MDNAは、2012年3月にマドンナが発表したスタジオ・アルバムである。Live Nation Entertainment と Interscope Recordsとの360度提携から出た最初の作品であり、長年所属していたWarner Bros.との関係の外で初めて届けられた大規模リリースでもあった。タイトルはMDNAと表記され、歌手名をもじりながら、クラブ志向でエレクトロニックなポップへの回帰を示している。

録音と制作

MDNAは主に現代的なエレクトロニック系およびダンス系プロデューサーとともに作り上げられた。制作にはマドンナ自身のほか、Benny Benassi、Alle Benassi、William Orbit、Martin Solveigがクレジットされている。こうした参加者によって、EDMのビート、トランス的な質感、艶のあるポップ・アレンジが組み合わされ、高速のダンス曲と、ややゆったりした内省的な場面が混在する作品になった。

シングルとプロモーション

先行シングルの「Give Me All Your Luvin'」は、M.I.A.とNicki Minajの客演をフィーチャーし、アルバムに先がけて発売された。2012年のスーパーボウル・ハーフタイムショーを含む注目度の高い出演で宣伝された。第2弾シングルの「Girl Gone Wild」は2012年2月下旬にリリック・ビデオで紹介され、その後まもなくシングルとして発売された。プロモーションはテレビ出演、ミュージックビデオ、クラブでのプレイ、当時のポップ作品らしいソーシャルメディア戦略に支えられていた。

スタイル、主題、評価

音楽的には、MDNAはエレクトロニック・ダンス・ミュージックと攻撃的なポップ・プロダクションに傾き、クラブやアリーナで映えるような鋭いシンセサイザー、大きく展開するドロップ、リズミカルなフックを備えている。歌詞では愛、喪失、自己肯定、回復力が扱われ、パーティー賛歌の合間に自伝的だと受け取れる瞬間も指摘された。評価は割れ、制作とダンス志向を称賛する声がある一方で、作詞や全体のまとまりを批判するレビューもあった。ファンや批評家の見方はいまも分かれるが、この作品はマドンナがポップ・パフォーマーとして繰り返してきた刷新の一部として語られることが多い。

商業的な影響とツアー

MDNAは複数の国別チャートで高順位で初登場し、2012年に行われた大規模なコンサート・ツアー、MDNA Tourによって支えられた。ツアーは演劇的な演出、振付、新旧の楽曲を組み合わせたセットリストを前面に出し、ライブ観客にもアルバムのクラブ志向のサウンドを強く印象づけた。結果として、プロジェクトの世界的な可視性にもつながった。

注目点

  • MDNAは、従来のWarner Bros.との関係ではなく、Live Nation/Interscope の取り決めを通じた配給モデルの転換を示した。
  • 収録曲には主要なエレクトロニック系プロデューサーとのコラボレーションが含まれ、2010年代初頭のポップ作曲とEDM制作の融合傾向を反映している。
  • シングルやツアーは大きなメディア注目を集め、アルバム期に結びついたパフォーマンスや話題づくりをめぐる議論も生んだ。

現在、MDNAはマドンナのディスコグラフィーの中でも賛否が分かれるが重要な一枚とみなされている。現代のダンス・ミュージックに自らのサウンドを合わせることを意図しつつ、大規模なライブ・パフォーマンスとプロモーションのための媒体としても機能した作品である。