リネゾリドとは?MRSA対応のグラム陽性菌用抗生物質:用途・副作用・特徴

リネゾリドとは?MRSAや溶連菌に効くグラム陽性菌用抗生物質の用途・効果・副作用・注意点をわかりやすく解説します。

著者: Leandro Alegsa

リネゾリドは抗生物質です。これは他の抗生物質が治らないグラム陽性細菌によって引き起こされる重篤な感染症を治療できる薬剤で、溶連菌やMRSAのほか、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などに対しても有効な場合があります。主な適応は複雑な皮膚の感染症(皮膚・皮下組織感染症)や院内・市中肺炎(肺炎の治療)で、特に他の薬剤が使えない/効果がない場合に選択されます。

作用機序

リネゾリドは蛋白合成阻害薬の一種で、細菌のリボソーム(50Sサブユニット)に結合して翻訳開始複合体の形成を妨げ、蛋白質合成を阻害します。これにより増殖するグラム陽性菌の増殖を抑えます(主に静菌的作用だが、菌種や状況により殺菌的に働くこともあります)。

投与方法と用量の目安

成人では一般にリネゾリド600mgを12時間ごとに経口または静脈内投与します。経口製剤は生物学的利用能がほぼ100%であるため、必要に応じて静注から経口へ切り替え(IV→PO)できます。小児用量は年齢・体重に応じて異なり、専門家の指示に従います。肝疾患や腎疾患(腎機能が低下している)患者でも用量調整が不要とされることが多いですが、腎不全では代謝物が蓄積するため慎重な観察が必要です。

副作用と注意点

短期間の使用では比較的安全で、すべての年齢層で使用可能とされています。短期使用の一般的な有害作用には、頭痛、下痢、および吐き気があると報告されています。

長期投与(一般に2週間以上、特に4週間を超える場合)では下記の重篤な副作用に注意が必要です:

  • 骨髄抑制(特に血小板減少、貧血、好中球減少)— 週1回程度の血液検査(CBC)での監視が推奨されます。
  • 末梢神経障害・視神経障害(視力障害)— 長期使用で発症することがあり、進行性の場合は不可逆的になることがあるため、視力や末梢神経の症状が出たら中止を検討します。
  • 乳酸アシドーシス(まれ)— 倦怠感、筋痛、呼吸困難などの症状で疑います。

相互作用と警告

リネゾリドは可逆的なモノアミン酸化酵素(MAO)阻害作用を持つため、

  • 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やSNRI、三環系抗うつ薬、トリプタン、メペリジン(ペリジン)やトラマドールなどと併用するとセロトニン症候群のリスクが高まります。これらの薬剤との併用は原則避けるか、厳重な監視が必要です。
  • チラミンを多く含む食品(熟成チーズ、発酵食品など)との摂取で血圧上昇を起こす可能性は理論的にありますが、臨床的には稀です。とはいえ重篤な高血圧症例が報告されているため注意が必要です。

妊娠・授乳・特殊な集団での注意

妊婦や授乳婦に対する十分な安全性データは限られています。妊娠中の使用は母体の利益が胎児リスクを上回る場合に限り検討されるべきです。授乳中は乳汁中へ移行する可能性があり、乳児への影響を考慮して使用判断を行います。

耐性と利点・欠点

リネゾリド耐性は比較的まれですが、23S rRNAの変異やcfr遺伝子などによる耐性が報告されています。利点としては経口剤でありながら静脈投与と同等の血中濃度が得られる点、肺組織への浸透性が良い点、VREやMRSAに対する有効性が期待できる点が挙げられます。欠点は高コスト、長期使用時の骨髄抑制/神経障害リスク、薬剤相互作用がある点です。

監視・推奨使用期間

通常の治療期間は感染部位・重症度により異なりますが、長期投与(一般に2〜4週間以上)は副作用リスクが高まるため必要最小限に留めます。週1回の血液検査(特に血小板値)や、長期使用時は視力検査・末梢神経症状の評価を行ってください。

費用と入手性

リネゾリドは1990年代にPharmacia & Upjohn Companyのチームによって発見され、2000年に初めて承認されました。世界保健機関(WHO)の必須医薬品リストに登録されています。なお、Linezolidの米国での価格は、1錠あたり約100米ドルです。(実際の価格は保険適用やジェネリックの有無で大きく変動します。)

まとめ(臨床でのポイント)

  • リネゾリドはMRSAやVREを含む一部の難治性グラム陽性菌感染に有用な選択肢。
  • 成人標準用量は600mgを12時間ごとに経口または静注。経口剤の生物学的利用能は高く、IV→PO切替が容易。
  • 2週間以上の長期使用では血液検査や視力・神経症状の監視が必要。
  • 抗うつ薬などとの相互作用(セロトニン症候群のリスク)に注意し、他薬との併用は慎重に判断する。

感染症の種類や患者背景に応じて、利点・リスクを評価しながら適切に使用することが重要です。具体的な治療については担当医または専門家の指示に従ってください。

社会と文化

ブランド名

リネゾリドは、ファイザー社が商品名Zyvox(米国、英国、オーストラリア、その他数カ国)、Zyvoxid(欧州)、Zyvoxam(カナダ、メキシコ)で販売しています。ジェネリック医薬品として、リノスパン/リゾメド(インド)、ネゾシン(パキスタン)、リンゾリッド(バングラデシュ、インセプタ社)などがあります。

質問と回答

Q:リネゾリドとは何ですか?


A: リネゾリドは、他の抗生物質では治癒できないグラム陽性菌による重篤な感染症の治療に用いられる抗生物質です。

Q: リネゾリドはどのような細菌に対して有効ですか?


A: リネゾリドは、溶連菌やMRSAなど、病気の原因となるほとんどのグラム陽性菌に対して有効です。

Q: Linezolidは主にどのような感染症の治療に使用されますか?


A: Linezolidは、主に皮膚感染症や肺炎の治療に使用されます。

Q: Linezolidは短期間服用しても大丈夫ですか?


A: はい、Linezolidは短期間服用しても比較的安全です。すべての年齢の人、肝臓病や腎臓の機能が低下している人にも使用することができます。

Q: リネゾリドを短期間使用した場合の一般的な有害作用は何ですか?


A: Linezolidの短期使用の一般的な有害作用は、頭痛、下痢、吐き気などです。

Q:リネゾリドの発見の経緯について教えてください。
A: リネゾリドは1990年代にPharmacia & Upjohn Companyのチームによって発見されました。2000年に初めて使用が承認されました。

Q: リネゾリドは世界保健機関(WHO)の必須医薬品リストに掲載されていますか?


A: はい、リネゾリドは世界保健機関の「必須医薬品リスト」に掲載されており、これは基本的な医療システムで必要とされる医薬品のリストです。


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