鍵盤楽器とは?ピアノ・オルガン・シンセ等の定義・仕組み・歴史を解説
鍵盤楽器の定義・仕組み・歴史を初心者向けにわかりやすく解説。ピアノ・オルガン・シンセの違いや音の出し方、進化を網羅。
鍵盤楽器とは、鍵盤(キー)を押して演奏する楽器の総称です。鍵盤は一般に「ナチュール」(通常は白鍵)と、その上半分に配置される「シャープ/フラット」(通常は黒鍵)から構成され、これらの組み合わせで音階や音程を操作します。鍵盤の配列や色分けは今日のピアノで一般的なものですが、歴史的には白鍵と黒鍵の色が逆だった例もあります。
- ピアノでは、ハンマーで弦を叩く。
- オルガンでは、空気がパイプを通して送られてきます。
- 電子オルガンやシンセサイザーでは、音は電子的に作られています。
- チェンバロでは、弦はクイルや「ジャッキ」で摘まれます。
- クラビコードでは、弦に金属の「接ぎ目」が当たっています。
鍵盤楽器の仕組み(物理的・電子的)
鍵盤楽器は音の発生方法によって大きく二つに分かれます。ひとつは「物理的に振動体を鳴らす」楽器(ピアノ、チェンバロ、クラビコード、パイプオルガンなど)、もうひとつは「電子的に音を生成/再生する」楽器(電子オルガン、シンセサイザー、デジタルピアノなど)です。
- 打弦式(ピアノ類):鍵盤を押すと機構(アクション)が働き、ハンマーが弦を打って振動させます。ハンマーの速度や強さを演奏者がコントロールできるため、音量や音色の強弱(ダイナミクス)が豊かです。
- 爪弾き式(チェンバロなど):鍵盤を押すとジャッキやクイルが弦をはじくため、鍵盤の強弱が音量に直接反映されにくく、装飾的な発音が特徴です。
- 接触式(クラビコード):金属片が弦に直接当たり、微細な音量コントロールやビブラート(ベヴング)が可能ですが音量は小さいです。
- 吹奏式(パイプオルガン):空気(風)をパイプに通して音を出します。ストップ操作で音色(各パイプの組合せ)を切替えられ、複数のマニュアル(鍵盤)とペダル鍵盤を併用します。
- 電子式(シンセサイザーなど):発振器(オシレーター)、フィルター、エンベロープなどの回路やサンプル音源で音を生成します。音色の合成やエフェクト、MIDIでの制御が可能です。
主要な種類と特徴
現代の鍵盤楽器には様々なタイプがあります。主なものを挙げると:
- コンサートピアノ(グランドピアノ):横置きの弦とアクションを持ち、豊かな音量と表現力を持つ。スタンダードは88鍵。
- アップライトピアノ:垂直に張られた弦と縦型アクションを持ち、住宅や小規模ホールに適する。
- フォルテピアノ(古楽器):18世紀のピアノの前身で、現在のピアノより軽いアクションと異なる音色を持ち、古典派音楽の解釈に用いられます。
- チェンバロ:バロック音楽で広く使われた爪弾き式。音色は乾いており、通奏低音の伴奏に適する。
- クラビコード:非常に繊細で小音量、個人練習や室内での演奏に使われた。
- パイプオルガン:教会やホールに設置される大型楽器。多数の音色(ストップ)とペダル鍵盤で壮大な音響を作る。
- 電子オルガン・シンセサイザー:電気的・電子的手法で音を作る。1960〜70年代以降、ロックや映画音楽、現代音楽で重要な役割を持つ。
- デジタルピアノ・電子キーボード:サンプリングや物理モデリングでアコースティックピアノ音を再現。ポータブルでヘッドホン演奏が可能、MIDI端子搭載が一般的。
- キーボード・MIDIコントローラー:音源を内蔵しない場合もあり、コンピュータ/音源モジュールを制御するための入力機器として使われます。
演奏表現と機能
鍵盤楽器での表現は、タッチ(打鍵の強さや速度)、ペダル(特にピアノのサステイン=ダンパーペダル、ソフト、ソステヌート)、ストップ操作(オルガン)などで得られます。電子鍵盤ではベロシティ(打鍵速度)、アフタータッチ、スプリット/レイヤー機能、エフェクトを使い多彩な表現が可能です。
歴史と発展
17世紀から18世紀にかけて、ドイツではクラヴィーアという言葉は、あらゆる種類の鍵盤楽器を意味する言葉として使われていました。多くの場合、ナチュールは黒、シャープスとフラットスは白(ハープシコードの写真参照)でしたが、レイアウトは全く同じでした。
鍵盤楽器の大きな転換点は、1700年前後にバルトロメオ・クリストフォリ(Bartolomeo Cristofori)が発明した「チェンバロから発展した打弦楽器(フォルテピアノ)」です。これが今日のピアノ(ピアノフォルテ)への発展の出発点となり、19世紀にかけて鉄骨フレームや改良されたアクション、長い弦長と大きな響板を備えた現代的なコンサートピアノに進化しました。
