古典派音楽(クラシック期)とは|1750~1820年の特徴とハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン

クラシック音楽の時代(古典派音楽・クラシック期)は、ハイドン、モーツァルトベートーヴェン、シューベルトなどが活躍した時期を指し、一般にはおよそ1750年頃から1820年頃までをさします。この時期は、前の時代であるバロックと、その後に続くロマン派の時代の間にあります

私たちが日常で「クラシック音楽」と呼ぶものは、ポップスジャズ民族音楽ではない、主にヨーロッパ伝統に根ざした芸術音楽を指します。ここで言うクラシック音楽は、楽譜に基づき、作曲理論や技法を学んだ作曲家が書いた作品群を含みます。この記事では、特に18世紀後半から19世紀初頭にかけての「古典派(クラシック期)」の特徴と代表作曲家についてわかりやすく解説します。

時代の特徴と音楽の性格

古典派の音楽は、明瞭さ・均衡・簡潔さを重視します。バロック期に比べて対位法中心の複雑な書法から離れ、主旋律をはっきりさせ、伴奏は和音的(ホモフォニック)になることが多くなりました。よく使われる伴奏形の一つに、いわゆる「アルベルティ低音」と呼ばれる、和音を分散して繰り返すパターンがあります。作曲家は形式(フォルム)を非常に重視し、主題(テーマ)を提示し、それを展開し、再現するという構造を明確に組み立てました。

主要な音楽形式

  • ソナタ形式(提示部・展開部・再現部):交響曲やピアノソナタ、室内楽の重要な基礎。
  • 交響曲:古典派で大きく発達し、ホルンや木管の活用などで編成が整備された。通常4楽章構成が一般的。
  • 弦楽四重奏:室内楽の完成形として確立。ハイドンが重要な役割を果たしました。
  • 協奏曲:ソロ楽器とオーケストラの対話を重視し、ピアノ協奏曲が特に発展。
  • オペラ:台本・ドラマ性の向上と音楽の統合で、モーツァルトらが名作を残しました。

代表的な作曲家とその貢献

  • ハイドン:弦楽四重奏曲や交響曲の形式を確立し、交響曲の構造や楽団編成の基礎を作った「交響曲の父」と呼ばれることが多いです。宮廷や貴族に仕えて安定した制作活動を行いました。
  • モーツァルト:オペラ、交響曲、協奏曲、室内楽、宗教曲などほぼすべてのジャンルで傑作を残しました。豊かな旋律と自在な形式操作、深い人間描写が特徴です。
  • ベートーヴェン、シューベルト:ベートーヴェンは古典的形式をさらに拡張し、個人的な表現や劇的な展開を音楽に導入してロマン派への橋渡しをしました。シューベルトは歌曲(リート)を大成し、メロディの豊かさと感情表現で知られます。

作曲技法と表現

古典派では主題の提示と展開(モチーフの発展)が中心的な技法です。短いリズムや動機を用いて、それをさまざまな調や音色で展開・変容させることで、統一感とドラマ性を生み出します。また、和声進行が整理され、調性(トニックとドミナントの関係)に基づく明確な構造が重視されました。楽器ごとの色彩(木管やホルンの独立した役割)もこの時期に重要性を増しました。

演奏・編成・社会的背景

古典派のオーケストラはバロック期よりも統一され、弦楽器群に加え木管・金管・打楽器が編成として定着しました。演奏機会も宮廷中心から市民社会へ広がり、音楽出版や公開コンサートの発展により作曲家の独立性も高まりました。多くの作曲家は貴族や教会に仕える形で活動しましたが、18世紀後半から市民的な音楽文化が拡大し、作曲家の社会的立場や活動の幅が変化していきました。

古典派からロマン派への移行

作曲技法や形式の厳格さを保ちながらも、個人の感情表現や劇的な対比を強めた作曲家たち(とくにベートーヴェン)の登場により、やがて音楽はより主観的・表現的な方向へと向かいます。これが19世紀のロマン派への自然な移行となりました。

聴きどころとおすすめ作品

  • ハイドン:交響曲第94番「驚愕」、弦楽四重奏曲(作品33など)、オラトリオ「天地創造」
  • モーツァルト:交響曲第40番、第41番「ジュピター」、ピアノ協奏曲第21番、オペラ「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」
  • ベートーヴェン、シューベルト:ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」、第5番、第9番、ピアノソナタ「月光」など。シューベルトの歌曲集や交響曲第8番「未完成」

古典派音楽は、構造の美しさと旋律の明快さが魅力です。初めて聴く方は上に挙げた代表作を一つずつ聴き進めると、時代の特徴や作曲家ごとの個性がわかりやすく感じられるでしょう。

モーツァルトのこのソナタの冒頭では、アルベルティの低音の上に典型的な古典的な曲が演奏されている 。Zoom
モーツァルトのこのソナタの冒頭では、アルベルティの低音の上に典型的な古典的な曲が演奏されている 。

質問と回答

Q:クラシック音楽の時代とは何ですか?


A:古典派音楽とは、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトが生きた作曲家として最も有名だった1750年頃から1820年頃までの時代のことです。ポップスでもジャズでも民族音楽でもないヨーロッパの音楽で、作曲技術を学んだ作曲家たちによって書かれたものです。

Q:「クラシック」という言葉は、何を指すのですか?


A:「クラシック」という言葉は通常、古代ギリシャやローマの芸術を指しますが、その後何世紀にもわたって非常に有名になり、記憶されてきたあらゆる芸術形式を意味することもあります。

Q:クラシック音楽はバロック音楽と比較してどうなのでしょうか?


A:ある意味で、クラシック音楽はバロック音楽の作曲家たちの音楽よりもシンプルであることが多いのです。アルベルティ・バス」と呼ばれる破調の和音を使った簡単な伴奏で曲が進むことが多いのです。古典派の作曲家にとって、形式は非常に重要で、彼らは曲(テーマ)から作品を始め、調やテンポ、長調・短調を変えるなど、さまざまな方法で発展させていくのです。

Q:この時代の作曲家で最も有名なのは誰ですか?


A: この時代の有名な作曲家には、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなどがいます。

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