Dimmu Borgirは1993年にノルウェーで結成されたシンフォニック・ブラックメタル・バンドです。バンド名はアイスランドの溶岩地帯名に由来するDimmuborgirで、直訳すれば「暗い城(暗い砦)」を意味します。結成以来、ブラックメタルの激しい楽曲にオーケストレーションや合唱を取り入れた大規模なサウンドを特徴とし、世界的に知られる存在となりました。
略歴と代表作
バンドの初期作品はノルウェー語で歌われていましたが、のちに英語を中心にレコーディングするようになりました。初期のデモ/アルバム群を経て、1997年のEnthrone Darkness Triumphantで国際的な注目を集め、その後の作品でさらに音楽性を拡大しました。代表作には以下が挙げられます(年代はリリース年):
- For All Tid(1994)
- Enthrone Darkness Triumphant(1997)
- Puritanical Euphoric Misanthropia(2001)
- Death Cult Armageddon(2003)
- In Sorte Diaboli(2007)
- Abrahadabra(2010) — 現在までの最新スタジオ・アルバム
音楽性と編成
Dimmu Borgirはブラックメタルの冷徹なギターとブラストビートに、キーボードやオーケストラ、合唱を組み合わせることで独自の壮麗なサウンドを作り上げています。スタジオやライヴでは正規メンバーのほかセッションのオーケストラや合唱団、ゲスト・ミュージシャンを起用することがあり、作品ごとに編成やアレンジを大きく変化させてきました。これにより、よりシンフォニックで映画的な音世界を提示することが多くなっています。
商業的成功と論争
2007年のIn Sorte Diaboliはノルウェーのアルバム・チャートで1位を記録しました。発売から1週間後にはアメリカのBillboard 200で43位に入り、A‑Ha以来久しく見られなかったノルウェー出身バンドのアメリカ本国トップ50入りを果たしました。前作のDeath Cult Armageddonや、同時代のSatyriconのNow, Diabolicalなどはノルウェーで2位を記録するなど、商業的にも大きな成功を収めています。
一方で、シンフォニックな方向性やプロダクションの派手さを理由に一部のブラックメタル・ファンや評論家からは「商業化」「原点からの逸脱」といった批判を受けることもあり、作品によって賛否が分かれるバンドでもあります。いくつかの作品やテーマは宗教的・思想的に物議を醸したことがありますが、公式に“禁止”されたという事実はありません。
メンバーとライヴ
結成以来メンバー・チェンジが頻繁に起こっており、中心人物のギタリスト/作曲家を中心にラインナップが変遷してきました。ツアーでは大掛かりなステージセットやオーケストラの再現を含む演出を行うことがあり、スタジオ作品と同様に視覚的にも壮大なライヴを展開しています。
影響と評価
Dimmu Borgirはブラックメタルにシンフォニック、クラシカルな要素を積極的に持ち込み、ジャンルの幅を広げたバンドの一つとして評価されています。商業的成功を収めた反面、原始的なブラックメタルを支持する層からの反発も招きましたが、現代のエクストリームメタルにおけるシンフォニック表現の先駆けとして、その影響力は大きいといえます。