • 木・漆製は長時間の浸け置きや食器洗い機の使用を避け、乾燥させてから保管。乾燥による割れを防ぐため、定期的に食用油を薄く塗ることもある。
  • 金属製は酸や塩分で変色することがあるので、使用後はよく洗い、水気を拭き取って保管する。

歴史と文化的背景(概説)

箸置きの起源については諸説あるが、箸と食卓の作法が発展する中で、箸先の衛生を保つ目的や、箸が転がるのを防ぐ実用性から普及したと考えられている。日本では季節感や客をもてなす心を表す道具として、意匠にこだわった箸置きが作られてきた。現在では日常使いから贈答用、工芸品としての価値を持つものまで幅広く存在する。

選び方と贈り物として

  • 普段使いには耐久性があり手入れしやすい素材(磁器や丈夫な木製)がおすすめ。
  • 来客用や贈答用には季節のモチーフや作家物、名入れ可能なものを選ぶと喜ばれる。
  • 複数セットで揃えると食卓の統一感が出るため、婚礼や引っ越し祝いなどの贈り物に適している。

簡単なDIY・折り箸置き

割り箸の端や箸袋、折り紙を使って手軽に箸置きを作ることができる。折り方は数種類あり、折り紙を折りたたんで小さな台形や船形にするだけで実用的な箸置きになる。イベントや子どもの工作にも向いている。

箸置きは単なる実用品を越え、食卓の美しさやマナーを補う道具でもある。素材やデザイン、使い方を知って、自宅の食卓やおもてなしに取り入れてみてほしい。

木の箸置きにイチイの箸が一膳Zoom
木の箸置きにイチイの箸が一膳

日本の典型的な食事:食器の手前側にある箸置きに箸を置き、左側を指すZoom
日本の典型的な食事:食器の手前側にある箸置きに箸を置き、左側を指す

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質問と回答

Q:箸置きとは何ですか?


A: 箸置きは、箸をテーブルから離し、使用済みの箸がテーブルに接触したり、テーブルから転がり落ちるのを防ぐための食器です。

Q:箸置きの素材は何ですか?


A:粘土、木、ガラス、ヒスイなどの宝石など、さまざまな素材で作られています。

Q:箸置きはどうやって作るのですか?


A:割り箸を半分に割った袋を折り紙で折って箸置きを作る人もいます。

Q:箸置きは日本ではどこで使うのが一般的ですか?


A:日本では、正式な食事会では、箸置きは食器の左手前に置くのが一般的です。

Q:箸はどのように置くのですか?


A: 箸はテーブルの端に平行に、先を左に向けて置きます。

Q: 箸置きは何のためにあるのですか?


A: 箸置きの目的は、箸がテーブルから転がり落ちたり、テーブルに接触したりしないようにすることです。

Q: 箸置きの材料にはどんなものがありますか?


A: 粘土、木、ガラス、ヒスイなどの貴石などが一般的です。

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