湿度計は、空気中の湿度を測定するために使用される気象観測機器です。一般には空気中の水分の量に応じて変化する物質や物理現象(吸湿による寸法変化、電気特性の変化、結露の発生など)を利用して湿度を検出します。表示される値には「相対湿度(%)」「絶対湿度(g/m3)」「比湿(g/kg)」「露点温度」などがあり、用途に応じて使い分けられます。
仕組み(乾湿球式=サイクロメーター/サイコメーター)の基本
乾湿球式湿度計(サイコメーター)は、2つの電球(温度計)の温度差を利用して相対湿度を求めるもっとも基本的な方法の一つです。どちらの電球も温度計のようなものですが、片方(湿球)は濡れた布で覆われ、もう片方(乾球)はそのままの状態にしておきます。一定時間が経つと、湿球の水が蒸発し、そのときの湿球温度と乾球温度を読み取ります。
- 蒸発が多ければ湿球はより冷やされ、乾球と湿球の温度差(湿球低下)は大きくなります。これは空気が乾燥していることを示し、相対湿度は低くなります。
- 蒸発が少なければ温度差は小さく、空気は湿っている(相対湿度が高い)ことを示します。
相対湿度の求め方(概念と実務)
相対湿度(RH)は、空気中に実際に含まれる水蒸気の圧(または混合比)が、その温度で保持可能な飽和水蒸気圧に対して何%にあたるかを表す比率です。式で表すと次のようになります(%で表す場合):
RH = 実際の水蒸気圧 ÷ 飽和水蒸気圧 × 100
乾湿球式では、湿球温度と乾球温度の差(湿球低下)を用いて実際の水蒸気圧を推定し、飽和水蒸気圧は乾球温度から求めます。実際の計算にはサイコメトリック表(乾湿球表)、サイコメトリックチャート、または計算機・専用のソフトウェアを使うのが一般的です。簡易的には市販の表やオンライン電卓を利用すると正確に求められます。
実例と注意点
例:乾球30°C、湿球20°Cの場合、相対湿度はおよそ40%前後になります(計算条件や周囲圧力、測定方法によって値は変動します)。あくまで目安として理解してください。正確な値を得るにはサイコメトリック表や計算式を使い、気圧も考慮します。
測定時の実務的なポイント
- 湿球の布(ウィック)は充分に湿らせてから測定し、蒸発が安定するまで適切な時間(数十秒〜数分)待つ。風速が低いと蒸発が遅くなるため、換気や扇風の使用が必要なケースもあります。
- 直射日光や放射熱の影響を避ける(シェルターや通風箱を用いる)。
- 測定機器は定期的に点検・校正する。経年でウィックやセンサが劣化すると誤差が生じる。
- 気圧の影響:高低差が大きい場所では気圧を考慮した補正が必要になる場合がある。
その他の湿度計の種類(簡単な紹介)
- 毛髪式(機械式):天然毛髪の伸縮を利用。歴史的に使われる簡便な方式。
- 抵抗式・容量式(電子式):センサの電気特性の変化を読み取り、屋内外の環境制御に広く用いられる。
- 露点式(チルドミラー):鏡面で結露が生じる温度(露点)を直接測定する高精度方式。
- サイコメーター(乾湿球式):上で説明したように簡便で信頼性のある方法(屋外気象観測などでよく利用)。
まとめ(要点)
- 湿度計は空気中の水分量を測る機器で、結果は相対湿度などで表される。
- 乾湿球式は濡れた電球と乾いた電球の温度差を利用して相対湿度を求める代表的な方法で、温度差が小さいほど相対湿度が高い。
- 正確な相対湿度を得るにはサイコメトリック表やチャート、計算式、またはデジタル湿度センサを利用し、測定環境(風、放射、気圧)や機器の状態に注意することが重要。

