アレクサンダー島は、アレクサンダー1世島、アレクサンダー1世ランド、アレクサンダーランド、アレクサンダー1世群島、ゼムルヤ・アレクサンドラ1世とも呼ばれ、南極大陸最大の島である。南極最大の島であり、パーマーランドの西に位置するベーリングハウゼン海にある。南極半島とはマルグリット湾とジョージ6世湾で隔てられている。ジョージ6世湾は氷で満たされており、アレクサンダー島とパーマー・ランドを結んでいる。アレキサンダー島は、その西側にあるウィルキンス海峡を部分的に取り囲んでいる。
地理と主要データ
アレクサンダー島は島長が約240マイル(約390km)に及び、北側の幅は約50マイル(約80km)、南側の幅は約150マイル(約240km)である。面積はおよそ49,000km²前後とされ、世界で2番目に大きな無人島で、デボン島に次ぐ規模である(「無人島」とは常住人口が存在しないことを指す)。
地形・氷床・気候
島の大半は氷に覆われており、山地と氷河が複雑に入り組む地形を示す。東側には急峻な山脈(Douglas Range など)が走り、標高の高い峰も存在する。最高峰の一つにマウント・ステファンソン(Mount Stephenson)があり、島は山地と平坦な氷原が交互に広がる。
気候は典型的な極地性で、年間を通じて低温・乾燥で風が強い。沿岸部でも海氷や棚氷の影響で海の航行や上陸は季節や年ごとに大きく変わる。
生物・環境
常住の人間はいないが、沿岸域や近海ではアザラシやペンギン、アホウドリ類やウミドリ類などの海鳥が観察されることがある。内陸の氷床域では植物はほとんど見られず、限られた露岩域や沿岸のわずかな場所に地衣類やコケ類が分布する程度である。環境保護や科学調査の観点から重要な地域が多い。
発見と歴史
アレクサンダー島は1821年1月28日に発見され、ロシアの皇帝アレクサンダー1世にちなんで命名された(発見探検はロシアの南極探検隊による)。その後長年にわたり本土(南極大陸本体)の一部と考えられていたが、20世紀中頃にかけてジョージ6世湾(しばしば氷で満たされる海峡)が島とパーマーランドを分ける水路であることが確認され、独立した島であると認識されるようになった。
領有については英国、チリ、アルゼンチンの主張が重複する地域に含まれるが、南極条約のもとで領有主張は凍結され、科学協力と環境保護が優先されている。
ホジソン湖(Hodgson Lake)
アレクサンダー島で特に注目されるのがホジソン湖(ホジソン湖)である。これは永年氷に覆われた淡水湖で、湖の大きさはおよそ2km×1.5km、湖水柱の深さは約93.4m、湖面を覆う氷は厚さ約3.6~4.0mと報告されている。ホジソン湖は過去の気候変動の痕跡を保存する堆積物を有し、また氷の下で独立した生態系が成立している可能性があるため、古環境学や微生物学の重要な研究対象となっている。
氷に閉ざされた湖や露出した湖岸堆積物からは、過去の間氷期や氷床の変遷に関する情報が得られ、南極の気候史を再構築するうえで価値が高い。ホジソン湖に関する調査は1990年代以降本格化し、現地堆積物の分析や生態学的調査が行われている。
人の利用と保護
島内に恒久的な居住地や年中稼働する研究基地はなく、調査は主に夏季の短期派遣や航空・海上からの訪問で行われる。極端な気象条件と海氷の影響でアクセスは難しく、研究活動は厳格な環境管理のもとで実施される。
南極条約および関連する環境保護規程により、アレクサンダー島周辺の環境保全と科学的利用が両立するよう管理されている。将来的にも気候変動や氷床の変化に伴う地形・生態系の変容に関する重要な研究地域であり続ける見込みである。