DjVu|スキャン文書向けの高圧縮ファイル形式
DjVuは、文字・線画・写真が混在するスキャンページを効率よく保存・配布するためのファイル形式とツール群です。スキャンPDFより小さなファイルになることが多くあります。
概要
DjVu(フランス語のdéjà vuのように発音される)は、スキャン文書や画像が多いページを保存するためのファイル形式と関連ソフトウェアです。1990年代後半に、書籍、雑誌、技術論文をコンパクトで検索可能な形で再現する必要に応えるために作られました。この形式は、連続階調の画像(写真)、鮮明な線画、文字情報が混在するページに特に適しています。
DjVuの仕組み
DjVuは、ページを複数の層に分け、それぞれに適した圧縮技術を使うことでファイルサイズを小さくします。一般的な層には、写真向けの滑らかなカラー背景、文字や線画向けの鮮明な前景、細かな輪郭を保つための2値マスクがあります。2値コンテンツには、文字のような繰り返し形状を認識できる専用圧縮(しばしばJB2と呼ばれる)が使われ、連続階調部分にはウェーブレット系のコーデックが使われます。この組み合わせにより、JPEGで圧縮した単一のフルカラー画像よりも、はるかに小さなファイルになることがよくあります。
特徴と機能
- 写真の細部とくっきりした文字の両方を保つための、背景・前景・マスクによる層構造。
- 2値の文字や図版に対する高効率圧縮と、カラー領域に対するウェーブレット圧縮。
- OCRで生成される任意のテキスト層により、文書の検索や文字のコピーが可能で、PDFの検索可能な層に似ています(OCR)。
- 段階的レンダリングとタイル単位のアクセスに対応し、ファイル全体をダウンロードしなくても閲覧ソフトが素早くページを表示できます。
- DjVuLibreのような自由に公開された仕様と実装に加え、商用ツールもあります。
歴史と発展
DjVuは、研究者がスキャンされた内容をウェブで公開し、デジタルアーカイブを配布するよりよい方法を探していた1990年代後半に登場しました。写真のようなスキャン画像をそのままPDFに埋め込む方法と比べると、DjVuの手法は同じ見た目の品質でも、しばしばかなり小さなファイルを生み出しました。DjVuの開発者は、カラー雑誌ページ、白黒の技術論文、古い写本などのスキャン資料について典型的なファイルサイズを報告しています。これらの数値は、この形式がコンパクトな保存と効率的な転送を重視していることを示しています。
用途と例
混在コンテンツのページに対する効率の高さから、DjVuは大量のスキャンページを提供する図書館、アーカイブ、個人のデジタル化プロジェクトで使われてきました。また、読みやすい文字と細かな線の表現を保ちながらファイルサイズを最小化したい場合、JPEGなどの他の画像形式の代替としても用いられます。一部の機関では、PDF版と並行して、あるいはPDF版の代わりに検索可能なDjVu版を公開しています(PDFとの比較)。
ツール、互換性、注目すべき点
DjVuには複数の無料・商用ビューアや変換ツールがあり、他形式との相互変換を可能にするソフトウェアライブラリも存在します。ブラウザプラグインによる対応は、以前のウェブブラウザではより一般的でしたが、現在はサーバー側での変換や専用ビューアを使うことがよくあります。形式仕様と支援コードは複数の情報源から入手でき(形式ドキュメント)、変換ツールや閲覧ソフトはデジタルアーカイブのプロジェクトでしばしば見られます。実例やサンプルページについては、いくつかのプロジェクトページで、サンプルの雑誌ページや書籍ページに対するDjVuの圧縮効果を示しています(サンプルページ)。
総じて、DjVuは、大量のスキャンページを、良好な可読性を保ちながら、単純な写真スキャンよりもはるかに小さいダウンロードサイズで配布したい場合に有用な選択肢です。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com DjVu|スキャン文書向けの高圧縮ファイル形式 Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/28051
出典
- djvu.org : DjVu File Format Version
- djvu.org : "What is DjVu - DjVu.org"
- leon.bottou.org : leon.bottou.org/publications/pdf/jei-1998.pdf