コメディア・デッラルテとは:即興喜劇の定義・歴史・代表キャラクター

コメディア・デッラルテの起源から代表的ストックキャラクターまで、即興喜劇の定義・歴史と魅力を分かりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

定義と名称

コメディア・デッラルテ(Commedia dell'arte)は、16世紀にイタリアで始まった即興に基づく演劇の一形態です。台本を細かく書き込まず、役者が場面の筋(シナリオ)をもとに台詞や所作を即興で作っていくのが特徴で、17世紀に入っても広く上演されました。名前の由来は難しく、直訳は難しいとされますが、元来はcommedia dell'arte all'improviso(即興の喜劇)の短縮形と考えられています。翻訳が難しい概念を含む演劇様式です。

起源と歴史の概観

旅回りの小さな劇団が町の広場や市場で演じたのが始まりで、少人数の俳優が多彩な役を分担して演じました。代表的な初期の記録としては、最も古くから知られている劇団が1545年にパドヴァで結成されたことが挙げられます。16〜17世紀を通じて、I Gelosi(ゲロシ)、コンフィデンティ、フェデリなどの劇団が活躍し、各地で人気を博しました。

劇団は各地の宮廷、特にフランスでは、貴族や芸術家の興味の対象となり、舞台美術や衣装の影響も与えました。やがてイタリア国外にも技法やキャラクターが伝播し、ヨーロッパ各国の演劇に影響を与えていきます。

上演の様式と技法

コメディア・デッラルテの上演は通常、詳細な台本ではなく「canovaccio(カノヴァッチョ)」と呼ばれる場面の骨子をもとに行われます。そこから俳優は即興で台詞ややり取りを構築し、決まった身振りや決めごと(lazzi:定型の笑いの演技)を織り交ぜて観客を楽しませました。演奏や歌、アクロバット、身体表現が重要で、役者には即興力と身体的表現力が求められました。

上演場所は広場や街角、旅回りの劇場、後には専用の劇場へと移り、公演の収入は観客の投げ銭や入場料、貴族からの庇護に依りました。旅先では、俳優たちが観客からお金をもらうために帽子を回すといった場面もありました(当時の興行形態の一例です)。戯曲は自由度が高く、少人数の役者が多役をこなすことも一般的で、しばしば町の広場を回っての上演が続けられました。

テーマと表現

物語の中心にあるのは、しばしば飢えや愛、そしてお金が関わる人間関係や機知です。社会や身分制度、恋愛のもつれを滑稽に露呈させることで観客の共感と笑いを引き出しました。風刺的な要素が強く、権威や偽善を批判する場面も少なくありません。

仮面・衣装・身体表現

コメディアの特徴の一つは仮面の使用です。多くの仮面をつけていましたが、仮面の有無や形はキャラクターによって異なります。仮面は顔の一部や全体を覆い、動きを強調するために誇張された表情や装飾が施されることが多いです。衣装もキャラクターの身分や性格を示す重要な要素で、動きやすさを考えた設計になっています。

代表的なストック・キャラクター

コメディアには定型化された「ストック・キャラクター」が多数存在します。これらは役割が固定化され、観客にとってすぐに理解できる性格付けがなされていました。例として次のような人物像があります。

  • ハーレクイン/アルレッチーノ(Arlecchino, ハーレクイン、アルレッチーノ):俊敏でずる賢い小間使い。身のこなしの良さと機知で場をかき回す。しばしば黒い半面の仮面と派手な斑模様の衣装を着用。
  • パンタロン(Pantalone):金持ちで欲深い老人。赤い衣装や大きな鼻の仮面で、しばしば恋愛や金銭を巡って滑稽な失敗をする。
  • アルレッチーノ(アルレッチーノとしても知られる):名前や表記の揺れはありますが、上のハーレクインと同一視されることが多い伝統的な道化役。
  • コロンビーナ(Colombina):機転の利く女中。恋の仲介や主人の計略を助けることが多く、しばしば仮面をつけないこともある。
  • プルチネラ(Pulcinella):ナポリ由来の風刺的な道化。のんきで皮肉屋、後にイギリスのパンチ(Punch)へと影響を与えたとされる人物像。
  • ピエロ(Pierrot):哀愁を帯びた道化。後のフランスのパントマイムや白塗りのピエロ像の源流の一つ。
  • スカラムーチア(Scaramuccia):気取った小悪党や自慢屋。派手な衣装で虚勢を張る役どころ。

