両脚類(アンフィポーダ)とは?特徴・分類・生態の基礎知識

両脚類(アンフィポーダ)の特徴・分類・生態を図解で解説:7,000種の多様性、サイズや生息域(洞窟〜深海)まで基礎が一目で分かる入門ガイド。

著者: Leandro Alegsa

両脚類は甲殻類の一種である。甲羅を持たない小型の側扁(左右に平ら)な甲殻類で、頭部・胸部・腹部に分かれ、胸部の付属肢を使って歩行や摂食を行う。海洋・淡水・陸上いずれにも適応した種類があり、形態や生活史は多様である。

形態的特徴

  • 体は側扁し、頭部に触角や口器、胸部に歩脚(pereiopod)や顎脚(gnathopod)と呼ばれる係わりの大きい付属肢を持つ。
  • 多くの種類で第1・第2胸脚(顎脚)が摂食や把握に特化している一方、腹部の付属肢(pleopod)は遊泳や呼吸に関与する。
  • 抱卵嚢(マースティウム)を持つ雌は卵やふ化仔を体外の袋内で保護するため、直接発生に近い発育をする種が多い。
  • 甲羅(カルパス)を持たないため、外骨格は頭部後方に広がる盾状の構造を欠き、他の甲殻類とは外見で区別できる場合が多い。

分類と種数

両脚類の記載種数は地域や分類学の扱いで差があるが、数千種にのぼるとされる。従来、多くの種が「ガンマー亜目(Gammaridea)」などの一群にまとめられてきたが、分子系統解析などにより亜目や下位分類の再編が進められている。古い文献では「7,000種のうち、5,500種がガンマー亜目という一つの亜目に分類される。残りは他の2〜3亜目に分類される。」といった記述が見られるが、最新の分類学的見解では群の再定義が進行中である。

生態・分布

大きさは種により大きく、個体の体長はおおむね数ミリメートルから数センチ、種によっては数十センチに達するものもある。生息域は幅広く、浅海の泥底や藻場、深海底、淡水域、さらには潮間帯や陸上の湿地や落ち葉層に適応した陸生種まで存在する。

食性は多様だが、多くはデトリタス(死がいや有機物の破片)や微生物を摂食する、すなわち腐食性的な摂食様式をとるものが多い。また、個体群によっては他個体や他生物の表面の藻類や付着有機物を除去するいわゆる清掃動物的な役割を果たす種もある。約750種が洞窟に適応した洞窟性種として知られ、光の届かない環境への特化進化が見られる。

さらに、海岸の砂浜や塩性湿地に生息するような陸棲(陸上性に適応した)種も存在する。例えば、いわゆるハマトビムシ類(例:Talitrus saltator)は砂浜や海岸の漂着物を利用して生活する両脚類の一例である。

深海域でも多様で、最深部(数千メートル级)からも採集記録があり、有機物の落下(海洋の「ゆき」)を資源とする大型種も報告されている。

生態系での役割と人との関わり

  • 両脚類は分解者・中間栄養段階として重要で、多くの魚類や鳥類の餌となる。
  • 水質や底生環境の変化に敏感な種がいるため、生態系の指標生物(バイオインディケーター)として利用されることがある。
  • 一部の種は水族館や釣餌、試験材料としても用いられる。

その他の注記

分類や種数、系統関係は分子解析などの進展により頻繁に見直されているため、古い文献と最新の研究で扱いが異なることがある。両脚類は形態・生態のバリエーションが大きく、研究対象としても興味深いグループである。

生殖とライフサイクル

成熟した雌は、卵が受精するまでの間、卵を入れる袋(育児嚢)を持つ。メスは年齢を重ねるごとに、より多くの卵を産むようになる。卵の死亡率は約25%〜50%である。幼生期はなく、卵はそのまま幼生になり、通常6回の脱皮を経て性成熟に達する。



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