メシエ49(M49/NGC 4472)|おとめ座の巨大楕円銀河:特徴・距離・ブラックホール

メシエ49(M49/NGC 4472)—おとめ座の巨大楕円銀河。4900万光年、超巨大ブラックホールと約5,900個の球状星団、UGC7636との相互作用を詳説。

著者: Leandro Alegsa

メシエ49 (NGC 4472) は、おとめ座に位置する巨大な楕円銀河で、距離は約4,900万光年の(約15 Mpc)と推定されています。銀河の形態は一般に巨大楕円(タイプE2など)とされ、1771年にフランスの天文学者シャルル・メシエによって発見されました。視野上の位置はイプシロン・ヴィルジニス星の西南西およそ4.1度のあたりです。

位置と銀河団内での役割

メシエ49は、おとめ座銀河団の明るい主要メンバーの一つで、光度面ではクラスタ内で最も明るい銀河の一つです。特にメシエ49は、おとめ座銀河団の南側にある小さなサブクラスター(いわゆる「Virgo B」サブクラスター)の中心的な銀河と考えられており、これに対してメシエ87は主たるコア(Virgo A)をなす銀河です。メシエ49は近接する矮小不規則銀河 UGC 7636 と重力的に相互作用していることが観測されています。

物理的性質と放射

メシエ49は巨大楕円銀河らしく、古い恒星で構成された滑らかな光分布を示します。可視光では非常に明るく、また球状星団系(後述)が豊富です。一方で電波発生は比較的弱く、強力なラジオ源で知られるメシエ87などとは対照的です。中心付近や周囲には高温のガスが存在し、これがX線で明るく観測されます(銀河ハローおよび銀河団内ガスとの相互作用の痕跡を示します)。

中心にある超大質量ブラックホール

メシエ49の核領域からのX線放射や運動学的測定から、中心に質量の大きなブラックホールが存在することが示唆されています。推定質量は約5.65×108太陽質量(約5億6,500万倍)程度で、活動は比較的穏やかですがX線やその他の波長でその影響が検出されています。銀河の外縁部は数十〜数百キロパーセク(数十万光年)にわたって淡い光やガスを引き延ばしていることが観測されており、これらは過去の合併や周囲環境との相互作用を反映しています。

球状星団系と若年・古年の特徴

メシエ49は豊富な球状星団系を持ち、その総数は観測により約5,900個と推定されています。これは同じくおとめ座銀河団に属する巨銀河であるメシエ87の球状星団数(1万個を超える推定)に比べると少ないものの、楕円銀河としてはかなり多い数です。球状星団の多くは古く、平均年齢はおよそ100億年(約10 Gyr)と見積もられています。

ブラックホール候補と超新星観測

2000年代に入ってから、メシエ49に付随する球状星団の一部で恒星質量ブラックホール(あるいはそれに準じる質量のブラックホール)を示唆するX線源が検出され、2000–2009年の観測で強い証拠が得られました。続いて2011年には第2の候補が発表され、球状星団内にブラックホールが存在する可能性が注目されています。

銀河で記録されている超新星の観測は少なく、よく知られているのは1969年6月に発見されたSN1969Qのみです。タイプ分類など詳細は当時の観測記録に依存しますが、巨大楕円銀河は恒星形成が少ないため超新星発生頻度は一般に低めです。

観測上の意義と今後の研究

  • メシエ49は巨大楕円銀河の典型例として、球状星団系や銀河ハロー、銀河間ガスとの相互作用を研究するうえで重要です。
  • 中心の超大質量ブラックホールや、球状星団中のブラックホール候補の研究は、銀河形成史やブラックホールの進化を理解するうえで手がかりになります。
  • 近年のX線・光学・スペクトル観測により、メシエ49の詳細な質量分布や成分、過去の合併履歴の解明が進んでいます。今後も高感度観測で周辺ハローや伴銀河との相互作用の痕跡がさらに明らかになると期待されます。

(注)本文中のおとめ座や各リンクは原文の指定どおり保持しています。観測値や推定値は研究により更新される場合があります。

メシエ 49Zoom
メシエ 49

質問と回答

Q:メシエ49とは?


A:メシエ49号(別名:NGC4472)は、おとめ座の方向、約4900万光年の彼方にある楕円形の銀河です。1771年にフランスの天文学者シャルル・メシエによって発見され、おとめ座銀河団の中で最も明るい銀河のひとつである。

Q:メシエ49は地球からどのくらい離れているのでしょうか?


A: メシエ49は地球から約4900万光年の距離にあります。

Q:メシエ49はどのような銀河なのでしょうか?


A: メシエ49は楕円形の銀河です。

Q:どの星の近くにあるのですか?


A: メシエ49は、おとめ座イプシロン星の西南西4.1°に位置しています。

Q:放射性物質は出ていますか?


A:はい、メシエ49は普通の銀河からの電波を発しています。

Q: この銀河に超巨大ブラックホールがある証拠はあるのでしょうか?


A: はい、銀河の中心部からのX線の放射は、この銀河に太陽の5億6500万倍の質量を持つ超巨大ブラックホールが存在する可能性を示唆しています。

Q:M49の軌道を回る球状星団はいくつあると推定されるか?



A: M49は、約5900個の球状星団に囲まれています。


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