ミサ曲とは|宗教音楽の定義・構成・歴史と代表作

音楽における「ミサ」とは、キリスト教の典礼(礼拝)の一部をなす宗教音楽の総称で、特にローマ・カトリック教会、アングリカン教会、ルーテル教会などで伝統的に用いられてきました。ミサ曲には大きく分けてミサ常唱(Ordinary/定旋)ミサ固有文(Proper/プロパー)の二種類があります。常唱は典礼のいつでも変わらない定型文を歌にしたもので、一年を通して用いられる歌詞(文)が固定されています。これに対して固有文は典礼暦や祝祭日に応じて歌詞が変わる部分です。当初ミサは主にラテン語(一部はギリシャ語)で歌われましたが、時代とともに各国語(英語、ドイツ語など)でも作曲・上演されるようになりました。例として、シューベルトの「ドイツ・メッセ」などはドイツ語のミサ曲として知られます。また厳密にはミサではありませんが、宗教的な独立作品として英語やドイツ語で書かれた作品(たとえばブラームスの「Ein deutsches Requiem」など)が、コンサートで演奏されることがあります。

ミサの基本構成(常唱と固有文)

ミサ常唱(Ordinary/常唱)は、典礼で毎回歌われる固定の文句を指します。代表的な五つ(または六つ)の部分は次の通りです。

  • キリエ(Kyrie) — 「主よ、憐れみたまえ」など祈願を表す。言語的にはギリシャ語の節が残ることが多い。
  • グロリア(Gloria) — 神への賛歌。「栄光、神にあれ」などの讃歌。
  • クレド(Credo) — ニケア信経に基づく信仰告白(長大なテキスト)。
  • サンクトゥス(Sanctus)・ベネディクトゥス(Benedictus) — 「聖なるかな」の部分、神への崇敬を表す。
  • アニュス・デイ(Agnus Dei) — 「神の子羊(Agnus Dei)、我らの罪を取り除きたまえ」といった鎮魂・赦しの祈り。

これらは合唱曲として独立して作曲されることが多く、編成は無伴奏(ア・カペラ)合唱から、ソロ独唱・オーケストラ付きの大規模作品まで多様です。

ミサ固有文(Proper/プロパー)は、典礼日によって歌詞が変わる部分で、イントロイト(入祭唱)、漸進唱(グラデュアル)、アレルヤ(または詠唱句)、トラクト、オファートリー(奉納唱)、聖体拝領(コミュニオン)などを含みます。これらのテキストは本来グレゴリオ聖歌(単旋律の典礼歌)として伝えられ、特定の日のための固有の旋律が割り当てられていました。

歴史的展開と様式の変化

ミサ音楽は初期キリスト教の典礼歌に起源を持ち、中世を経てルネサンス期に大きく発展しました。ルネサンスでは教会の作曲家たちがミサ常唱のテキストをポリフォニー(多声音楽)で技巧的に作曲しました。典型的には複数声部(ソプラノ、アルト、テノール、バス)が互いに旋律を分け合い、同等の重要性を持つ声部が重なり合う様式が成立しました。こうした伝統の代表にはパレストリーナやジョスカン・デ・プレなどの作曲家がいます。

その後、バロック期・古典派・ロマン派を通じて、オルガンや管弦楽を伴う大編成のミサが登場し、次第にコンサート用のミサ(礼拝の枠を超えた宗教音楽)も増えていきました。18〜19世紀には宗教的機能を超えて美術音楽としての価値が強調される作品が多く、20世紀に入ると典礼改革(例:第2バチカン公会議)により各国語での典礼歌唱が許されるなど、言語・様式ともに多様化が進みました。

演奏形態と現代での位置づけ

ミサ曲は用途に応じて演奏形態が異なります。教会での典礼に供されるものは宗教的実践の一部として比較的簡潔で実用的な編成(合唱+オルガンなど)が多く、対してコンサート用に作曲されたものは独唱者、混声合唱、フルオーケストラを伴う大規模な演奏会作品になります。20世紀以降はミサを現代音楽の技法で再解釈した作品や、民族的要素を取り入れたミサも作られています。

代表的な作曲家と作品

ミサ曲・宗教曲の分野で名高い作曲家は数多くいます。歴史的にはバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ベルリオーズ、ドヴォルザーク、ヴェルディ、ブルックナー、フォーレ、ヴォーン・ウィリアムズなどが挙げられます。これらの中には、典礼用のミサを書いた作曲家もいれば、礼拝以外(記念やコンサート)を意図した大規模な宗教作品(レクイエム=死者のためのミサや宗教的オラトリオ)を書いた作曲家も含まれます。たとえば:

  • バッハ — 「ミサ曲ロ短調(Mass in B minor)」など、典礼音楽とコンサート音楽の境界で評価される作品。
  • モーツァルト — 各種ミサ曲(“大ミサ”など)、宗教曲で高い芸術性を示す。
  • ベートーヴェン — 「ミサ・ソレムニス(Missa Solemnis)」など大規模な宗教作品。
  • シューベルト — 「ドイツ・メッセ」など、ドイツ語による典礼曲も作曲。
  • ヴェルディ、ベルリオーズ、フォーレなど — レクイエム(死者のためのミサ)で著名な作品を遺す。

まとめ

ミサ曲は宗教的な儀式としての側面と、音楽芸術としての側面が密接に絡み合うジャンルです。ミサ常唱(定旋)の不変テキストに対する作曲の伝統、そして祝祭や季節に応じて変化する固有文の存在により、典礼音楽は時代や場所によって多様な発展を遂げてきました。古典的なルネサンスのポリフォニーからロマン派の大編成作品、さらに現代の多様な解釈にいたるまで、ミサ曲は西洋音楽における重要な柱の一つです。

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質問と回答

Q:音楽における質量とは何でしょうか?


A:ミサ曲とは、ローマカトリック教会、聖公会、ルーテル教会で使用されている、聖歌隊によって歌われる楽曲のことです。

Q:2種類の質量とは何ですか?


A:ミサには、教会暦にとらわれず、年間を通して同じ曲(言葉)を使う「普通ミサ」と、年間を通してパートが異なる「適正ミサ」があります。

Q:ミサ曲はもともとどの言語で歌われていたのですか?


A:ミサ曲はもともとラテン語やギリシャ語で歌われていました。

Q:英語でないミサの例を教えてください。
A:英語以外の言語で書かれたミサ曲の例としては、シューベルトの「ドイツ・メッセ」、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」などがあります。

Q:ミサ典礼には何が書かれているのですか?


A:ミサの普通部には、Kyrie(主よ、私たちをあわれんでください・・・)、Gloria(栄光あれ・・・)、Credo(父なる神を信じます・・・)、Sanctus(神聖、神聖、神聖・・・)、Agnus Dei(神の子らよ・・・)が含まれています。

Q. ルネサンス期のミサ曲はどのように作曲されたのでしょうか?


A: ルネッサンス期、教会の作曲家たちは、Ordinaryの言葉をポリフォニックな音楽(異なるパートが等しく重要なメロディーを共有する)で作曲し、Properの言葉は普通の音楽で歌った。

Q:ミサのためのコンサートピースを書いた有名な作曲家は誰ですか?


A:ミサのためのコンサートピースを書いた有名な作曲家には、バッハ、モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、ベルリオーズ、ドヴォルザーク、ヴェルディ、ブルックナー、フォーレ、ヴォーン・ウィリアムズなどがいます。

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