顆粒球とは?定義・種類(好中球・好酸球・好塩基球)と免疫での働き

顆粒球の定義と好中球・好酸球・好塩基球の違い、骨髄由来の役割や免疫での働きを図解でわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

顆粒球は、細胞質内に顆粒を持つ白血球の一種である。核の形が3つに分かれていることから、多形核白血球とも呼ばれる。多形核白血球という言葉は、顆粒球の中で最も多く存在する好中球だけを指すことが多い。

顆粒球は、骨髄から放出される。貪食作用などで活動する。

顆粒球の概要と種類

顆粒球は血液中の白血球の一群で、形態的に細胞質に顆粒をもち、核が分葉(多葉)しているのが特徴です。主に以下の3種類に分類されます。

  • 好中球(neutrophil):最も多く存在する顆粒球。好中性の染色性を示し、多葉核を持つ。細菌感染に対する一次防御を担う。
  • 好酸球(eosinophil):酸性染料(エオシン)で顆粒が染まる。寄生虫感染やアレルギー反応(喘息など)に関与する。
  • 好塩基球(basophil):塩基性染料で顆粒が染まる。ヒスタミンやヘパリンを含み、アレルギー反応や炎症の制御に関係する。

産生と成熟(骨髄での顆粒球形成)

顆粒球は骨髄の造血幹細胞から分化して作られます。一般的な成熟過程は次のようになります:造血幹細胞 → 前駆細胞(顆粒球系) → myeloblast → 前顆粒球(promyelocyte) → 顆粒球芽球(myelocyte) → 後顆粒球(metamyelocyte) → 桿状核(band) → 分葉核の成熟顆粒球。サイトカイン(例:G-CSF)が顆粒球産生と放出を調節します。

各顆粒球の特徴と働き

  • 好中球
    • 主な機能:細菌・真菌に対する貪食(phagocytosis)、殺菌。オプソニン化(抗体や補体により標的が認識されやすくなる)された微生物を取り込み、ライソソーム酵素や活性酸素種(呼吸バースト)で殺滅する。
    • 特殊な機構:NETs(neutrophil extracellular traps)と呼ばれるDNAと抗菌タンパク質からなる網を放出して微生物を捕捉することがある。
    • 酵素:ミエロペルオキシダーゼ(MPO)を多く含む。
    • 寿命:血中で数時間〜1日、組織では数日。
  • 好酸球
    • 主な機能:寄生虫(特に大型寄生虫)に対する防御、IgE依存性の抗体反応に関与。アレルギーや喘息で増加することが多い。
    • 顆粒内容物:主要塩基タンパク質(major basic protein)、好酸球カチオン性タンパク質、好酸球由来神経毒素、好酸球過酸化物質など。
    • 作用:寄生虫の外膜を傷害したり、炎症性サイトカインを放出して免疫応答を増強する。
    • 寿命:血中で数時間〜数日、組織ではより長く存在する場合がある。
  • 好塩基球
    • 主な機能:アレルギー反応(特にIgE媒介)で活性化され、ヒスタミン・ヘパリン・好塩基性顆粒タンパク質を放出して血管透過性や炎症反応を促進する。
    • 類似細胞:組織に存在する肥満細胞(mast cell)は好塩基球と似た機能を持つが、起源や局在が異なる。
    • 数は少ない:末梢血中の割合は非常に少数(通常1%未満)である。

顆粒球の免疫での役割(機序)

  • 移動と化学走性(chemotaxis):感染部位や炎症部位にサイトカインやケモカインに応答して移動する。
  • オプソニン化と貪食:抗体のFc受容体や補体受容体を介して標的を認識・取り込み、リソソーム酵素で分解する。
  • 呼吸バースト(respiratory burst):NADPHオキシダーゼにより活性酸素種を生成して殺菌する。
  • 脱顆粒(degranulation):顆粒内容物(酵素や毒性タンパク質)を放出し、病原体や組織に作用する。
  • NETsの放出:特に好中球が細胞外に網をつくり微生物を束ね、局所的に抗菌作用を発揮する。

臨床的意義と検査

  • 血液検査(白血球分画)では、各顆粒球の比率や絶対数が評価されます。特に好中球の絶対数(ANC: absolute neutrophil count)は感染リスクの判断に使われます(ANC = 白血球数 × 好中球の割合などから算出)。
  • 好中球が増加(好中球増多、好中球性白血球増多)は細菌感染、炎症、ストレス、薬剤反応、白血病や骨髄刺激(G-CSF投与)などで見られます。
  • 好中球が低下(好中球減少、好中球性白血球減少)は重篤な感染リスクを高め、化学療法、先天性疾患、薬剤副作用、骨髄不全などが原因となることがあります。
  • 好酸球増多はアレルギー、寄生虫感染、特定の自己免疫疾患や腫瘍で見られます。好塩基球増多はアレルギー、慢性骨髄性白血病(CML)などでみられることがあります。

代表的な関連疾患

  • 好中球減少(好中球減少症、neutropenia):化学療法後や薬剤性、重症感染時に問題となる。
  • 好中球増多(neutrophilia):細菌感染や炎症、白血病類似像(白血球増多症)など。
  • 好酸球増多(eosinophilia):寄生虫感染、アレルギー性疾患、好酸球性肺炎や好酸球性食道炎など。
  • 好塩基球増多(basophilia):稀だが慢性骨髄性白血病やアレルギーで認められることがある。

まとめ

顆粒球は好中球・好酸球・好塩基球の3種類に分かれ、いずれも感染防御やアレルギー、炎症応答に重要な役割を果たします。形態的には細胞質顆粒と分節化した核を特徴とし、骨髄で産生され血中へ放出されます。血液検査での顆粒球の割合や絶対数は、感染やアレルギー、造血系疾患の診断や経過観察に有用です。

分裂した核を持つ好中球(中央、周囲は赤血球)、細胞質内には顆粒が見える(ギムザ染色による高倍率表示)Zoom
分裂した核を持つ好中球(中央、周囲は赤血球)、細胞質内には顆粒が見える(ギムザ染色による高倍率表示)

好酸性顆粒球Zoom
好酸性顆粒球

赤血球に囲まれた葉状核を持つ好塩基球。Zoom
赤血球に囲まれた葉状核を持つ好塩基球。

顆粒球の種類

顆粒球は3種類あり、ライト染色での見え方で区別される。

例えば、最も多く存在する顆粒球は好中球顆粒球で、細胞質顆粒が中性に染色される。

顆粒球以外の白血球は、主にリンパ球と単球である。

関連ページ

  • 無顆粒球症(血液中の白血球が少ないこと)

質問と回答

Q:顆粒球とは何ですか?


A: 細胞質に顆粒を持つ白血球の一種です。

Q: なぜ顆粒球は多形核白血球と呼ばれることがあるのですか?


A:顆粒球は核の形が3つに分かれていることから、多形核白血球と呼ばれることがあります。

Q: どのタイプの顆粒球が最も多いですか?


A: 好中球が最も多い顆粒球です。

Q: 顆粒球はどこから放出されますか?


A:顆粒球は骨髄から放出されます。

Q:顆粒球はどのように活動するのですか?


A: 顆粒球は、貪食やその他の様々な手段によって活動します。

Q:顆粒球の機能は何ですか?


A:顆粒球の働きは、感染症や免疫反応と闘うことです。

Q:顆粒球の特徴は何ですか?


A: 顆粒球は白血球の一種であり、細胞質に顆粒を持ち、核の形は多分割です。


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