ジャッキー・グリーソン(1916–1987)—『ハネムーナーズ』ラルフ役で知られる米コメディアン・俳優

ジャッキー・グリーソン(1916–1987)の生涯と業績を総覧:『ハネムーナーズ』ラルフ役や映画出演、舞台裏と人間味あふれる軌跡を紹介。

著者: Leandro Alegsa

ジャッキー・グリーソンJohn Herbert Gleason、1916年2月26日 - 1987年6月24日)は、アメリカのコメディアン、俳優、ミュージシャンである。特徴的な大柄な体躯、豊かな表情、そして誇張したボディコメディで知られ、ラジオ、舞台、テレビ、映画、レコードと幅広い分野で活躍した。代表作にはハネムーナーズ」のラルフ・クラムデン役や、映画でのミネソタ・ファッツ(「ハスラー」、1961年)やブフォード・T・ジャスティス(「スモーキー&ザ・バンディット」シリーズ)などがある。グリーソンの芸能活動は、1986年の引退まで約41年に及んだ。

経歴・活動

ブルックリン出身のグリーソンは、若い頃から舞台やラジオで経験を積み、やがてテレビのバラエティ番組で頭角を現した。1950年代に放送された自身の番組「The Jackie Gleason Show」の中で発表された短編コメディが評判を呼び、その一編が発展して生まれたのが、後に伝説的シリーズとなるハネムーナーズ」の「クラメデン夫妻」コントである。

番組では、グリーソン扮するバス運転手のラルフ・クラムデン(Ralph Kramden)が妻のアリス(Alice。演:オードリー・メドウズ)と日常の騒動を繰り広げ、隣人エド・ノートン(演:アート・カーニー)とのやり取りも人気を博した。ラルフの決まり文句や大げさなリアクションはアメリカ大衆文化に定着し、今日でも引用されることが多い。

映画では、1950年代後半から1970年代にかけて多様な役柄を演じた。特に1961年の「ハスラー」でのプールの名手「ミネソタ・ファッツ」役では、コメディアンでありながらシリアスなドラマに溶け込む演技力が評価された。また1970年代には、カントリー色の強いコメディ映画「スモーキー&ザ・バンディット」(1977年)で保安官ブフォード・T・ジャスティスを演じ、シリーズを通じてコミカルな“追跡者”役を務めた。

並行して音楽活動にも力を入れ、オーケストラを率いてムード音楽(ラウンジ音楽、イージーリスニング)の名盤を数多くリリースした。特に「Music for Lovers Only」などのアルバムは大ヒットし、その抒情的なアレンジは“グリーソン・サウンド”として広く受け入れられた。

私生活

グリーソンは1916年2月26日、ニューヨークのブルックリンで生まれた。私生活では3度結婚している。1度目は1936年にジュヌビエーブ・ハルフォードと結婚し、1970年に離婚した。2度目は1970年にビバリー・マキットリックと結婚し、1975年に離婚した。1975年に3度目の結婚をし、亡くなるまでその結婚生活が続いた。

晩年と死去・遺産

長年にわたる公演活動と多忙な製作の末、グリーソンは1986年に公的な活動から引退した。1987年6月24日、フロリダ州ローダーヒルの自宅において、大腸がんのため71歳で死去した。死後も作品の再放送や音盤の評価は続き、ラルフ・クラムデンをはじめとするキャラクターやフレーズはアメリカのコメディ史に残る遺産となっている。

グリーソンはコメディアン、俳優、バンドリーダーとしての三面で成功を収め、テレビ・映画・音楽の各分野に影響を与えた。温かみと大げさな演技を併せ持つ独特のスタイルは、後進のコメディアンや俳優にも多大な影響を与え続けている。

1961年のグリーソンZoom
1961年のグリーソン



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