フランクリンズ(Franklins)とは|オーストラリア発の格安スーパーの歴史とノーフリル戦略
フランクリンズ(Franklins)はオーストラリアのニューサウスウェールズ州を発祥とする格安スーパーマーケットチェーンです。かつてはオーストラリア国内の複数の州に店舗を展開していました。
設立と成長の概要
店名は、1941年にシドニー市でフランクリンズを始めたフランク・リンドストロームにちなんで名付けられました。設立当初から経費を削減することで低価格を実現するビジネスモデルを採用し、ニューサウスウェールズ州を中心に成長していきました。その後、クイーンズランド州、ビクトリア州、南オーストラリア州の地域などにも進出し、オーストラリア独自のディスカウント・グロサーチェーンとしての地位を築きました。
「No Frills(ノーフリル)」戦略と自社ブランド
フランクリンズは、低価格を実現するための自社ブランド戦略を早期に導入しました。フランクリンズはオーストラリアでいち早く自社ブランド、いわゆる「No Frills(ノーフリル)」商品を販売したスーパーマーケットの一つです。当初は限られた商品だけを取り扱っていましたが、徐々に品目を拡大し、最終的にはパンからウィンドウクリーナーまで幅広いジャンルで約800品目にのぼるラインナップを持つまでになりました。
これらのノーフリル商品は、低価格を分かりやすく打ち出すためのパッケージやブランド名で販売され、フランクリンズの認知度向上に寄与しました。現在では「レッドソックス」と呼ばれるマスコットがこれらの製品を宣伝するなど、ブランド周知の取り組みも行われています。
取扱商品と店内設備
フランクリンズの主力は食品と日用品で、パンや肉など生鮮品も自社ブランドやプライベートブランドを通じて提供しています。店舗形態は多様で、立地や店舗規模により取り扱う商品が異なります。小型店では乾物や日用品中心、大型店では生鮮食品や調理済み惣菜まで一度に購入できるようになっている店もあります。
一部の店舗には「ボトルショップ」(酒類販売コーナー)を併設しており、ビールやワインなどを手軽に購入できる点も、地域の消費者にとって便利な特徴です。全体として「価格を抑えた買い物ができる場」としての役割を担っています。
ノーフリル哲学と競争環境
フランクリンズの初期のビジネス哲学は、余計なサービスや設備を省いて価格を徹底的に抑えるものでした。「余分なものなし、サービスなし、音楽なし、電子マネーなし」といった極端なコストカット志向を打ち出す点は、ドイツ発祥のディスカウント型スーパーマーケットであるアルディと似た側面があります。フランクリンズ自身も当時は「厳密にフリルなし」という姿勢を掲げていました。
しかしスーパーマーケット業界は価格競争とサービス競争が激しく、消費者のニーズも多様化したため、現在では必ずしも初期のような極端な省略方針だけに依存しているわけではありません。他のディスカウントチェーンや大型スーパーとの競争に対応するため、商品ラインやサービスを見直す店舗も増えています。
所有・フランチャイズ化と近年の動向
2000年代に入ってから、フランクリンズは資本構成や事業形態の変化を経験しました。一時期は南アフリカのスーパーマーケットチェーンであるPick n Payが関与し、グループ再編やフランチャイズ展開が行われました。2006年にはフランチャイズ形式の「フランクリンズ・ファミリー・スーパーマーケット」といった取り組みも行われ、独立した店舗運営とブランド維持を両立させる試みが進められました。
その後、国内外の競合や小売業界の構造変化を受けて、多くの直営店が閉鎖・譲渡される一方で、地域密着の小規模フランチャイズ店として残るケースも見られます。現在でも一部地域では根強い支持を受ける一方、全国規模での存在感はかつてほどではありません。
まとめ(特徴と消費者への価値)
- 創業以来、価格重視のノーフリル戦略で知られるディスカウント系スーパー。
- 自社ブランド(No Frills)を早期に拡充し、幅広い日用品や食品で独自性を確立。
- 店舗によって取扱商品やサービスが異なり、ボトルショップ併設など地域ニーズに応じた展開。
- 2000年代以降は所有構造やフランチャイズ化が進み、業界競争の中で再編を経験。
フランクリンズは、低価格を求める消費者にとって魅力的な選択肢であり続ける一方で、小売業の競争激化や消費者ニーズの変化に対応するため、各店舗で異なる戦略を採っています。
質問と回答
Q:フランクリンとは何ですか?
A:フランクリンズは、オーストラリアのニューサウスウェールズ州にある安売りスーパーマーケットです。1941年にフランク・リンドストロームによって設立され、その後、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州、南オーストラリア州の大部分をカバーするまでに成長しました。
Q: フランクリンズはどんな商品を扱っていますか?
A: フランクリンズは、No Frillsブランド、自社ブランドのパンや肉、日用品など、幅広い商品を取り扱っています。また、店舗によっては、ビールやワインを購入できる「ボトルショップ」を併設しています。
Q:創業当時はどのような経営理念だったのですか?
A:創業当時のフランクリンズの経営理念は、「Strictly No Frills」(余分なものは置かない、サービスもしない、音楽もかけない、電子マネーも使わない、ただ品物を極めて安く提供する)でした。
Q:現在のフランクリンズは誰のものですか?
A:現在、フランクリンズは南アフリカのスーパーマーケット「ピックンペイ」社の所有となっています。2006年にフランクリンズ・ピックアンドペイ両社のフランチャイズ店を独立してオープンしました。
Q:現在の商品数は?
A:現在、パンから窓拭きまで、800種類の商品を扱っています。
Q:「フランクリンズ」という名前の由来は?
A:「フランクリンズ」という社名は、創業者のフランク・リンドストロームが1941年にオーストラリアのシドニーで創業したことに由来しています。