オルガンの歴史はさらに古く、古代ローマの水力オルガン(ハイドラウリス)に遡ります。中世・ルネサンス期に教会音楽の中心的存在となり、その後バロック期に大規模なパイプオルガンが発展しました。
20世紀の電子楽器の発展により、様々なタイプの電子鍵盤楽器が登場しました。これらには、オンデス・マルテノやシンセサイザーなどがあります。
20世紀後半には、アナログシンセ(モーグ、ブックラなど)からデジタルシンセ(FM方式のヤマハDX7など)、サンプリング技術の普及、さらにMIDI規格(1983年頃)による機器間通信の標準化が進み、鍵盤楽器は楽器そのものだけでなく制作・演奏環境の中心的デバイスになりました。
楽器の仕様・実用情報
- 鍵数:コンサートピアノは通常88鍵。電子キーボードは49、61、76鍵など様々。
- 調律:ピアノは定期的なチューニングが必要(標準ピッチはA=440Hzが一般的)。気温・湿度で音程が変わるため、設置環境に注意。
- アクションの種類:グランドアクション(グランドピアノ)、アップライトアクション、ハンマーアクション(電子ピアノの模倣)など。
- 電子機能:サンプリング音源、物理モデリング、エフェクト、MIDI/USB接続、ベロシティ/アフタータッチ、ポリフォニー数(同時発音数)など。
最近では、電子キーボードを意味するキーボード(例:「彼はキーボードを弾く」)のことを指すことが多いですね。複数形では「キーボード」となります。
ヤマハは今では最も売れているキーボードを作っていて、年間77万台以上売れています。
メンテナンスと選び方のポイント
アコースティックピアノは定期的な調律と整調(アクションの調整)、湿度管理が必要です。電子鍵盤はハードウェアの耐久性や鍵盤の感触(ウェイテッド/セミウェイテッド/ハンマーアクション)、内蔵音源の質、接続端子(MIDI/USB)、スピーカー性能を確認すると良いでしょう。用途(練習、舞台、録音、作曲)に合わせて鍵数や機能を選びます。
まとめ
鍵盤楽器は、鍵盤という共通のインターフェースを持ちながら、音の発生原理や表現方法は多岐にわたります。歴史的に発展してきたアコースティック機構は豊かな表現力を持ち、電子技術の導入は音色や機能の幅を劇的に広げました。用途や表現したい音楽に応じて楽器を選び、適切に管理することで長く使いこなすことができます。
2つのマニュアル(鍵盤)を備えたモダンなチェンバロです。バロックの楽器のコピーです。

音楽の鍵盤
質問と回答
Q:鍵盤楽器とは何ですか?
A:鍵盤楽器とは、キーボードのキーを押して演奏する楽器のことです。
Q:鍵盤の音はどのように配置されていますか?
A:鍵盤では通常、自然音(白い音)が鍵盤の本体となり、自然音の上半分にシャープとフラット(黒い音)が切れ目を入れて配置されています。
Q:鍵盤の種類によって、音の出方はどのように違うのですか?
A:鍵盤の種類によって、音の出方は様々です。例えば、ピアノはハンマーで弦を叩いて音を出し、オルガンはパイプに空気を送り込んで音を出します。電子オルガンやシンセサイザーは電子的に音を出しますし、チェンバロでは弦を羽ペンやジャックではじきます。クラヴィコードでは、弦は金属の「タンジェント」で叩かれます。
Q: 17〜18世紀のドイツで、クラヴィーアは何に使われていたのですか?
A: 17世紀から18世紀にかけて、ドイツではクラヴィーアはあらゆる種類の鍵盤楽器を意味する言葉として使われていました。
Q: この時代、鍵盤の自然鍵や鋭角・扁平鍵にはどんな色が使われていたのでしょうか?
A: この時代、自然鍵は一般的に黒で、シャープとフラットは白でした(チェンバロで見られるように)。
Q:電子楽器は、今日のキーボードとの付き合い方をどのように変えたのでしょうか?
A:電子楽器の発達により、オンデ・マルトノやシンセサイザーなど、さまざまなタイプの電子鍵盤楽器が生まれました。今では「キーボード」といえば、ピアノやオルガンのようなアコースティックなものよりも、電子的なものを指すことが多いようです。
Q:現在、最も成功しているキーボードはどこのメーカーですか?
A: ヤマハは現在最も成功しているキーボードを製造しており、年間77万台以上販売しています。
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