カイツブリ(Tachybaptus ruficollis)
小型の潜水性水鳥カイツブリ(ダブチック)の識別、行動、繁殖、生息地、分布、保全に関する簡潔な百科事典項目。
概要
カイツブリは、英語でダブチック(dabchick)とも呼ばれる、カイツブリ科(Podicipedidae)の小型で体の締まった水鳥である。成鳥の全長は約23~29cm。ヨーロッパ、アジア、アフリカの一部に広く分布し、池、湖、湿地、流れの緩やかな小川など、植生が豊かで穏やかな淡水域を好む。
画像ギャラリー
10 画像識別と体のつくり
カイツブリは丸みのある体形、短い首、細く先のとがった嘴をもつ。脚は体のかなり後方に付き、趾には葉状のひれがある。この適応により力強く泳ぎ、巧みに潜水できる一方、陸上では動きにくい。繁殖羽の成鳥は、喉と脇により暖かみのある栗色を帯び、頭部はより暗く見えることが多い。非繁殖羽はより地味な灰色調で、幼鳥はより淡く、縞模様が目立つ。
鳴き声
鳴き声には、鋭いさえずりや高く細い声などの多様なものがあり、つがいの間、また親鳥と雛の間の連絡に用いられる。発声行動は、つがいが縄張りを示し、営巣を調整する繁殖期にとくに目立つことが多い。
行動と食性
カイツブリは優れた潜水者で、水中で獲物を追ったり、水面で抽水植物の間をついばんだりして採食する。食物は主に水生無脊椎動物、小魚、オタマジャクシ、甲殻類からなる。密生したヨシ原では目立たないが、素早く潜水し、少し離れた場所に再び姿を現す様子が見られる。
繁殖と生活環
巣は通常、抽水植物の間に造られ、植物に固定された浮き台状の構造である。つがいは数個の卵からなる一腹を産み、雌雄が抱卵と育雛を分担する。雛は半早成性で、孵化後まもなく泳ぐことができる。まだ小さい時期には、潜水や採食を学ぶ間、親の背に乗せて運ばれることが多い。つがいは繁殖期を通して縄張りを維持することがあり、条件が許せば複数回の育雛を行うこともある。
生息地、分布と移動
本種は、十分な隠れ場所のある幅広い内陸湿地を利用する。一年を通じて定住する個体群もある一方、分布域の寒冷な地域の鳥は、季節に応じてより温暖な地域へ移動する場合がある。地域的な個体数は、水質と密な水生植物の利用可能性に強く左右される。
保全と脅威
世界全体では、カイツブリは非常に高い絶滅のおそれがあるとは考えられていない。しかし、湿地の排水、汚染による環境悪化、人間活動による攪乱、外来植物や漁業の影響を受ける地域では、個体群が減少することがある。湿地の保護と再生、水質の維持、攪乱の軽減を図る保全対策は、本種と、多くの湿地依存性生物に恩恵をもたらす。
意義
カイツブリは淡水生態系において捕食者であると同時に被食者でもあり、水域の食物網に寄与している。その存在は、多様な水生生物を支える、植生に富んだ比較的健全な止水性の生息地を示すことが多い。
- 英語の一般名:Little Grebe、dabchick。
- 科:カイツブリ科(Podicipedidae)。
- 主な特徴:小型、葉状のひれをもつ趾、潜水行動、浮き巣、親の背に乗せられることの多い幼鳥。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com カイツブリ(Tachybaptus ruficollis) Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/58491