ヨハン・パリサ(Johann Palisa、1848年12月6日‑1925年5月2日)は、オーストリア・シレジア(現チェコ)のトロッパウに生まれたオーストリアの天文学者である。若い頃から星の位置観測に傾倒し、生涯を通じて小惑星の探索と位置観測に情熱を注いだ。
彼は小惑星の発見が得意で、1874年の136オーストリアから1923年の1073ジェリヴァラまで、全部で122個の小惑星を発見した。長年にわたり主に目視による望遠鏡観測と綿密な星図の照合で新天体を同定し、写真乾板法が広まる以前・並行期に活躍した代表的な発見者の一人として知られている。
主な発見とその後の重要性
彼が見つけた小惑星の中には、後に詳細な観測や宇宙探査の対象になった天体もある。代表的なものには次が含まれる:
- 153 ヒルダ(153 Hilda) — Hilda群の代表天体の一つ。
- 216クレオパトラ — 大きさや形状の研究が行われた小惑星。
- 243アイダ — 1993年のガリレオ宇宙機観測で衛星ダクトイルが発見され、注目を集めた。
- 253マチルド — 1997年のNEARシャトル(NEAR Shoemaker)による接近観測で詳細が明らかになった。
- 324バンベルガ — 明るく比較的大きな小惑星の一つ。
- アモール小惑星719アルベルト — 地球近傍天体に分類される例。
これらの発見は、近代小惑星研究の基礎資料となり、後年の光学・レーダー観測や宇宙探査の対象選定にも寄与した。
顕彰と遺産
小惑星914パリサナと月のパリサクレーターは、彼にちなんで命名された。彼の発見は数と質の両面で注目され、19世紀末から20世紀初頭にかけての小惑星探索を代表する業績とされている。
パリサは視力と熟練した観測技術で多くの新天体を同定し、写真法が普及した時代との橋渡し役を果たした。彼の仕事は、後続の観測者や小惑星研究の発展に大きく貢献している。

