石灰とは?成分・生石灰・消石灰の違いと製造法・用途(建築・農業)

石灰の成分や生石灰・消石灰の違い、製造法を図解で解説。建築や農業での用途と安全対策まで実践的に紹介

著者: Leandro Alegsa

石灰とは、カルシウムの炭酸塩、酸化物、水酸化物が優勢な天然に存在する様々な鉱物やそれに由来する物質の総称です。石灰に含まれる代表成分は炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)などで、原料や処理の違いにより性質・用途が大きく異なります。

これらの材料は、建築・土木資材(石灰石製品、コンクリート、モルタルなど)、化学原料などとして多量に使用されています。原料となる岩石や鉱物は、主に石灰石や白亜を主成分とし、炭酸カルシウムを主成分としています。石灰石(CaCO3)を高温で加熱する「焼成(焼成)」により、強いアルカリ性を示す生石灰(酸化カルシウム)が得られ、これに水を加える(消化・加水反応)ことで弱〜強アルカリ性の消石灰(水酸化カルシウム)へと変換されます。焼成や消化の条件、原料中の不純物によって得られる石灰の性質(例:水和性、耐水性、強度など)は変わります。

一般的な文章では、この用語が農業の文脈で使用されるとき、それはおそらく農業石灰を指しています。それ以外の場合は、最も一般的に消石灰を意味し、より危険な形態のものは通常、より具体的には生石灰や焼石灰と表現されます。農業で「石灰」と言う場合は、粉砕した炭酸カルシウム(脱粉した石灰石=いわゆる農業石灰、CaCO3)を指すことが多く、消石灰(Ca(OH)2)や生石灰(CaO)とは用途や安全性が異なります。

生石灰(CaO)と消石灰(Ca(OH)2)の違い

  • 生石灰(焼石灰、酸化カルシウム):化学式CaO。石灰石(CaCO3)を約900–1100°Cで焼成して得られます。水と反応すると強い発熱を伴って消化し、消石灰(Ca(OH)2)になります。強い腐食性と乾燥作用があり、取り扱いには注意が必要です。
  • 消石灰(消化石灰、水酸化カルシウム):化学式Ca(OH)2。生石灰に水を加えて生成。水に若干溶け「石灰水(乳濁)」を作ることができ、pHを上げる用途や中和、殺菌、石灰乳として塗料やモルタル用に使われます。
  • 炭酸カルシウム(石灰石、白亜):CaCO3で、焼成する前の形態。土壌改良材(農業石灰)や骨材、充填材として用いられ、化学的には中性〜弱アルカリ性で即効性は消石灰より劣るが持続性があります。

製造法(概略)

  • 採掘・粉砕:石灰石を採掘し、用途に応じて粒度に粉砕・選別。
  • 焼成(カルシネーション):CaCO3 → CaO + CO2。石灰石を高温で焼成して生石灰を得る。温度・滞留時間で生産物の性質が変わる。
  • 消化(加水反応):CaO + H2O → Ca(OH)2。生石灰に水を供給して消化させ、消石灰(消化石灰)を作る。反応は発熱性で、大量に加水すると熱と飛散に注意が必要。
  • 調整・輸送:用途に応じて粒度調整、吸湿防止、ろ過・濃縮して石灰乳や粉体で出荷。

主な用途

  • 建築・土木:モルタル、漆喰、石灰コンクリート、舗装材の添加剤、セメント製造原料の調整材。
  • 農業:土壌酸度(pH)調整、カルシウム補給、団粒化促進。農業石灰(主にCaCO3)と消石灰は効果・安全性が異なるため用途に応じて選ぶ。
  • 水処理・廃水処理:pH調整、重金属の沈殿、リンの除去など。
  • 化学工業:中和剤、乾燥剤、製糖・パルプ製造(脱灰)、CO2除去やガス洗浄剤。
  • 環境対策:脱硫(石炭火力の排ガス脱硫)、土壌改良、汚泥安定化。
  • 衛生・殺菌:消石灰は消毒・殺菌用途(例:糞尿処理や消毒)にも使われるが、適切な希釈と安全対策が必要。

化学的性質と反応(重要ポイント)

  • 炭酸カルシウムの熱分解:CaCO3 → CaO + CO2(焼成)。
  • 消化反応:CaO + H2O → Ca(OH)2(発熱反応)。
  • 炭酸化(再石灰化):Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O。石灰は最終的に二酸化炭素と反応して再び炭酸カルシウムに戻る(いわゆる石灰循環)。
  • 溶解度:Ca(OH)2は水への溶解度が低く、飽和水溶液(石灰水)を作ることでpH調整や沈殿処理に使われる。

安全性と取り扱い上の注意

  • 生石灰(CaO)は強アルカリで腐食性が強いため、皮膚や目に付着すると火傷を起こすことがあります。作業時は保護手袋・保護眼鏡・防塵マスクを着用してください。
  • 生石灰に水を加えると強い発熱を伴い、飛散すると危険です。消化は管理された環境で行うこと。
  • 石灰粉塵は吸入すると気道に刺激を与えるため、防塵対策が必要です。消石灰(Ca(OH)2)も扱いには注意が必要です。
  • 環境中での大量放出はpHを上げて生態系に影響を与えるため、排出管理を行うこと。

種類(用途に応じた分け方)

  • 生石灰(焼成石灰):高温で焼いた酸化カルシウム。化学原料や工業炉の不活性化、乾燥剤など。
  • 消石灰(消化石灰、消化水酸化カルシウム):水と反応させたもの。石灰乳として建築や消毒に使用。
  • 水硬性石灰(ハイドラウリックライム):シリカやアルミナを含み水中や湿潤環境でも硬化する石灰。伝統的な石灰モルタルに使用。
  • 農業石灰(アグリカルチャーライム):主に粉砕した炭酸カルシウム(CaCO3)。土壌の中和・カルシウム供給に使われ、安全性が消石灰や生石灰より高い。

まとめると、「石灰」は原料・加工の違いにより多様な化学種を含む総称であり、用途や安全性はその形態(CaCO3、CaO、Ca(OH)2)によって大きく異なります。農業では一般に粉砕した炭酸カルシウム(農業石灰)が使われることが多い点、工業的には焼成・消化を経た生石灰・消石灰が幅広く利用されている点を押さえておくとよいでしょう。

質問と回答

Q: ライムとは何ですか?


A: 石灰は、カルシウムの炭酸塩、酸化物、水酸化物を主成分とする天然由来の様々な鉱物およびそれらから得られる物質の総称です。

Q: 石灰の用途は何ですか?


A:石灰は、主に石灰石製品、コンクリート、モルタルなどの建築・土木資材や、化学原料として使用されています。

Q:石灰の原料になる岩石や鉱物はどのようなものがありますか?


A:石灰の原料となる岩石や鉱物は、主に炭酸カルシウムからなる石灰石や白亜です。

Q:焼成とは何ですか?


A:石灰石やチョークなどの原料を窯で高温に加熱して生石灰(酸化カルシウム)にすることを焼成といいます。

Q:消石灰とは何ですか?


A:消石灰は、生石灰(酸化カルシウム)に水を加え、水酸化カルシウムを生成させたもので、石灰の中でも特に腐食性が低いものです。

Q: 生石灰と消石灰の違いは何ですか?


A:生石灰は苛性度の高い石灰で、消石灰は苛性度は低いものの、強アルカリ性の石灰で危険度は低いです。

Q:農業用石灰とは何ですか?


A:農業用石灰とは、農業の現場で土壌の酸性度を修正し、作物の収穫量を向上させるために使用される石灰の一種で、別名アグライムとも呼ばれます。


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