(日本語では「こし」、漢字音で「エツ」)は、日本列島における初期の地名・地域名である。日本海沿岸の北部本州一帯を指し、古代国家形成期には行政上の国名として、また文化地理的な地域名としても用いられた。名称は古典史料に見られ、のちにはその由来を受け継ぐ国名の中に残った。

地理と特徴

越として知られた地域は、狭い沿岸平野、重要な漁場、山地の内陸部が組み合わさった土地であった。日本海からの湿った空気の影響で、冬は雪が多いことで知られる。長い年月のあいだ、地域の経済は平野での農業、沿岸漁業、山の資源に支えられてきた。越という歴史的な呼び名は、地域の方言、宗教的伝承、そして日本海沿岸の交易路の形成にも影響を与えた。

歴史とその後

日本が律令制のもとで諸国を整備した時期(おおむね7~8世紀)に、広大な越の地域は再編され、分割された。漢字「越」は後継国の名称に受け継がれ、とくに越前(越前)、越中(越中)、越後(越後)に残っている。これらの国名は、新たに作られたものではなく、古い越の名称から派生したことを示している。

かつて越と呼ばれた土地の一部を含む現在の県には、次のものがある。

この古い名称は、日本の地域的なアイデンティティを研究する歴史学者、言語学者、文化研究者にとって今なお関心の対象である。また、日本の国郡制の変遷をたどる地名、姓、歴史研究にも現れる。

用語とその用法についての一般的な参照はを、日本列島全体の概説は本州を参照。さらに読むには、北陸地方や日本海沿岸に焦点を当てた地域史や考古学報告がある。