これらは一例で、地域や劇団によって名前や性格に差があります。歴史的には同じ性格でも別の名前で呼ばれることが多く、ハーレクインとアルレッチーノのように重複や変遷が見られます。

ヨーロッパ各国への影響と派生

コメディア・デル・アルテは各国の演劇に大きな影響を与えました。例えば、古典フランス喜劇の成立やモリエール作品への影響が指摘されることがあり、即興的なやり取りやキャラクター造形の手法は多くの劇作家や演出家に取り入れられました。現代の俳優訓練でも、即興や身体表現の教育にその技法が活かされています。

イギリスやその他の国で子供たちに人気のある「パンチ&ジュディ」は、コメディア・デル・アルテに似ています。この人形劇にもストックキャラクター的な登場人物、たとえばパンチ、ジュディ、ワニ、警察官などが見られ、コメディアの影響を受けて発展した文化の一例です。

遺産と現代への継承

コメディア・デッラルテの遺産は演劇のみならず、オペラ、バレエ、映画、テレビコメディ、現代の即興劇やパフォーマンス・アートにまで及びます。道化やステレオタイプ的なキャラクター、身体を使ったユーモア、即興の技術は現代のコメディ表現にも脈々と受け継がれています。また、現代の演劇学校やワークショップでは、古典的なlazziや即興演技を学ぶことで俳優の即応力と表現力を高める教育が行われています。

まとめ

コメディア・デッラルテは、即興性、身体表現、仮面や衣装、そして繰り返し使われるストック・キャラクターによって特徴づけられる演劇様式です。16世紀イタリアに起源を持ち、17世紀以降も広く愛され、ヨーロッパ各地の演劇文化に深い影響を与えました。その影響は今日に至るまで残り、現代の舞台芸術や大衆文化の多くの側面に見出すことができます。を与えました。

リムーのカーニバルでピエロの格好をした人がいた。Zoom
リムーのカーニバルでピエロの格好をした人がいた。

質問と回答

Q:コメディア・デラルテとは何ですか?


A: コメディア・デラルテは、16世紀にイタリアで始まり、現在でも人気のある即興劇の一種です。タイトルは「工芸の喜劇」「即興の喜劇」と訳されることがあります。

Q: 俳優はどのようにこれらの劇を演じていたのですか?


A:役者は各地を巡り、町の広場で、人々がお金を入れるために帽子を回して演じるのです。

Q:最も古くから知られているグループはいつから演じていたのですか?


A:最も古い劇団は、1545年にパドヴァで結成されました。

Q:17世紀に流行した一座は?


A:17世紀に人気のあった劇団は、ジェローシ、コンフィデンティ、フェデーリなどです。

Q: コメディア・デッラルテは他の国にも影響を与えたのですか?


A:はい、コメディア・デラルテは多くの国の演劇に影響を与えました。例えば、「パンチとジュディ」はコメディア・デラルテに似ていて、パンチ、ジュディ、ワニ、おまわりさんといったキャラクターが登場します。

Q:これらの物語を通して、どのようなテーマが探求されることが多かったのでしょうか?


A:飢え、愛、お金が、これらの物語を通して探求された重要なテーマでした。

Q:この形式の演劇の登場人物の例をいくつか挙げてください。A:コメディア・デラルテの登場人物の例としては、ハーレクイン、パンタローネ、アルレッキーノ、コロンビーナ、プルチネッラ・ピエロ、スカラムッチャが挙げられます。


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