ケプラー62eとは?1200光年先のハビタブル帯にある海洋型スーパーアース
ケプラー62e:1200光年先のハビタブル帯にある海洋型スーパーアース。地球の1.6倍、温暖で液体の水が期待される注目の系外惑星。
ケプラー62eは、恒星ケプラー62のハビタブルゾーンを周回する超地球外惑星である。琴座の方向で1200光年以上離れている。2013年にケプラー宇宙観測所によって発見された。
大きさは地球の約160%、重さは約450%。これはスーパーアースと言えるでしょう。ケプラー62eはハビタブルゾーン(恒星の周囲で、惑星が液体の水を維持できる温度帯)にある。この惑星は海の世界である可能性があり、曇り空で温暖多湿である可能性がある。
概要と観測でわかっていること
以下は観測やモデルから得られた、ケプラー62eに関する主な情報(推定を含む)です。
- 発見方法と時期:2013年、ケプラー宇宙観測所によるトランジット法で発見されました。
- 距離:地球から約1200光年。
- サイズ:半径は地球の約1.6倍(1.6 R⊕ 程度)。
- 質量:直接測定は難しく、質量は確定していません。内部組成モデルからは数倍の地球質量(数 M⊕)と推定されることが多く、本文冒頭で示した「約450%(約4.5倍)」はあくまでモデルに基づく目安です。
- 公転周期:数百日より短い軌道で、恒星に対してハビタブルゾーン内に位置します(観測値は公転周期が数十〜百日台)。
- 恒星(ケプラー62):太陽より小さく温度の低いK型に分類されることが多く、光度も低めです。そのためハビタブルゾーンは太陽系より内側に位置します。
ハビタブル性(居住可能性)についての考察
ケプラー62eがハビタブルであるかどうかは複数の要因に依存します。重要なポイントを挙げます。
- 表面に液体の水が存在する可能性:恒星から受けるエネルギー量が地球に近いかやや大きいことから、適切な大気組成と圧力があれば表面に液体の水が存在し得ます。
- 惑星の内部構造:半径が1.6 R⊕前後は、「岩石惑星(地球型)」と「厚い大気や水を持つ準惑星(ミニネプチューン)」の境界に近い値です。もし高い水分率や水蒸気を多く持つなら、深い海や厚い大気に覆われた「海洋型スーパーアース」になっている可能性があります。一方、重力や大気圧が高いと表面環境は地球とかなり異なるでしょう。
- 大気の影響:表面温度は大気の温室効果や雲の反射によって大きく変わります。高い雲量で反射が強ければ冷却され、逆に温室効果が強ければ温暖化します。雲や大気の性質は観測だけでは現在確定できません。
- 潮汐ロックや磁場:恒星に近い軌道のため潮汐による自転同期(常に同じ面を恒星に向ける状態)になる可能性があります。潮汐ロックだと昼夜差が大きくなるが、大気循環で緩和される場合もあります。また惑星磁場の有無は高エネルギー粒子からの保護に重要です。
形成と組成の想像図
理論モデルでは、ケプラー62eのような半径の惑星は以下のような複数のシナリオが考えられます。
- 主に岩石と金属からなるスーパーアースで、比較的薄い大気を持つ場合(地球に近いが重い)。
- 多量の水(氷や高圧水層)を含む海洋型で、深い海と高圧下の層を持つ場合。
- 水や揮発性物質、薄い水素・ヘリウムのガス層をまとった準惑星(ミニネプチューン)で、表面は高圧の雲や厚い大気に覆われている場合。
どのシナリオが実際に当てはまるかは、大気の質量・組成や内部の水分量などによって決まりますが、現在の観測だけでは確定できません。
観測の限界と今後の展望
- 観測の難しさ:ケプラー62eは地球から非常に遠いため、質量測定(視線速度法)や大気の直接的な分光観測は現状では極めて困難です。シグナルが非常に小さく検出限界を下回ります。
- 今後の望み:将来の大型望遠鏡や次世代の宇宙望遠鏡(高感度分光装置、極めて大型の地上望遠鏡など)ができれば、大気の存在や組成の手がかりを得られる可能性があります。ただし距離とサイズを考えるとかなり厳しい挑戦です。
- 科学的意義:ケプラー62eはハビタブル帯にあるスーパーアースの代表例として、惑星形成・大気進化・居住可能性の研究に重要な対象です。複数の候補があることで「地球以外の居住可能な世界」の多様性を理解する手がかりになります。
まとめ
ケプラー62eは、地球よりやや大きめのスーパーアースで、恒星ケプラー62のハビタブルゾーン内を回る有望な候補です。観測から分かるのは主にサイズと軌道特性までで、質量や大気、表面の有無については多くがモデル推定に頼っています。「海洋型スーパーアースである可能性がある」という見方は有力ですが、最終的な評価にはさらに高度な観測が必要です。

ケプラー62eの外観のイメージ
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