ジャベリン(やり投げ)とは — 定義・歴史・競技ルール・世界記録
ジャベリン(やり投げ)の定義・歴史・競技ルール・世界記録をわかりやすく解説。オリンピックの見どころや技術、記録推移まで網羅。
ジャベリンとは、投げることを目的とした軽い槍である。古くは狩猟や戦闘のための武器として使われたが、古代ギリシャ時代から競技としても発展し、現代でも陸上の投擲種目として行われている。競技で使われるジャベリン(やり)は主に金属と合成素材で作られ、長さや重さは規格で定められている。投法はほとんどの場合、片手で上腕と肩を使って投げる形式である。
歴史
やり投げは古代オリンピックにも見られる伝統的な競技で、軍事訓練や狩猟の技術が発展して競技化したものと考えられている。近代オリンピックでも継続して採用され、現在では男女ともに国際大会やオリンピックのトラック&フィールド種目として行われている。
競技の概要とルール
スポーツ競技としてのやり投げは、直線の走路(助走路)から決められた投てきライン上で助走を行い、決められた投てき区間内へジャベリンを投げて距離を競う。選手は片腕に槍を持ち、助走後に所定の投法で放す。やり投げは現在でもオリンピックの正式種目である。
- 投てき区間:通常は先端が地面に接地して止まること(先端着地)で有効とされる。着地点の最も近い跡から計測される。
- ファウル:助走中に規定線(スローライン)を越えたり、投てき区間外に落ちたり、着地時に先端以外が先に地面に着いた場合は無効となる。
- 計測:投てき点からジャベリンの最も近い着地点までを垂直に測定する。
- 器具規格:男子用は重さ800g、長さ2.6–2.7m、女子用は重さ600g、長さ2.2–2.3m(国際陸上競技連盟の規定に準拠)。
記録と特徴的な記録
やり投げは他の投擲種目に比べて助走でかなりの速度を出せるため、放たれたジャベリンの先端の速度は時速100km前後(約30m/s程度)に達することがあるとされる。歴史上の注目すべき記録として、旧仕様のジャベリン使用時にドイツのウーヴェ・ホーンが1984年に投げた104.80mは非常に有名で、これを受けて1986年にジャベリンの設計が変更された。現行仕様(1986年以降)での男子世界記録はヤン・ジェレズニー(Jan Železný)の98.48mであり、女子の現行世界記録はバルボラ・スポタコワ(Barbora Špotáková)の72.28mである。
技術とトレーニング
やり投げの技術は助走、踏み切り、身体の連動(トランスファー)およびリリース(放す角度とタイミング)から成る。典型的なポイントは次の通りである:
- 助走でスピードを構築し、最後の数歩(クロスステップ)で上体と脚の力を連動させる。
- 踏み切りで下半身を安定させ、体幹を素早く回転させて腕に力を伝える。
- リリース角は状況によるが、一般に30°前後が効率的とされることが多い(風向きや投てき力によって調整)。
- 専用の筋力トレーニング、コアトレーニング、肩関節の可動域確保が重要。
安全性と運営
やり投げは器具が飛ぶ距離と速度が大きいため、安全対策が重要である。競技場では投てき区域の周辺に立ち入り制限を設け、観客と選手の動線を厳格に管理する。大会運営側は投てきの方向、風向き、周囲の安全を常に確認し、必要に応じて競技を中断する。
以上がジャベリン(やり投げ)の定義、歴史、競技ルール、世界記録、技術、そして安全面の概観である。競技はスピードと技術、そして正確なタイミングが求められるフィールド種目である。

やり投げ
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質問と回答
Q: ジャベリンとは何ですか?
A: ジャベリンは投げるために設計された軽い槍です。
Q: ジャベリンは歴史上どのように使われてきましたか?
A:歴史的には武器として使われていましたが、古代ギリシャから今日に至るまでスポーツとして使われています。
Q: やり投げは常に手で投げるのですか?
A: はい、槍投げはほとんどの場合、手で投げられます。
Q: やり投げはオリンピックの正式種目ですか?
A: はい、やり投げはオリンピックの正式種目です。
Q:やり投げとはどのような競技ですか?
A:やり投げは、オリンピックの原型となったフィールド競技のひとつです。
Q:やり投げ競技では、選手はどのようにしてやり投げをするのですか?
A:選手はやり投げを片手に持ち、走りながらできるだけ遠くへ投げます。
Q:やり投げは他の投擲競技と何が違うのですか?
A:他の投擲競技と異なり、やり投げはかなりの距離でスピードをつけることができます。
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