オーストリアでは、区は国の政府の第2レベルの部門です。第一級の部門は、オーストリアの州である。
概要
オーストリアの「区」(ドイツ語: Bezirk)は、州(Bundesland)に属する行政区分で、州政府が行う多くの行政事務の地域窓口として機能します。行政を実務的に執行する組織は一般にBezirksverwaltungsbehörde(地区行政機関)と呼ばれ、その長は通常Bezirkshauptmann(地区長)として任命されます。一方、人口規模や自治体の重要性が高い都市は法定都市(Statutarstadt)として、自治体の機構(Magistrat)が地区行政の権限も同時に担います。
主な業務(窓口業務)
地区事務所や法定都市が取り扱う代表的な業務は多岐にわたります。例として:
- 旅券(パスポート)や運転免許の申請・交付手続き
- 各種許可の発給(集会許可、狩猟許可など)
- 道路交通や車両登録に関する行政手続き
- 保健・公衆衛生当局(保健所)との連絡や感染症対策の調整
- 州法に基づく監督・執行(建築・環境関連の許認可や監査など)
ただし、住民登録や婚姻届の受理など、日常的な市民サービスの一部は市町村(Gemeinde)が担当する場合もあります。業務の範囲は州ごと・自治体ごとに異なるため、具体的な手続きは各地区事務所や法定都市の窓口で確認する必要があります。
結婚許可証、運転免許証、パスポート、集会許可証、狩猟許可証、保健所とのやり取りなど、主に地区事務所が窓口となる。
種類と数(2017年時点)
2017年現在、94地区があります。このうち、地区委員会が長を務める地区が79地区、法定都市が15地区です。法定都市は、政府刊行物や法律文献以外では通常「地区」とは呼ばれません。地区委員会が率いる地区は、通常、10~30の市町村をカバーしています。
運営と法的位置付け
地区長(Bezirkshauptmann)は原則として州政府によって任命され、州の行政機関としての役割を担います。法定都市では、市の行政機関(Magistrat)や市長の下で地区権限が行使されるため、日常的には市の職員による対応が行われます。これにより、都市部と郊外・農村部で行政運営の仕組みが異なる点に注意が必要です。
補足・注意点
- 各州ごとに行政の細部は異なり、同じ手続きでも担当機関や窓口が変わることがあります。
- ウィーン(Wien)は特別で、州であると同時に市であり、市内は「市区(Stadtbezirke)」に分かれていますが、これは州下の「地区(Bezirk)」とは制度的に区別されます。
- 正式な呼称や権限については、手続きを行う前に該当する地区事務所や州の公式サイトで最新情報を確認してください。

