アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)とは:企業概要と2008年救済の経緯

AIGの企業概要と2008年救済の経緯を分かりやすく解説。救済の背景・政府対応・影響と現在の状況まで網羅した必読ガイド。

著者: Leandro Alegsa

アメリカン・インターナショナル・グループ(American International Group, Inc.)(AIG)(NYSE: AIG, TYO: 8685, ISEQ: AIN)は、ニューヨークに本社を置くアメリカの大手保険・金融サービス会社です。国際的な展開が特徴で、英国本社はロンドン、欧州大陸本部はパリ、アジア本部は香港に置かれています。創業は20世紀前半で、世界各地で損害保険、生命保険、リタイアメント(年金)サービス、資産運用などの事業を展開しています。フォーブス・グローバル2000リストではかつて世界有数の規模を誇り、2004年4月8日にはダウ・ジョーンズ工業株平均の構成銘柄の一つに採用されました。

事業内容

  • 損害保険(Property & Casualty):自動車保険や火災保険、企業向けリスク保険など。
  • 生命保険・年金(Life & Retirement):個人向け・団体向けの生命保険、年金・退職給付関連商品。
  • 資産運用・投資(Asset Management):保険料の運用や機関投資家向けの運用サービス。
  • 金融商品・デリバティブ関連:過去にはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などのデリバティブ取引を扱う部門(AIG Financial Products)が大きな役割を果たしていました。

沿革の要点

AIGは創業以来、国際的なネットワークを拡大してきました。長年にわたる買収・再編により事業領域を広げ、世界中に多数の子会社・関連会社を持つ巨大保険グループとなりました。2000年代には保険以外の金融商品市場にも深く関与するようになり、それが後の金融危機時に大きな影響を及ぼす要因の一つとなりました。

2008年の金融危機と救済の経緯

9月16日 2008、米国金融市場が混乱する中、米国連邦準備銀行(FRB)はAIGに対して流動性供給のための緊急融資を行う方針を発表しました。FRBの支援は、当初は最大で850億米ドルの融資を行い、その見返りとして同社の株式の大部分を事実上担保とする内容でした。AIGは同日、取締役会がその融資提案の条件を受け入れたと発表しました。

背景には、AIGが関与していた大規模なクレジット・デフォルト・スワップなどのデリバティブ取引により、カウンターパーティーからの担保(マージン)差し入れ要求が急増して資金繰りが逼迫したことがあります。短期間に流動性の穴が生じたため、金融システム全体への波及を防ぐ観点から米政府・当局が緊急介入を決定しました。

その後、米政府とFRBは追加の支援や資本注入を行い、AIGに対する公的支援の累計は最終的に大きな額に達しました。支援の結果、政府が保有する持分が増加し、経営体制や資産の整理・売却(非中核資産のディスポジション)を通じた再建が進められました。

救済後の展開と影響

救済以降、AIGは事業構造の見直しを進め、リスクの高い金融商品の縮小や資本の強化、事業の再編・売却を実施しました。政府保有株の段階的な売却も行われ、年月をかけて公的支援からの離脱が進められました。同時に米国の金融規制や監督体制、保険業と銀行業の関係に関する議論も活発化しました。

現在の位置づけ

AIGは救済前とは異なる構成で再編を進め、保険本来の事業基盤の強化を図っています。グローバルな保険会社として損害保険・生命保険・年金サービス等を提供し続ける一方で、危機時の教訓を踏まえてリスク管理や資本政策を重視するようになっています。

補足:本稿では主要な事実関係と経緯を概説しました。詳細な年次別の資金フローや政府による支援額の内訳、株式売却の具体的な時期・価格などは、公的報告書や当時の公式発表資料を参照してください。

質問と回答

Q:アメリカン・インターナショナル・グループ・インク(AIG)とは何ですか?


A: AIGは、ニューヨークに本社を置くアメリカの大手保険会社です。

Q: イギリスの本社はどこにありますか?


A: 英国本社はロンドンにあります。

Q: AIG の欧州大陸部の事業拠点はどこですか?


A: ヨーロッパ大陸の拠点はパリにあります。

Q: アジアの本社はどこにありますか?


A: アジア本部は香港にあります。

Q: 2008 年のフォーブス・グローバル 2000 によると、AIG は世界の大企業の中でどのような位置づけにあるのでしょうか?


A: 2008 年のフォーブス・グローバル 2000 リストによると、AIG は世界第 18 位の企業でした。

Q: AIG はいつからダウ・ジョーンズ工業株30種平均の一員になったのですか?


A: AIG は 2004 年 4 月 8 日にダウ・ジョーンズ工業株 式会社の一員となりました。

Q: 2008年、米国連邦準備銀行はAIGに対してどのような計画を立てていましたか?


A: 2008年、米国連邦準備銀行は、AIGの79.9%の株式と引き換えに、850億ドルを貸し出す計画を発表しました。


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