ジンとは?歴史・製法・アルコール度数・種類と代表カクテル解説
ジンの歴史や製法、アルコール度数、代表的な種類と定番カクテル(ジントニック・マティーニ)まで、初心者にもわかりやすく解説。
ジンは、アルコール度数の高い蒸留酒の一種で、一般的には35〜50%程度のアルコール度数(ABV)を持つ。起源は17世紀のオランダで生まれた「ジェネヴァ(genever)」にあり、のちにイギリスで爆発的に普及した。安価に大量生産できたため18世紀のイギリスでは「ジン狂(Gin Craze)」と呼ばれる社会問題を引き起こし、のちに規制が強化された歴史がある。
ジンの香りと特徴
ジンは主にジュニパーベリー(ねずの実)で香り付けされるのが特徴で、その他のボタニカル(香草・香料)を組み合わせることで多様な風味が生み出される。今日多く流通しているのは「ドライ・ジン(特にロンドン・ドライ)」で、甘さが少なくスッキリとした味わいが特徴だ。ジンはカクテルにもよく使われ、代表的なものにジントニック(ジン+トニックウォーター)やマティーニ(ジン+ベルモットを混ぜ、通常はオリーブを加える)などがある。
製法(蒸留と香味付け)
- ベーススピリッツ:原料は主に穀物(大麦・小麦・トウモロコシ・ライ麦)などで発酵させたスピリッツを使用。ジェネヴァはモルトワイン(麦芽由来のワイン)をベースにする点で異なる。
- ボタニカルの処理:ボタニカルは原酒に浸漬(マセレーション)してから再蒸留する方法、蒸留器上部のバスケットを通して蒸気で香りを移す「蒸気注入(vapor infusion)」方式などがある。
- 蒸留器:伝統的なポットスチル(単式蒸留)や連続式(カラム)蒸留が用いられる。蒸留方法や添加タイミングで風味が大きく変わる。
- 後処理:ロンドン・ドライは再度の蒸留で香りを付け、製造段階で甘味をほとんど加えない。コンパウンド・ジンは香味を後で混ぜる手法で、蒸留を行わない場合もある。
主要なボタニカル(例)
- ジュニパーベリー(必須)
- コリアンダーシード
- アンジェリカルート(ドライハーブの根)
- オリスルート(イリスの根)
- シトラス(レモン・オレンジの皮)
- カルダモン、シナモン、リコリスなど(蒸留所ごとに多様)
種類(スタイル)
- ロンドン・ドライ・ジン:最も広く流通するスタイル。ジュニパー主体でドライ、甘味はほとんどない。
- ジェネヴァ(Genever):オランダ発祥の原型。モルトワインをベースにした重めの風味で、歴史的にはジンの祖先にあたる。
- ピルムス(Plymouth):イングランドの特定地域(プリマス)由来の伝統的スタイルで、柔らかく土っぽい風味が特徴(地理的表示を持つ)。
- オールド・トム:やや甘めの復刻スタイルで、伝統的カクテルに使われることが多い。
- ニュー・ウェスタン/コンテンポラリー:ジュニパー以外のボタニカルを前面に出したモダンなジン。フローラルやスパイス系など多彩。
アルコール度数と法的定義
ジンのアルコール度数は製品ごとに差があるが、一般的には35〜50%の範囲にある。法的な最小基準は地域によって異なり、EU(および多くの欧州諸国)では標準的な「ジン」の表示には最低37.5%ABVが必要とされる。一方、アメリカでは「distilled gin(蒸留ジン)」の表示には通常40%(80プルーフ)が多く用いられている。
代表的なカクテル(いくつか)
- ジントニック:ジン+トニックウォーター。ライムやレモンを絞って爽やかに。
- マティーニ:ジン+ベルモット(ベルモットを)で作り、通常はオリーブを飾る。ドライかウェットかで比率が変わる。
- ネグローニ:ジン、カンパリ、スイートベルモットを等量で混ぜたビターなカクテル。
- トムコリンズ:ジン、レモンジュース、砂糖、ソーダで作る爽やかなロングカクテル。
- ギムレット:ジンとライムジュース(またはライムシロップ)を合わせたシンプルなショートカクテル。
- ジンフィズ/ブランブル:ジンをベースにした派生カクテルも多数。
楽しみ方と保存
- オン・ザ・ロック、ソーダ割り、カクテルなど用途は多彩。ジンのスタイルに合わせて飲み方を変えると風味を活かせる。
- 保存は高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で。開封後も蒸留酒なので品質は比較的保ちやすいが、長期保管で香りは徐々に飛ぶ。
まとめ
ジンはジュニパーを核とした多様なボタニカルで香り付けされた蒸留酒で、歴史的背景・製法・スタイルの幅が広いのが魅力。クラシックなカクテルから現代的なニュージンまで、用途や楽しみ方も豊富で、世界中で愛され続けているお酒である。

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質問と回答
Q:ジンとは何ですか?
A:ジンはアルコール度数の高いお酒の一種で、通常アルコール度数は35~50度です。
Q:ジンはどこで発明されましたか?
A:ジンは17世紀にオランダで発明されました。
Q:なぜイギリスでジンが問題になったのですか?
A:イギリスでジンが問題になったのは、ジンが安価で製造でき、アルコールを多く含んでいたため、多くの人が飲酒自殺をしたためです。
Q:ジンは何で味付けされていますか?
A:ジンはジュニパーベリーで味付けされています。
Q:ジンは甘いお酒ですか?
A:いいえ、ジンは通常ドライ・リカーで、あまり甘くありません。
Q:一般的なジンのカクテルを2つ教えてください。
A: ジン・トニック(ジンをトニックウォーターで割ったもの)とマティーニ(ジンをベルモットで割ったもので、通常はオリーブを加える)です。
Q:ジンは今でも人気がありますか?
A: はい、ジンは今日でも最も人気のあるお酒のひとつです。
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