Appeal to Reasonは、アメリカのパンクロックバンド、Rise Againstの5枚目のスタジオアルバムです。前作『The Sufferer & the Witness』を引っ提げてツアーを行ったRise Againstは、2008年1月にコロラド州フォートコリンズのBlasting Roomスタジオでレコーディングを開始しました。レコーディングおよび制作は6月に終了し、2008年10月7日に北米でリリースされました。このアルバムは、現在のギタリストであるザック・ブレアを迎えての初リリースであり、バンドのサウンドに新たなギターワークとアレンジの方向性をもたらしました。

Appeal to Reasonは、発表当時バンド史上最高の商業的成功を収め、ビルボード200チャートで3位を獲得、発売1週目で64,700枚を売り上げました。全体として批評家からの評価は概ね良好で、特に楽曲のメロディ性やプロダクションの洗練ぶりがしばしば称賛されました。一方で、これまでのよりアグレッシブなパンク寄りの作風を好んでいた一部のファンや批評家からは「より商業的・ラジオ向けになった」といった指摘もあり、賛否が分かれた作品でもあります。

アルバムからは計3枚のシングルがリリースされました。先行シングルの「Re-Education (Through Labor)」は強いメッセージ性を持つナンバーで、続いて「Audience of One」、そして代表曲となった「Savior」がシングルとして発表されました。特に「Savior」はライブでの定番曲となり、バンドの代表曲の一つとして長く愛されてきました。

音楽的には、従来のハードコア/パンクルーツを基盤にしつつ、よりメロディックでダイナミックなギターアレンジ、豊かなコーラスやキャッチーなリフを取り入れた作品です。歌詞面では社会問題や政治的テーマ、個人の葛藤や希望といったトピックが扱われており、Rise Againstらしいメッセージ性が保たれています。プロダクションはBlasting Roomらしいタイトで明瞭なサウンドで、バンドのエネルギーを保ちつつポップさも加わった作風です。

主なクレジット(抜粋):

  • ボーカル/リズムギター:Tim McIlrath
  • リードギター:Zach Blair(本作より加入)
  • ベース:Joe Principe
  • ドラム:Brandon Barnes
  • レコーディング:Blasting Room(フォートコリンズ)

評価と影響としては、発売当初の商業的成功に加え、その後のツアーやセットリストで本作の楽曲が中心的に扱われたことで、バンドの知名度拡大に大きく寄与しました。現在でもファンの間で人気の高い楽曲を複数収録しており、Rise Againstのキャリアにおける重要作とされています。