概要
グラビティーノは、超対称性が一般相対性理論と結びついたときに現れると考えられている仮説上の素粒子である(超重力)。重力子の提唱上の超対称パートナーで、フェルミオン的な性質をもち、スピンは3/2である。これまでに実験的検出はなく、その性質は超対称性の破れの機構や基礎理論の詳細に強く依存する。
主な特徴
スピン3/2の場として、グラビティーノは重力的な性質とフェルミオン的な性質の両方を担う。多くの最小模型ではマヨラナ粒子として扱われるが、より特殊な構成では異なる量子数を与えうる。場はヘリシティ成分に分解でき、ヘリシティ±3/2のモードは重力の超対称パートナーのように振る舞う。一方、ヘリシティ±1/2の成分はゴールドスティーノ、すなわち超対称性の破れに伴うはずだったヌタンブ・ゴールドストンフェルミオンに関係し、超ヒッグス機構によってグラビティーノの一部となる。
素粒子物理学における役割
Rパリティが保存される超対称模型では、グラビティーノが最軽超対称粒子(LSP)となり、ダークマター候補になりうる。もしより重ければ、軽い超対称パートナーと標準模型粒子へ崩壊する準安定状態として振る舞うことがある。グラビティーノに関連する加速器でのシグナルには、大きな不検出エネルギーが伴うことが多く、さらに次に軽い超対称粒子(NLSP)によっては、崩壊点のずれた崩壊や長寿命の荷電トラックが現れる。
宇宙論への影響
グラビティーノは宇宙論に大きな影響を及ぼす。初期宇宙での熱的・非熱的生成が、その存在量を決めることがある。グラビティーノの遅い崩壊は、ビッグバン元素合成の結果を変えたり、宇宙プラズマへエネルギーを注入したりしうるため、軽元素存在量や宇宙背景放射の観測は、模型に依存した強い制限を与える。あるシナリオでは、非常に軽いグラビティーノが温かいダークマターのように振る舞い、重く安定なグラビティーノは冷たいダークマターとなりうる。
現象論と制約
- 生成機構には、熱浴中での散乱や、インフレーション後により重い粒子が崩壊する過程が含まれる。
- 宇宙論データは、過剰生成や有害な遅い崩壊を避けるために、再加熱温度や超対称性破れのスケールを制限する。
- 相互作用がプランクスケールで抑制されるため、直接検出は事実上不可能であり、間接的な手がかりは加速器事象や天体物理観測から得られる。
歴史と意義
グラビティーノは、1970年代の超重力の発展の中で、重力子に対応するフェルミオンとして現れた。その理論的役割は、素粒子物理学、重力、初期宇宙の宇宙論を結びつける。考えられる性質を調べることは、超対称性破れ、ダークマター、インフレーション後の再加熱に関する実現可能な模型を形作る助けになる。もし確認されれば極めて大きな意味を持つが、現在の実験・観測上の制限もまた模型構築の指針となっている。